コスタリカに快勝!高倉ジャパン、国内初勝利からみえたもの(2)
4月9日(日)、熊本県民総合運動公園陸上競技場で行われたキリンチャレンジカップで、なでしこジャパンはコスタリカ女子代表と対戦。
現なでしこジャパンの国内初お披露目となり、日本は3-0で勝利した。
コスタリカに快勝!高倉ジャパン、国内初勝利からみえたもの(1)
以下、試合後の選手、監督コメント。
【監督・選手コメント】
高倉麻子監督(試合後記者会見)
ーー試合の感想をお願いいたします。
アルガルベカップで出た多くの課題を克服しながら、攻守にアグレッシブなサッカーをやろうと試合に入りましたが、前半はチームに硬さが見られて、つまらないミスも多く、ボールをしっかり動かすことができずに消化不良なゲームになってしまいました。
その中でも、横山が一つ点を獲ったことで、少しチームに落ち着きが出たと思います。
後半はもう一度しっかり戦おうと話して、選手も替えて臨んだ中で、選手同士の距離感もよくなったと思いますし、ボールと人がよく動きながら、少しだけ、なでしこらしい時間を作ることができました。結果的に勝てたことは評価したいですけれども、やはり、自分たちで悪い流れを変えていくことや、どんなプレーが大切かということを感じる力がまだないな、と感じました。
ーー19年(フランスワールドカップ)と20年(東京オリンピック)に向けて、このメンバーがベースになるという手ごたえは得られましたか?
年齢で選手を評価したくないと思いながら、いろいろな選手を呼んできましたけれども、メンバーを決めるのに、今、非常に頭が痛いです。今日、先発した選手と、後から出た選手の差はあまりないと感じています。ここに呼んだ選手以外にも、いいものを持った選手は何人か頭の中にいるので、ここに選ばれている選手プラス数名がベースになって、19年のワールドカップと20年のオリンピックに進んでいくと思います。
GK 池田咲紀子
ーー国内初の試合に先発しましたが、試合前にこれはやろうと決めていたことはありますか?
いくつかピンチがあるだろうなということは覚悟していたので、その中でもしっかりゴールを守って、ゼロ(無失点)で抑えて試合を終えたいと思っていました。
ーー足下の技術が活かせていたと思いますが、手ごたえはいかがですか?
相手が速い中でもボールを動かせることが強みなので、相手が来る前とか、状況を何プレーか前から把握して、しっかりつなげるところにつなぐことと、そうでない場合は前線にフィードすることを意識しています。速い相手に対しても出来た部分は自信になりました。
ーー代表定着を目指す中で、無失点でこの試合を終えられたことは自信になりましたか?
これまでに代表で出場した2試合とも、自分の得意なところは出せていたのですが、弱点が出ていません。今日の試合では、コスタリカの選手と接触した場面や、コーナーキックで飛び出そうとしてボールに触れなかった場面がありました。それが自分の弱いところです。そういうところをもっと強化しないと、世界の、さらにレベルの高い国と対戦した時にはやられてしまう。なでしこジャパンに定着することはもちろんですが、まずはしっかりと戦えるキーパーになるために、もっと身体を強化していきたいです。
FW 田中美南
ーーゴールを決めた時の気持ちを教えてください。
ゴールが獲れてホッとしました。今日獲れなかったら焦る一方なので…本当はあと2点ぐらい決めなければいけなかったんですが。それは今後の課題にしたいです。
ーーFWを組む相手が、横山選手と籾木選手というタイプの違う2人でしたが、どのようなことに気をつけてプレーしていましたか?
モミ(籾木)は普段、一緒にやっているので、なんとなく感覚で分かる部分があるのですが、(横山)久美さんの良さは、しっかり足元で受けて、自分でドリブルをして、シュートの決定率も高いです。そういった点で、久美さんのスペースを作るためにも、裏に抜ける意識をより強くしたり、前を向いた時には簡単に久美さんに預けることもあります。遠慮はしないですが、うまく久美さんの良さを引き出したいですね。自分は久美さんの良さを分かっているし、尊敬している部分もあります。お互いが良いあんばいで持ち味を出せるようになれば、良い組み合わせになると思います。
ーーオフザボールの動きの質で、変わった部分はありますか?
