現役保育士は子持ち様批判が迷惑な話「38.7度でも迎えに来てもらえないお子様」
現役の保育士&幼保英検1級です。
2023年あるX(ツイッター)ユーザーがこんな投稿をしたところ賛否両論が巻き起こりました。
筆者はこのような「子持ち様」批判に対し、子持ち様と非子持ち様のどちらの味方でもないのですが、現役保育士としての職務上は子持ち様批判は迷惑なのです。
子持ち様批判が広がると保育園の現場では何が起こるのか、具体例を紹介していきたいと思います。
登園不可ルールを完全無視!保育士に逆ギレして通勤する親
病児保育ではない限り、発熱がある場合は保育園に登園することはできません。
何度から発熱とするかは保育園により多少異なるものの、特にコロナ禍においては登園可否のルールが厳密に定められていました。
コロナ禍では次のような登園ルールだった保育園も多いはずです。
- 朝37.5度あった場合は登園不可
- 保育園利用中に37.5度に達した時点で保護者にお迎え要請
- 解熱後24時間経過するまでは登園不可
前日の給食後に37.8度の発熱があったケンちゃん。
お母さんにお迎え要請の電話を入れ、迎えに来てもらいました。
コロナ禍の登園ルールによれば、解熱後24時間経過してから登園できるため翌日はケンちゃんはお休みとなります。
ところが翌日普通に登園してきたケンちゃん。
お母さんに「昨日発熱しているので今日はお預かりできないのですよ」と丁寧に説明すると、「治ってるから!行かなきゃいけないの!」と保育士に逆ギレして踵を返して行ってしまいました。
怖かった・・・
職場で「子持ち様は困る」などと言われたくなかったのでしょうね。
絶対に子どもを病院に連れていかない人
保育園は皆勤賞、延長保育も土曜保育も利用するリコちゃん。
未就学児なので誰しも発熱はもちろん、各種感染症にかかりやすいです。
よって、保育士は登園時検温とともに全身の状態を確認する視診をしたり、日中も着替え中やおむつ替え中に全身の視診をします。
とある日のリコちゃん、お腹の付近にあやしいポツポツが・・保育士と看護師は感染症を予想しながらお迎え時にお父さんに言います。
「一度、医療機関をご受診お願いできませんか?」
翌日もポツポツは消えぬまま、いやむしろ増えた状態でいつもどおり登園するリコちゃん。
でも、このリコちゃんち、受診お願いをしても聞いてもらえたことがありません。
万が一の感染症の場合、保育園をお休みしなくてはいけないから病院で診断されるのが嫌なのですね。
グレーが黒になってしまうのを避けたいという。
もうこれ絶対手足口病でしょ!というお手々で、リコちゃんに握手やら抱っこを迫られたときは、「ひえー!病院にも行って、しばらく休んでくれー」とさすがに思いましたよ。
38.7度のまま5時間お迎え待ちする子
保育園を利用中に発熱や体調不良があった場合は、保護者に連絡をしてお迎えに来てもらいますが、「お迎え要請から1時間以内を目安にお迎え」等と時間の目安を示している保育園も多いでしょう。
「早めのお迎えを」といっても、早めってどの程度までOKなのか迷いますからね。
午前中に38度を記録したアキラくん。保護者にお迎え要請の電話を入れます。
(お母さんに電話をかける)
ママ「今迎えに行けないのでお父さんに電話してください」
(お父さんに電話をかける)
パパ「今日お迎えできないのでお母さんに電話してください」
保育士「お父さん、すでにお母さんにはお電話したのですが・・」
(再びお母さんに電話をかける)
保育士「お母さん、お父さんはお迎えできないとのことでどうしましょう」
ママ「えー!やだ~~~」
保育士「・・・・
では、お母さんとお父さんで直接お話して、どちらかがお迎えに来るようお二人で調整していただけませんか」
こんな長いやり取りをしてから、実際にアキラくんがお家に帰れることになったのが、それから5時間後。
おでこに貼られた冷えピタが痛々しいです。
「また、お子が高熱で帰った」とか同僚に言われたくないのでしょうね。
まとめ
現役保育士としては、子持ち様批判は迷惑という話を具体例で紹介してきました。
子持ち様批判が過熱すると保育園の中では、本来自宅で静養すべき子も無理やり登園するということが増える可能性があります。
筆者は、子持ち様と非子持ち様のどちらの味方でもないのですが、一方が一方を”批判する”という方法以外で解決することを願っています。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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