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来週は今冬一番の寒気が南下し、東京も冬の到来となって12月を迎える

饒村曜気象予報士
関東から西日本に広がる晴天(11月18日15時)

全国の天気は3分割に

 19日(金)の北日本は、前線を伴った低気圧が通過するため雲が多く、北海道では所により雨か雪、東北の日本海側では雨が降るでしょう(図1)。

図1 予想天気図(19日午前9時の予想)
図1 予想天気図(19日午前9時の予想)

 寒気が南下してきますが、それほど強いものではないため、北海道では全面的に雪というわけではありません。

 また、南西諸島も、前線が停滞することで雲が多く、所により雨が降る見込みです。

 一方、東日本から西日本は高気圧に覆われ、広い範囲で晴れて洗濯日和になる見込みです。

 18日(木)に引き続き、全国の天気は3つにわけることができるでしょう(タイトル画像参照)。

 気温は、この時季としては高くなりますので、各地とも、晴れる地域では過ごしやすく感じられそうです。

 週末は、移動性高気圧に覆われますので、全国的に晴れとなりますが、週明けは日本海北部を低気圧が通過しますので、全国的に雨となる見込みです。

 そして、そのあと、強い寒気が南下してくる予報です。

令和3年(2021年)の秋

 令和3年(2021年)の秋は、残暑が長く、10月の中旬までは全国の約半分の地点で最高気温が25度以上の夏日を観測していました(図2)。

図2 全国の夏日と冬日の推移
図2 全国の夏日と冬日の推移

 残暑が長引いていたのです。

 しかし、10月中旬以降はやや強い寒気が南下し、10月17日には稚内、旭川、網走で初雪を平年より10日以上早く観測しています。

 長かった夏から短い秋を通り越し、早くも冬到来という感じがありました。

 その後も、寒気が周期的に南下するようになり、その度に、最低気温が0度未満という冬日の観測地点が増えましたが、全国の1割くらいで止まっています。

 札幌の初雪の平年は11月1日など、北海道は11月になると平野部でも雪が降りますが、稚内、旭川、網走以外では初雪が遅れ、11月14日に帯広、11月16日に室蘭と、大幅に遅れた初雪でした。

 徐々に強い寒気が南に下がってくることによって冬日がだんだん増えゆき、季節が進むというわけではなかったのです。

 それほど強くない寒気が周期的に南下してきましたが、北日本どまりでした。

 徐々に寒気が南に下がって季節が進んで行くのではなく、季節が止まっていたのです。

 寒気の強さをみるのに、上空約5500メートルの気温が使われます。

 上空約5500メートルの気温が、氷点下30度以下なら強い寒気、36度以下なら非常に強い寒気ということができます。

 週末に南下する寒気は、上空約5500メートルで氷点下30度以下の強い寒気が北海道までですが、週明けに南下する寒気は、氷点下30度以下の強い寒気が東北北部まで南下する見込みです(図3)。

図3 上空約5500メートルの気温分布予報(上は19日夜、下は24日朝)
図3 上空約5500メートルの気温分布予報(上は19日夜、下は24日朝)

 しかも、北海道上空では氷点下36度以下の見込みです。

 これまでとは違って、一気に気温が低くなり、初雪や冬日といった冬の便りが次々に届くと思われます。

東京の天気

 秋から冬に向かって気温は徐々に下がってゆくというのは、平年値での話です。

 特定の年で見ると、高くなったり低くなったりしながら下がってゆきますが、大きく見ると、階段状です。

 ある温度を挟んで高かったり低かったりしていたのが、低気圧通過をきっかけとして一段低い温度を挟んで高かったり低かったりするのです。

 東京も、10月中旬に気温が一段下がった後は、1か月近くも、ほぼ同じ値を挟んで高くなったり低くなったりしています。

 このため、次第に平年並みとなり、今では平年より高い状態になっています。

 そして、来週の半ば以降は、もう一段下がって、最高気温が15度前後、最低気温が6度前後となる見込みです(図4)。

図4 東京の最高気温と最低気温の推移(11月19~25日は気象庁、11月26日~12月4日はウェザーマップの予報)
図4 東京の最高気温と最低気温の推移(11月19~25日は気象庁、11月26日~12月4日はウェザーマップの予報)

 東京など多くの地方は、冬到来の気温となって12月を迎えます。

タイトル画像、図3の出典:ウェザーマップ提供。

図1の出典:気象庁ホームページ。

図2の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

図4の出典:気象庁とウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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