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元ヤクルトのMLBリーグ優勝監督は2人目。日本で打ったホームランは1人目が189本、2人目は1本

宇根夏樹ベースボール・ライター
左から、G.ペルドモ、T.ルベロ、C.キャロル Oct 24, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今年のナ・リーグは、アリゾナ・ダイヤモンドバックスが制した。ダイヤモンドバックスの監督は、6年前からトーリ・ルベロが務めている。

 ルベロは、1980年代の終盤から1900年代の終盤にかけて、メジャーリーグで303試合に出場。その後、2000年にヤクルト・スワローズで29試合に出場した。当時の登録名は、トレイ・ロブロだった。

 通算本塁打は、メジャーリーグで15本と日本プロ野球で1本。2001年以降はプレーしていないので、2000年5月9日に山崎慎太郎から打ったホームランが、最後ということになる。山崎は、近鉄バファローズ時代が長いが、2000年は広島東洋カープで投げていた。ルベロにホームランを打たれた試合は、先発登板では2年ぶりとなる白星を挙げた。ちなみに、メジャーリーグでルベロがホームランを打った15人の投手のなかには、ロジャー・クレメンスドワイト・グッデンもいる。

 ヤクルトでプレーし、メジャーリーグで監督としてリーグを制したのは、チャーリー・マニエルに続き、ルベロが2人目だ。マニエルのヤクルト時代は、1976~78年と1981年。その間に近鉄時代を挟んでいる。こちらも、メジャーリーガーとしては大成できず、242試合で4本塁打に終わったが、日本プロ野球では通算189本塁打。1977年から、4年続けて37本塁打以上を記録した。1977~80年の計166本塁打は、このスパンで2番目に多く、山本浩二の計174本塁打に次ぐ。

 マニエルが監督を務めたのは、クリーブランド・インディアンズ(2000~02年)とフィラデルフィア・フィリーズ(2005~13年)だ。2008~09年にリーグを制し、2008年はワールドシリーズ優勝も飾った。

 日本プロ野球でプレーした後、ワールドシリーズで采配を振った監督は、他には、デービー・ジョンソンしかいない。ジョンソンは、1975~76年に読売ジャイアンツで199試合に出場。その10年後に、ニューヨーク・メッツを率いてワールドシリーズを制した。

 メッツのリーグ優勝は、これまで5度。1986年は、その3度目に当たる。また、4度目と5度目は、どちらも、日本プロ野球で監督経験のある人物が指揮を執っていた。2000年がボビー・バレンタイン、2015年はテリー・コリンズだ。日本プロ野球で、バレンタインは1995年(と2004~09年)に千葉ロッテ・マリーンズ、コリンズは2007年から翌年の途中までオリックス・バファローズを率いた。バレンタインは、2005年に日本シリーズ優勝監督となったが、2人とも、ワールドシリーズでは1勝ずつしか挙げられなかった。

 今年のワールドシリーズは、10月27日に、テキサス・レンジャーズのホームで第1戦が行われる。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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