軽バン エブリイを車中泊仕様に改造する方法【DIY】簡単に取り外せるので車検や整備も安心
仕事で使う軽バンとして知名度が高く、最近はキャンプや車中泊でも人気のワンボックス、スズキのエブリイ。
今回は、このエブリイ DA64Vを車中泊仕様に改造する方法を紹介します。
ただ、本格的にシートを外してキャンピングカーのように改造してしまうと車検に通らなかったり、メインテナンスする際には分解する必要があります。
そこで、車検や掃除する時は簡単に取り外せて、組み立てが簡単な分割式台座を作りました。
使用する材料
1×4材(6F):5本
コースレッド35mm:適量
15mmのビス:適量
蝶ネジとボルト:2ヶ
木工用ボンド:一本
コンパネ9mm:2枚
クッションフロアシート
910mm幅:3000mm
両面テープ:一本
エブリイの車内をフルフラットに改造する為に必要な材料は以上になります。
作ったパーツが重くならないようにワンバイフォー材と9mm厚のコンパネを使います。
分割式台座の作り方
ワンバイフォー(1×4)の木材を使って下の写真のような左右対称の台座を2つ作ります。
それぞれの寸法を記載します。
まずは垂直に立てた木材3本は以下の通り。
- 縦向きの内側の部分:860mm
- 縦向きの中央の部分:700mm
- 縦向きの外側の部分:1063mm
そして、下側に水平に寝かせた木材2本は以下になります。
- 横向きの下側の前部分:590mm
- 横向きの下側の後部分:663mm
ネジは下側の木材から垂直に立てた板に2本づつ打ち込み、更に補強の為に木工用ボンドを塗って強度をアップさせています。
そして、作った台座を車の荷台に設置してみます。
台座が2つに分かれるので、簡単に車の荷台に設置できます。
ただ、このままでは走行中に2つの台座が動いてしまうので台座に穴を空けてボルトで固定します。
ボルトも簡単に脱着できるように蝶ネジで固定するのがポイント。
台座の前後2か所を固定することで走行中のガタツキが緩和されます。
更に台座には丁番を使って折り畳み式の延長パーツを取り付けます。
リアシートを使っている時は延長パーツを折り畳んでいます。
そして、フルフラット仕様にする際は延長パーツを伸ばして床板を支えます。
フラットに調整
自動車の床面は波打つように鉄板が凸凹しています。
なので、台座がガタつかないように板を挟んで微調整する必要があります。
板を取り付けて高さを調整する部分は「垂直に立てた外側の板」と「延長パーツ」です。
あと、荷台の床面にあるバッテリーの点検口のフタが出っ張っているので裏返してフラットにします。
次に折り畳んだリアシートの背面部分をフラットにします。
何故かというと、リアシートの背面部分も床板を支える台座の役割をするからです。
ただ、残念なことに分割シートモデルのジョインはシートを折り畳んだ時に背面部分が斜めになるのです。
そこで、ある方法を使って下の写真のように背面部分を水平にします。
それは、後部座席の床面ジョイント部分に木板を挟む事。
ここに木材を取り付ける事でシートの背面が水平になるのです。
木材にドリルで穴をあけて結束バンドを通し、座席の付け根に固定しています。
ゴムクッションとの間に木材が挟まる形になります。
床板の作り方
床板の強度を考えると12mm厚のコンパネを使うのが妥当だと思いますが、軽量化する為にあえて9mm厚のコンパネを使いました。
まず、段ボールを使って車の壁面のカーブに合わせて床板の型紙を作ります。
そして、その型紙を写したコンパネをジグソーでカットします。
床板は4枚に分かれています。
それぞれ、縦方向は910mmのサイズになります。
ここで床板同時の合わせ目をチェックします。
中心線部分の合わせ目は台座で支えられているので、荷重を掛けても段差は出来ません。
