Twitter「自動化ツール」との連携は有料に 新APIの影響広がる
自動化ツールの「IFTTT(イフト)」が、5月23日からTwitter連携を有料プランのみに変更し、長く続いてきた無料サービスが終了しました。
Twitterが新しいAPIに移行し、利用料金を値上げしたことの影響が広がっています。
Twitterと自動化ツール 無料での連携が困難に
IFTTTは複数のサービスを連携できる自動化ツールとして知られており、最近はプログラミングなしでアプリを作る「ノーコード」の文脈でも取り上げられる機会が増えています。
IFTTTを使うと、具体的にはこのようなタスクを自動化できます。
- Twitterの新しいフォロワーに挨拶やお礼のツイートを投稿する
- Instagramに投稿した写真をTwitterにも投稿する
- 投稿したツイートをGoogleスプレッドシートに保存する
1つ1つは簡単な操作に見えますが、毎日何度も繰り返す作業を自動化することで、大きな時短につながるのが魅力といえます。
しかし、Twitterが新しいAPIに移行したことで、こうした自動化ツールは次々と軌道修正を余儀なくされています。
IFTTTとよく比較されるZapierは、4月19日からTwitter連携を有料プランのみとしていましたが、5月23日にはIFTTTもこれに続きました。
さらに、無料プランで作れる自動化(アプレット)の数自体も、3つから2つに減っています。Twitterに興味のない人にとっては災難といえそうです。
この変更は、これまで無料でIFTTTとTwitterを連携していたユーザーにも適用されるため、今後も使いたいなら月額350円(年払い時)の「IFTTT Pro」など有料プランへの移行を促しています。
この決断に至った理由として、IFTTTは「最近、Twitterから(企業向け)APIへのアクセスが月額4万2000ドル(約580万円)になると連絡があったため」と説明しています。
このような企業間のAPI連携をしっかり収益化につなげる流れというのは珍しいものではありません。IFTTTとしても、そのコストをユーザーに転嫁することで対応しようという姿勢がうかがえます。
一方で、個人や小規模なチームでも無料で自動化できることでツイートの投稿機会が増え、それがTwitterの魅力につながっていた側面があることを考えると、残念に感じる部分もあります。
投稿だけなら無料の新APIも
Twitterは新しいAPIでも無料プランを提供しており、24時間ごとに50件までのツイートなら無料で投稿できます。
基本的なプログラミングの知識があれば、たとえばGoogleドライブとGoogle Apps Scriptを使って、Twitterに自動的にツイートを投稿するサービスを無料で運用できます。
ただ、多くの人にとってはそこまで労力をかけるのは難しいと思われるため、IFTTTやZapierの有料プランを比較しながら、元を取れるかどうか検討することになりそうです。
その中で、1日分のツイートをまとめてEvernoteに投稿してくれる「ツイエバ」の新バージョンのように、IFTTTの有料プランを活用したサービスも出てきています。
IFTTTのProプランでは作れるアプレットの数が20個に増えるなど、Twitter連携以外にも面白い機能があるので、この機会に有料プランを契約してフルに活用してみるというのも1つの手でしょう。