周りの選手のタイミングが分かってきたことや、もっと(自分の動きを)見て欲しい、と要求できるようになりましたし、そういう意味でも伸び伸びとプレーできていますし、自分の欲しいタイミングでボールをもらえるようになったと思います。
MF 隅田凜
ーー攻撃面での活躍も光りましたが、試合への入りやすさはありましたか?
そうですね。いつも一緒にプレーしているベレーザのメンバーが(ピッチに)いたので、自然に入れましたし、どんどんゴールを狙っていこうと思っていました。積極的にやれたのは良かったですが、あの(バーに当たった)シュートは決めたかったですね。
ーー高い位置からプレッシャーをかける守備に取り組む上で、どのようなことが必要だと思いますか?
日本と海外では相手の選手の間合いが違うので、最初は(前から)行きすぎて逆を取られましたが、時間が経つうちに慣れてきて、「ここだな」と、相手に寄せるポイントが分かるようになりました。(熊谷)紗希さんも「行っていいよ」と言ってくれるので、やりやすかったです。
ーーA代表で初出場して、どんなことが自信になりましたか?
守備の面では通用することがあると実感できました。攻撃では判断が遅くて獲られるシーンがあったので、(阪口)夢穂さんのプレーをもっと見て、学びたいです。
FW 籾木結花
ーー今日のコスタリカ戦に、どのような気持ちで臨みましたか?
日本で初めて試合をやることや、復興支援マッチということを除いて考えると、アルガルベカップで4試合、出場時間は長くはなかったのですが経験させてもらって、前線の選手でありながらシュートを打てる場面が少なかったので、試合(コスタリカ戦)ではボールを持ったら常にシュートを狙う意識で臨みました。
ーー(昨年まで)U-20で一緒にプレーしたメンバーが多く試合に出ましたが、A代表では、どのような存在ですか?
U-20女子ワールドカップを終えて、次の目標がなでしこでプレーすることだったので、ピッチで特別に言葉を交わすことはないですが、また一緒にプレーできて嬉しいですし、負けてはいけないというライバル心もあるので、その意味では特別な仲間ですね。
ーー歳上の選手にも積極的なコミュニケーションをとっていますが、どのような話をしていますか?
まずは自分が考えていることや、こうしたほうが良いのではないかなという意見を伝えながら、要求されることや、相手が考えていることを聞いて、話し合ってどうしていくかを決めています。
MF 長谷川唯
ーー前半は縦パスがなかなか入らない中で、どのような意識でプレーを進めていましたか?
前半は外で(ボールを)受けられそうだったので張っていたんですけれど、あまり受けることができなくて、中のスペースにFWの(横山)久美さんが下りてくる状況でした。本当だったら、自分の(左サイドハーフの)位置に(宇津木)瑠美さんが上がってきて、自分が久美さんの(中の)位置に行く形でズレたら良かったかなと試合後には思うのですが、後半は修正して中に行くことができました。
ーーアルガルベカップの時と比べて、チームとしてどのような部分が良くなったと感じましたか?
今日はコンビネーションで崩す場面が少なくて、本当は、もっとサイドバックの選手と関わって崩せたら良かったのですが、前半に一本、瑠美さんにスルーパスを出した場面ぐらいでしたので。後半はサイドのスペースが空いてきた中で、崩すというよりは、一本のパスでクロスまでという形になってしまったので、今後はFWと連携して3、4人で崩すシーンをもっと増やしていきたいです。
FW 上野真実
ーー試合を振り返って、感想をお願いします。
チャンスをもらえたことが嬉しかったですし、少ない時間でしたが、試合に勝てて良かったです。緊張はあまりしなくて、いつも通りの自分のプレーをしようと思ったことが昨日の試合に出せたのかなと思います。
ーーアシストはニアを最初から狙っていたのですか?
そうです。田中選手が見えていたので、左足で狙った通りのパスを出すことができました。
ーー通用すると感じた部分と、課題を教えてください。
日本らしい、細かいパスワークは海外の相手にも通用する部分があったと思います。個人的には当たり負けする場面が多かったのですが、駆け引きの面では通用する部分もあると感じました。自分から発信するというところはこれからの自分の課題でもあるので、自分から呼び込むというところはこれからとり組んでいきたいと思います。
ーー所属する愛媛FCレディースのサッカーと代表のサッカーの切り替えはうまくできましたか?
攻撃の組み立てでは、細かいパスワークで似ているところがありますし、前に速い攻撃というところも、似ている部分があってやりやすかったです。