しかし、前方側の床板は柔らかいリアシートに支えられているので、荷重を掛けると板が曲がって合わせ目に段差が出来てしまいます。
そこで、後方側の床板にツメを取り付けて前方側の床板を支える構造にします。
ツメは木工用ボンドとビスで固定します。
このツメが前方側の床板を支えます。
これで、床板の合わせ目に段差は出来なくなりました。
クッション フロアシートは床板の形に合わせてカッターナイフでカットします。
そして、幅広の両面テープを使って床板に貼ります。
床板が完成しました。
床板の支持パーツの製作
前方側の床板はリアシートと後方側の床板で支えられています。
しかし、シート自体が柔らかいので前の方に体重を掛けると床板が沈んでしまいます。
そこで、床板の支持パーツを作りました。
初期型は折れやすかったので、現在はビスを入れて補強しています。
支持パーツは床板に差し込んで使います。
合計4本で床板を支えます。
これで前方に体重を掛けても床板が沈みません。
収納サイズ
床板は、前後の板を重ねることができます。
車中泊する時にのみフルフラットにするので、後部座席は通常通りに使えます。
ただ、前後の床板は形が微妙に違うので重ねた際に隙間が出来てしまいます。
そこで、スペーサーを作って後方の板に取り付けます。
これで走行中に横ズレを起こしません。
更に縦ズレ防止対策として、工具箱に余っていたボルトを床板に貫通させてピンとして使いました。
就寝スペース
車中泊をする時はフルフラットにします。
床板の長さは1820ミリあるので小柄な方なら余裕で寝転がることが出来ます。
エブリイは助手席の背もたれが前側に倒れるので、運転席から楽に後ろへ移動できます。
そして、片側だけフルフラットにすることも可能です。
一人分の就寝スペースが確保できるので、ひとり旅ならこのスタイルがおススメです。
後部座席で くつろぐことも出来ます。
また、後部座席は後ろ側に倒すことも出来ます。
助手席も倒せばフルフラットとまではいきませんが、フラットになります。
若干浮いていますが、ほぼフラットです。
更に全てのシートを倒して使う事も可能です。
床板やマットを敷くのが面倒な時は、このまま車中泊できます。
ただ、段差があって凸凹しています。
その際はシートの段差に長座布団を折り曲げて敷くと段差が気にならなくなります。
疲れている時は座席シートを倒して仮眠、ゆっくり眠りたい時は床板を敷いてフルフラットに、というように使い分けても良いでしょう。
車中泊スタイル
就寝時のレイアウトです。
キャンプ用品を入れた50Lのザックを助手席の後ろに、コンテナ兼テーブルをマットの横に置いています。
車内はフルフラットになりますがクッションフロアは固いので就寝時はマットが必要です。
マットを敷けばフロアの固さを感じる事はありません。
ザックからシュラフを出せば、いつでも就寝できます。
エブリイは助手席の背もたれが前方に倒れるので、運転席へスムーズに移動できます。
深夜にトイレへ行く時は、静かにドアを開け閉めできる運転席から出入りする方が他の宿泊者の迷惑になりません。
スライドドアの開閉音は大きいですからね。
広い車内は寝床地が良く、ひとり旅なら快適に過ごせます。
私は、この車で九州から北海道まで2ヶ月ほどキャンプ&車中泊の旅をしましたが、長期の旅でも全く問題ありませんでした。
収納スペース
床板を外すとキャンプ道具や生活必需品が収納できるスペースになります。
ここには普段使わない予備のアイテムなどを収納しています。
荷物を収納した状態でも台座を取り外すことが出来ます。
道具を片付けたら掃除もしやすくなります。
車検や修理の時は簡単に取り外せるので、とっても便利です。
最後に
床板の強度に不安があれば12ミリのコンパネを使うのもありだと思います。
新型のエブリイはDA17Vですが、この旧型のエブリイを車泊仕様にしようと考えている方の参考になれば幸いです。