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【手帳】「ほぼ日手帳×ONE PIECE」2023年版が登場するって!?その本当の狙いはこれだ!

舘神龍彦デジアナリスト・手帳評論家・歌手

 さる4月5日、株式会社ほぼ日からとどいたプレスリリースは

「マンガ『ONE PIECE』から365の熱い言葉を収録!『ONE PIECE magazine』版 ほぼ日手帳2023発売決定」

というものでした。
 こんにちは。デジアナリスト・手帳評論家の舘神龍彦(たてがみたつひこ)です。
 このリリースを見た最初の感想はといえば、
 「えっ、この前、NOLTY×ドラゴンボールのコラボ手帳を紹介したばっかりジャン。まだ4月なのにもう来年の手帳って・・・。」
【手帳】手帳の中に作り込まれたPDCAのしくみ!NOLTY×ドラゴンボール 全ページ解説

 というものでした。これは異例中の異例と言うべきです。来年の手帳の発表は毎年早くなっている感じがありますが(ということを毎年感じている気もしますが)、ほぼ日というブランドといい、コラボする漫画のタイトルの大きさといい、発表時期といい異例づくしと言っていいでしょう。

表紙カバーのイメージ。ルフィが腕組みしている。ほぼ日の特徴たるバタフライストッパーや2つのしおりは健在
表紙カバーのイメージ。ルフィが腕組みしている。ほぼ日の特徴たるバタフライストッパーや2つのしおりは健在

 これが業界にとっての大きなインパクトのあるニュースである事は間違いありません。
 どんな内容の手帳なのかは、このリリースの内容がすべてだと思います。

 ほぼ日のWebサイトを見る限りでは、ほぼ日手帳史上はじめての本体との本格的なコラボレーションだとのこと。確かに過去のほぼ日手帳のキャラクターコラボのタイプは、本体というよりカバーのそれでした。本体の文言は共通でカバーのみに個性があったのです。いいかえれば、カバーのバリエーションとして各種のキャラクターものが存在していたということになります。

 そして今回は登場キャラクターの誕生日や、作品中の名台詞が1日1ページの記入欄下部に登場するわけです。本当に新しいバリエーションが生まれるわけです。

表紙イメージと記入ページイメージ。全キャラクターの誕生日や、日々の言葉に代るキャラクターたちのセリフが入ることがわかる。
表紙イメージと記入ページイメージ。全キャラクターの誕生日や、日々の言葉に代るキャラクターたちのセリフが入ることがわかる。

 そして、この手帳には、実はそれ以上の意味があるような気がします。
 端的に言えば、より多くの層にアピールをすることで、「ほぼ日」ブランド自体の存在感を増加。手帳を中心とした各種文具、また雑貨類への導線としての役割をになっていることではないでしょうか。
 なにしろ、「ONE PIECE」は、単行本第100巻の発行部数が100万部を突破するビッグタイトルです。累計の発行部数は億越えです。
 また、連載の期間の長さもすごいです。なんと25年にもわたってつづいているとのこと。つまり、この間にずっと読んでいる人はもちろん、かつて読んでいた人や、アニメでその存在を知っている人など、下は小学生から上は30代、40代にまでアピールできるのです。
 現時点(2022年)における日本の手帳市場において、これだけのアピール力があるものはちょっと例がないかもしれません。
 つまり、ほぼ日手帳×ONE PIECE 2023年版手帳は、存在そのものもさることながら、漫画のビックタイトルによって、ほぼ日ブランドをより多くの層にアピールするという大きな隠れミッションがあるのではないかと思うのです。

デジアナリスト・手帳評論家・歌手

デジアナリスト・手帳評論家・歌手。著書『手帳と日本人』(NHK出版新書)は週刊誌の書評欄総ナメ。日経新聞「あとがきのあと」登場ほか大学受験の問題に2回出題。『凄いiPhone手帳術』(えい出版社)『システム手帳新入門!』(岩波書店)等著書多数。「マツコの知らない世界」(TBSテレビ)「HelloWorld」(J-WAVE)はじめテレビ・ラジオ出演多数。講演等も。手帳ユーザーを集めた「手帳オフ」を2007年から開催する等トレンドセッター的存在。手帳活用の基本をまとめた「手帳音頭」をYouTubeで公開中。認知症対策プロダクト「おぼえている手帳」は経産省オレンジイノベーションプロジェクト事業採択。

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