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郵便局の電子マネー対応で切手が安く買える 金券ショップの切手は用済みか

山崎俊輔フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP
郵便局の窓口、こんなにたくさんの電子マネーが使えます(筆者撮影)

切手を買うなら郵便局で電子マネーでも支払いOKに

切手を買うとき、どこで買うでしょうか。金券ショップなどが割安なことは誰でも知っています。とある金券ショップでは84円切手100枚、つまり8400円相当を7980円で販売しています。割引率は5%です。

企業が業務上まとめ買いをする必要があるのなら確かに大きな割引率といえます。しかし、普通の個人は数枚あれば十分ですし、10枚まとめ買いすればせいぜいでしょう。

また、金券ショップの切手は通常の図柄であることがほとんどです。最近ではいろんな絵柄の切手が発売されており、キャラクターものもたくさん出ています。またシールタイプのものもあり、四角ではない形状のシールもあり、郵便局で切手を買うのも悪くありません。

実は、個人が切手を安く方法が増えました。しかも郵便局で割安で買えるようになりました。

郵便局がついにキャッシュレス決済に対応、端末を全国の郵便局に配置し始めているからです。

郵便局がついに電子マネー対応 ゆうちょPAYだけでなくSuicaもOK

郵便局系電子マネーとして「ゆうちょPay」というQRコード決済があります。PayPayやLINE Payの流れをみて金融機関が独自に実装する電子マネーのひとつです。銀行系QRコード決済は、自行の口座と連携しており、「残高の範囲ならすぐ使える」というわかりやすさがあります。

これだけ聞くと「なるほど郵便局でゆうちょPayが使えるのでキャッシュレス決済対応ということですね」と思ってしまいます。ところが今回、郵便局ではゆうちょPay以外のキャッシュレス決済にも対応する端末を用意してきました。

冒頭の写真は私が窓口で撮影してきたものですが、各社の電子マネーのロゴが並んでいることが分かります。クレジットカードの多く、Suicaをはじめとした交通系電子マネー、WAON、QUICPay、iDは対応していますし、QRコード決済についても下記が対応します。

ゆうちょPay、PayPay、LINE Pay、d払い、auPay、メルペイ、楽天PAY、Origami Pay、Amazon Payなど。

郵便局としてはゆうちょPayを推しているはずなのですが、共通端末の導入により他の決済方法も一気に郵便局に入り込んできたことになります。

欠けている主要決済手段としてはnanaco、楽天Edyがあります(QRコード決済である楽天Payは可)が、コンビニで使えるほとんどの手段が郵便局でもOKになりました。これだけ多くの決済手段が対応していると、無理にゆうちょPayを設定しなくてもいいのではないか、という感じがするほどです。

キャッシュレス対応により「現金より割安」の世界がようやく郵便局の世界にも進出

私は基本的に個人目線でコラムを書いていますから「現金より割安」であるからこそキャッシュレス決済を利用しようといつも述べています。キャッシュレス決済の推進が国策かどうかなんて知ったことではありません。

今回使える決済方法の多くは還元により「実質、割安」で切手を購入できることになります。たとえば一般的な還元率で示すと、

0.5%還元……一般的なクレジットカード、WAON、auPay、d払い、楽天Payなど(ただし、クレジットカードから電子マネーにチャージし支払った場合、二重取りになり合計1.0%にできる。iDやQUICPayはそれ自身に還元がないがクレカのポイント分は確保でき、0.5%になる)

1.5%還元……PayPay、Suica(Viewカードから連携した場合の合計)など

金券ショップの切手まとめ買いに比べると割引率としては負けますが、個人が何年もかかって使う100枚を買うくらいなら、10枚の記念切手シートを購入するほうが多いでしょう。そう考えると、これは手頃な割引率といえるのではないでしょうか。記念切手も選べますしね。

対応する郵便局数はこれから拡大 今は無理にゆうちょPayにしなくてもいいかも

ところで、キャッシュレス決済に対応しない取引についてはホームページに案内されています。

郵便窓口におけるキャッシュレス決済についてのページから「対応しない取引」の例

印紙

宝くじ

代金引換郵便物等の引換金

税付郵便物の関税

地方公共団体事務(各種証明書等の交付、バス回数券の販売などの受託事務)

出典:郵便局ホームページ

税金およびそれに準じる取引については、まだまだ現金取引のみということのようです。国がキャッシュレス決済を推進しているのであれば、印紙や税納付時にも利用できるようにしてほしいものです。

「郵便局で宝くじ?」と思って調べてみたら、一部の宝くじについて郵便局が取り扱うことがあるようです。調べてみると東京都では7つしかないものの(島しょ部)、北海道では126局、島根、広島、長崎などでは70局以上取り扱いがあるなど、みずほ銀行がカバーできないところでは宝くじを郵便局で買えるようです。(宝くじについて

また、端末の設置には時間を要するため、まだ未対応の郵便局もあります。地元の郵便局で確認をしてください。

ところで、ここまで私はゆうちょPayをオススメしていません。郵便局ですから一押しと書きたいところないのですが、実はゆうちょPayには現金より割安というメリットがありません。単にATMでおろして現金を払う手間が省けるだけなのです。

今のところは、無理にゆうちょPayを設定する必要はないと思います。SuicaやPayPayで1.5%安く切手を買うのがお得といえそうです。

※執筆時点でauPayが20%還元のキャンペーン中ですが、切手は24日以降対象外とするようです。また、同様に20%還元等を行う場合も、切手が対象となるかは各自でご確認ください。

フィナンシャル・ウィズダム代表/お金と幸せについて考えるFP

フィナンシャル・ウィズダム代表。お金と幸せについてまじめに考えるファイナンシャル・プランナー。「お金の知恵」を持つことが個人を守る力になると考え、投資教育家/年金教育家として執筆・講演を行っている。日経新聞電子版にて「人生を変えるマネーハック」を好評連載中のほかPRESIDENTオンライン、東洋経済オンラインなどWEB連載は14本。近著に「『もっと早く教えてくれよ』と叫ぶお金の増やし方」「共働き夫婦お金の教科書」がある。Youtube「シャープなこんにゃくチャンネル」 https://www.youtube.com/@FPyam

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