パリ五輪ボクシングの性別騒動 何が問題だったのか #専門家のまとめ
1日に行われた五輪の女子ボクシング66キロ級2回戦で、イマネ・ケリフ(アルジェリア)がアンジェラ・カリニ(イタリア)と対戦し僅か46秒でカリニが棄権した。ケリフは昨年の世界選手権で性別適格検査に合格しなかった。この検査は国際ボクシング協会(IBA)が行ったものでありIOCは関与していない。IBAは組織運営や不正判定の問題でIOCから国際統括団体の承認を取り消されている。この選手の出場を巡って大会前から大きな議論が巻き起こっていた。
ココがポイント
▼IBAとIOCで異なる意見が発表されている。IBAは組織運営や不正判定により国際統括団体の承認取り消し処分を下されている
▼イマネ・ケリフ選手はトランスジェンダーの元男性ではなく生まれつき女性
・パリ五輪で「トランスジェンダーの元男性が女子ボクシングに出場して勝利した」は誤り。生まれつき女性(篠原修司)
▼IOCのトーマス・バッハ会長は選手を擁護 公式サイトで「パリ2024ボクシング部門とIOCの共同声明」を発表
・波紋広がる女子ボクシング性別騒動 IOCバッハ会長が選手2人を擁護「女性を疑う余地ない」渦巻く誹謗中傷に批判(THE ANSWER)
エキスパートの補足・見解
ケリフ選手は2023年のIBA世界女子ボクシング選手権の性別適格性検査で不合格となった。これは、彼女がXY染色体を持ち、テストステロンが多く、骨格や筋肉量が男性に近いためとされる。今回の騒動によりイマネ・ケリフ選手が元男性のような扱いを受けているが、性別は女性である。今回の問題は、国際ボクシング協会(IBA)と国際オリンピック委員会(IOC)の見解の相違にある。IBAが行った性別適格検査について、その方法や結果が正確に公表されるべきだった。SNS等でも間違った情報が拡散されており、選手への誹謗中傷へと繋がっている。選手の尊厳を守り、他の選手たちが納得できるよう、性別適格検査や規則に基づいた手続きを全て明確に示す必要がある。