若者は『遺伝子組み換え作物』を気にしない?
20歳前後の若者に遺伝子組み換え作物について聞いてみた
先日、学生さんへの講義の中で遺伝子組み換え作物の話になった時にふと気になって訊いてみたのが、
『遺伝子組み換え作物を食べることに抵抗があるか?』
ということ。
先に私と同年代(30〜50代)の先生やスタッフに同じ質問をしたところ、大体の返答は
『うーん、ちょっと気にはなるけど、何が遺伝子組み換え作物なのかわからないから食べてしまっているかも…出来れば避けたい』
という感じで、『あまり食べたくは無いという』のがおおよその返答でした。
しかし、20歳前後の学生さん7人の返答は全員が
『特に気にならない』
でした。
『遺伝子組み換え作物』の何が悪いの?
この反応は個人的にちょっとした衝撃でした。
ちなみにその理由を聴いてみると
『遺伝子組み換え作物の何が悪いのかわからない』
ということでした。
なるほど、言われてみればたしかにそうだよなぁ。
15年くらい前の2005〜2008年に遺伝子組み換え作物関連のドキュメンタリー映画が少し流行った影響や、子育て世代ということもあり、30〜50代は遺伝子組み換え作物に対してあまり良い印象を持っていない、あるいは出来るだけ避けたいと思っている人が多い印象でした。
過去に私が見て影響を受けた映画を紹介しておきます。
『ありあまるごちそう』『いのちの食べかた』(2005年)
この2つは食糧生産の工業化による闇の部分についてのドキュメンタリー映画。
『モンサントの不自然な食べ物』『フードインク』(2008年)
この2つでモンサント社による遺伝子組み換え作物のことを知り、そこから自分でも調べるようになりました。遺伝子組み換えトウモロコシの話で『キングコーン』(2007)もお勧めです。
遺伝子組み換え作物の『懸念点』
そこで、遺伝子組み換え作物の『懸念点』についてお話ししました。
※遺伝子組み換え作物について言われていることで、特に人体への安全面では明確な因果関係がはっきりしているわけではないので、あくまで『懸念点』としました。
その時に学生さんにお話ししたことを簡単に書いておきます。(詳しく書くと小難しくて長くなるので)
①人体への影響
即効性の毒性は認められないけれど、これまでに無くてあらたに作り出された食品なので長期的かつ日常的に摂取した場合のデータが無いこと。
遺伝子組み換え作物自身の成分及び、一緒に使用される農薬(除草剤)による影響など。
②環境への影響
人為的に遺伝子操作をした植物が自然界に流出することでの『遺伝子汚染』のリスク。
一緒に使用される農薬による土壌及び地下水の汚染。
③利権問題
個人的にはこれがもっとも懸念すべきところだと思っていて、上述したドキュメンタリー映画でも取り扱われていた、『農家が自由に栽培を出来なくなってしまうこと』
それはすなわち、食糧生産を通じた支配を行うことにもなり得る。
知らなかったから興味が無かっただけ
という話をしたところ、学生さんたちも興味をもって聞いてくれました。
理由がわかれば見方も変わったみたいで少しは興味も出てきたようでした^^
上述した懸念点は、考えすぎなだけなら良いのだけど、もし万が一、なにか不都合なことが起きた時にその原因がわかるか、せめて見当がつくのなら回避のしようもある。
私自身はなるべく避けるようにしているものの、現在ではありとあらゆる加工食品に含まれているので完全に食べないようにはできないし、それだけ便利なものでもあるわけだから気にしすぎずに上手く利用していく距離感をとるようにしています。