グループ突破だけじゃない 伊藤敦樹が「浦項戦はターニングポイントになる」と語る理由 #浦和レッズ
AFCチャンピオンズリーグ(ACL)のグループステージ第4節、浦和レッズ(グループJ2位)対浦項スティーラーズ(グループJ1位)の試合を前に、日本代表MF伊藤敦樹が意気込みを語った。
現アジアチャンピオンとして今回のACLに臨んでいる浦和は、アウェーでの第1節武漢三鎮戦2-2、ホームでの第2節ハノイFC戦6-0、ホームでの第3節浦項戦0-2、1勝1分け1敗で前半戦を折り返し、現在グループ2位にいる。
今季のACLは、グループ2位なら5グループの2位チームのうち上位3チームに入らなければ決勝トーナメントに進めず、スコルジャ監督は前日会見で「このレギュレーションでは勝ち点1が十分ではないこともある。勝ち点3を目指して闘う」と語っている。
浦和はキャプテンの酒井宏樹が11月6日に右膝半月板の手術を行ったことを発表。他にも中心選手に負傷者が続出し、厳しいチーム状況となっている。11月4日にあったYBCルヴァンカップ決勝アビスパ福岡戦で敗れたことによる精神的なダメージも少なくない。
そんな中、ルヴァンカップ福岡戦後の取材エリアで「こんなプレーしかできない自分が悔しい」と言葉を詰まらせた伊藤は、浦項での前日練習後、きっぱりと気持ちを切り替えたことをうかがわせる表情で取材に応じた。
■ACLグループステージ突破のため、J1リーグのため、そして自分のため
まず、埼玉スタジアムで対戦したときの印象について聞くと「ホームで負けた悔しさもありますし、その時にやったイメージもまだ残っている。浦項は特にフィジカルが強い。ホームの試合では相手に上回られて自分たちのサッカーをできなかった」と語った。
その反省を踏まえたうえで、今回はどのように闘おうとしているのか。
「根本的にフィジカルのところで負けないことが大事になる。入りから勢いを持って勝ちにいくぞというところを見せられれば、ホームの時のような試合にはならないと思っています」
ルヴァンカップ決勝から中3日で迎える試合。リバウンドメンタリティーも大きなテーマになるのでは、という指摘に対しては「その通りだと思う」と首肯した。
そして、「ルヴァンカップで負けてしまって、自分たちも悔しい思いをしたし、応援してくれている人たちを悲しませてしまった」と続け、さらには口調を一段階クリアにしながらこう言った。
「そこから中3日での大事な試合。シーズンの終わりに向かってきている今、正直ここ数試合うまくいっていない、結果の出ない試合が続いている。ここ(浦項)では勝つことが必要だと思うし、勝つことでJ1リーグ戦にもつながる。浦項戦は終盤に向けてのターニングポイントとなる試合だと思う」
■「フィジカルや闘いの面で韓国選手と対等以上にやり合えれば自分の良さを出せる」
勝ち点3を目指す試合の中では、伊藤の最大の良さである、敵陣まで攻め上がってフィニッシュまで行くというプレーが活きる。
「イメージはあるし、それを出していかなければいけないと思っている。フィジカルの部分や球際、闘うところで韓国選手と対等以上にやり合い、そこで上回れれば、自分の良さは出ると思っている。チャレンジしていきたい。自分の気持ちは見せたい」
今季は6月に日本代表に初招集され、代表デビューを飾り、9月のトルコ戦では初ゴールも決めた。ただ、10月シリーズのカナダ戦では日本が4-1と勝利を収める中で途中出場での課題も見えた。
「まあ、周りには色々言われたりもしますが、しっかり自分と向き合って、自分の良さや持ち味を出して、チームのために闘いたいです」
やるべきことを自身の中に明確に据えたという様子が見えた。