列車限定・見事な夕張川沿いの紅葉!JR北海道石勝線・川端駅ー滝ノ上駅(夕張市、夕張郡)
10月は北海道各地で紅葉が見頃となり、多くの人が楽しんでいます。車やバイクだけでなく、鉄道で紅葉を楽しむのも良い時期。
実は札幌や新千歳空港から約1時間の地域にかつて旅行会社が列車からの紅葉を楽しむ企画が実施されたほどの区間がありました。しかも特急でなく、最小1駅区間だけ普通列車に乗り、それ以外は貸切バスを使うツアー。普通列車の減便にコロナ禍が重なってから実施されなくなっています。その区間とはJR石勝線・川端駅ー滝ノ上駅の間。
今となっては紅葉でほとんど注目されないJR石勝線・川端ー滝ノ上の状況を確認したく列車に乗ってみました。最後は紅葉ツアーの復活、廃駅危機の無人駅の利用促進につなげたい旅程を提案します。(訪問:2023年10月22日)
2018年以前は普通列車で行く日帰り紅葉ツアーも!石勝線・川端ー滝ノ上
石勝線は1981年10月に開業した、南千歳ー追分ー新夕張ー新得を結ぶ、札幌ー帯広ー釧路を結ぶ特急列車が走る重要路線です。札幌ー釧路に特急おおぞらが6往復、札幌ー帯広に特急とかちが5往復運転中。このうち新夕張ー新得は普通列車が全く走らない区間として知られ、同区間のみの利用時は乗車券のみで特急自由席に乗れる特例があります。
一方、南千歳ー追分ー新夕張は普通列車も運転され、うち追分ー新夕張の普通列車は1日5本・2往復半とJR北海道で最も普通列車が少ない区間。
追分ー新夕張の途中にある駅が川端駅と滝ノ上駅。この2駅に営業停車する普通列車が1日5本という状況が2019年3月16日より続いています。
なお特急おおぞら・とかちは、
南千歳駅:全列車停車
追分駅・新夕張駅:とかちは全列車停車、おおぞらは一部通過
2018年より前、普通列車が5本に減便されるまで、北海道の旅行会社の一部は紅葉が見頃期間だけ、追分又は川端駅ー滝ノ上駅に普通列車に乗るツアーを実施していました。クラブツーリズムなど大手の他、中小の旅行会社でも実施(実例・外部リンク)。現在は普通列車減便の影響等で行われていませんが、紅葉の美しさは2018年以前と変わっていません。紅葉の見所はどうなっているのでしょうか?
列車限定の紅葉を車窓から楽しもう!
川端駅ー最初の橋ー滝ノ下信号場
札幌や新千歳空港に近い石勝線にある紅葉名所へは夕張郡由仁町にある川端駅からスタートしましょう。
川端駅と滝ノ上駅の間に滝ノ下信号場(夕張郡栗山町)があります。信号場とは単線の線路で列車交換が行える場所のこと。最初の紅葉名所は、川端駅ー滝ノ下信号場の間にある夕張川にかかる鉄橋です。
新夕張駅に向かって左側は国道274号の陸橋があって邪魔ですが、右側は見事な夕張川と紅葉が見えます。
2番目の橋は列車限定!滝ノ下信号場すぐ
石勝線・川端駅ー滝ノ上駅間は約半分が国道274号に沿っていますが、滝ノ下信号場付近は国道から離れ、夕張川に沿って線路が敷かれています。しかも国道から離れる区間は一般人は道路からは線路沿いに行けず、列車に乗らないといけない場所。辛うじて国道からは滝ノ下信号場のシェルターと鉄橋が少し見える程度です。
川端駅から2番目の鉄橋は夕張川が蛇行し、川幅が広い場所に架けられています。鉄橋からの眺めは雄大。
3番目の橋は国道274号の反対・南側限定!滝ノ下信号場ー滝ノ上駅
2番目の鉄橋を渡り、石勝線が再び国道274号に沿ってくるともう1回、3番目の夕張川に架かる鉄橋を渡ります。
こちらも1番目と同様、新夕張駅に向かって左側は国道の陸橋が邪魔ですが、右側は見事な紅葉と夕張川の眺めです。
3番目の鉄橋を越えると、間もなく滝ノ上駅です。
昼の普通列車がベスト!特急でもOK
石勝線・川端ー滝ノ上間の紅葉を楽しむなら、過去のツアーでも行われた様に、普通列車に乗るのが最もオススメ!
理由は、
1.見所の目安になる川端駅や滝ノ上駅に停車する
2.特急に比べて速度が遅いので、紅葉を眺めやすい
でも普通列車の本数少ないんでしょう?特急でも大丈夫なのでは?と思った読者もおられると思います。実は特急でも大丈夫。川端ー滝ノ上の間はカーブがきついので、特急も減速して走ります。札幌や南千歳ー道東の列車旅の途中で石勝線・夕張川の紅葉を楽しむ事は十分可能!
また石勝線の駅・信号場は南千歳、追分、新夕張、新得を除いてポイント(分岐器)にシェルターがあります。シェルターの通過は駅や信号場を知る目安。特急でも判ります。
実は前段落で紹介した夕張川に架かる鉄橋からの紅葉写真は全て特急の車窓からの写真。 次段落で提案する旅程で取材する予定でしたが、取材当日向かう途中の列車で動物との衝突がありダイヤが乱れたため、該当普通列車に乗れていません。紅葉時期以前に撮影した写真を使用することをご了承ください。
廃駅危機・滝ノ上駅利用で滝の上公園の紅葉を見よう!
石勝線・夕張川鉄橋から紅葉を楽しむ鉄道の旅は、
南千歳駅 11:16発
↓
追分駅 11:40発
↓
川端駅 11:51発
↓
滝ノ上駅 12:01着
の普通列車に乗り、
滝ノ上駅 12:49発
↓
川端駅 12:59着
↓
追分駅 13:10着
↓
南千歳駅 13:52着
で戻るのがベスト。
実は滝ノ上駅、2023年に廃駅危機が北海道新聞によって報道された無人駅(外部リンク)。列車本数が少ない中、駅を存続したいファンはぜひ訪問したい場所でもあります。上記の方法なら、車窓から紅葉を見て、滝ノ上駅にも行けて、滝ノ上駅近くの紅葉名所にも行けます。
列車で夕張川に架かる鉄橋からの紅葉を見てから滝ノ上駅を下車。降りてから案内看板に従い、紅葉の名所・滝の上公園(夕張市・外部リンク)に行ってみるのはいかがでしょうか。
滝の上公園は夕張市が管理する公園で、2023年は11月5日まで開いています。入園は無料。
列車だけでなく車でも行きやすい場所にあります。取材当日に石勝線の車窓から見ると、駐車場の車両が多かったです。
まとめ
1.JR石勝線・川端ー滝ノ上間はかつて旅行会社の紅葉ツアーに列車に乗って紅葉を楽しむ企画があった名所。
2.紅葉シーズン、列車からの見所は夕張川に架かる鉄橋からの景色。普通列車がベストだが、特急からも楽しめる。
3.滝ノ上駅の近くには紅葉の名所・滝の上公園があり、1日1回・日中に普通列車を使った旅が可能。