Yahoo!ニュース

糯米も新米解禁!おやつにぴったり「黒豆大福」にはほんのり甘い黒豆とたっぷりの粒餡を包んで

柳谷ナオ和菓子ソムリエ・ライター

「火事と喧嘩は江戸の華」なんて言葉が伝わるように、チャキチャキと形容される江戸っ子はせっかちな性分が多いイメージが強いのは私だけでしょうか?時代劇をみても、活気あふれる町中を行き交う人たちは、どことなくそういった性格が際立つキャラクターがひとりふたりは必ずでてきているような。とはいえ、江戸幕府が誕生すると同時にいちから街を興さなくてはならなかった時代、そのくらいの性分でなくては乗り切れなかったのかもしれませんね。

個人的に、榮太樓總本鋪さんの松のマークがお気に入り
個人的に、榮太樓總本鋪さんの松のマークがお気に入り

そんな気質を引き継ぐ江戸っ子たちの労働力の糧のひとつとして和菓子がありました。特にお餅を使用した大福は腹持ちも良く片手で(今でいうワンハンドグルメといったところでしょうか)食べられるので重宝されていたとか。

黒豆大福
黒豆大福

今回はそんな江戸を代表する和菓子屋「榮太樓總本鋪」さんの「黒豆大福」をご紹介。なんと、今回は新米です!

榮太樓總本鋪さんでは約10年程前から、千葉県の田んぼをひとつ借り上げ、社員の方が田植えから草むしり、刈り取りまでを担っており、和菓子の源流である糯米への理解を深めると共に、一筋縄ではいかない天候などその年の自然環境を越えてたわわに実る稲穂への敬意を学ぶという取り組みをなさっています。

餅皮から透ける影は黒豆
餅皮から透ける影は黒豆

榮太樓總本鋪さんならではといっても過言ではないマンゲツモチを使用したお餅は、しゅるりと一瞬伸びたかと思うと、ムチンと心地良くちぎれる歯切れの良さも特徴のひとつ。さらに、弾力・コシ・歯応えそれぞれに富み、噛み応えと旨味に満ち溢れている力強いお餅。また、黒豆を使用しているのも大きな特徴。水分を吸収しやすいえんどう豆よりも、歯ごたえの妨げにならないふっくらと炊き上げたほんのり甘い黒豆がよく合います。粒餡の皮が織り成すしゃきっとした歯ごたえにも注目です。

えんどう豆よりしっとりとした黒豆の蜜煮
えんどう豆よりしっとりとした黒豆の蜜煮

ふっくらとしてやや香ばしさも漂う黒豆、素朴な味わいのまろやかなあんこ、マンゲツモチの旨味…飲めるように柔らかな大福も良いのですが、ここはひとつ、しっかりと噛みしめて新米からエネルギーをもらえるような黒豆大福もいかがでしょうか。

この季節には、温かい緑茶やほうじ茶とあわせて江戸っ子のおやつタイムをご賞味あれ。

<榮太樓總本鋪・本店>
公式サイト(外部リンク)
東京都中央区日本橋1-2-5
03-3271-7785
10時~18時(喫茶は8時~ L.o.16時30分)

和菓子ソムリエ・ライター

■年間400種を優に超える和菓子を頂く和菓子ソムリエ&ライター。美味しさだけではなく、職人さんやお店、その土地の魅力をいかに伝えるかに重きを置いて執筆中! ■製菓衛生士免許所持・製造・販売・百貨店勤務経験有 ■和菓子・お取り寄せ・お土産・アンテナショップ・都内物産展&催事・和菓子とお酒&珈琲&ノンアルコールとのペアリングなどの執筆や取材、監修を得意としています。

柳谷ナオの最近の記事