静岡で40度と記録的な暑さの七夕 週明けの関東地方でも40度を超える可能性あり
静岡で最高気温40.0度
令和6年(2024年)7月7日の七夕は、梅雨前線が東北地方に停滞し、この梅雨前線に向かって南から暖かくて湿った空気が流入し、晴れて強い日射があったことも加わって、西日本から東日本は記録的な暑さとなりました。
7月7日に全国で気温が一番高かったのは、静岡県・静岡の40.0度、次いで、群馬県・西野牧の39.8度でした。
静岡市では、3日前の7月4日に39.3度というこれまでで一番高い気温を観測していたのですが、これを更新し、初めて40度台を観測しました。
また、最高気温35度以上の猛暑日は、全国で244地点(気温を観測している全国914地点の約27パーセント)と、今年最多だった7月5日の162地点(約18パーセント)を大幅に更新しました。
ただ、最高気温が30度以上の真夏日を観測したのが613地点(約67パーセント)、最高気温が25度以上の夏日を観測したのが743地点(約81パーセント)と、今年最多にはなりませんでした(図1)。
これは、前線の北側にある北海道や東北北部での気温上昇が鈍かったからですが、それでも今年最多に近い値です。
週明けも記録的な暑さと熱中症警戒アラート
七夕の日、7月7日の暑さは、週明けの7月8日も続く見込みです。
気圧配置の状況等がほぼ同じで、南からの暖湿気流入と強い日射で全国的に気温が上昇し、特に東日本の太平洋側を中心に、猛暑日が150地点(約16パーセント)となる見込みです(図2)。
全国での猛暑日の観測地点数は前日、7日より減りますが、関東地方では、7日を上回る最高気温が予想されています。
気象庁が発表している主要都市の最高気温の予想で一番高いのは、埼玉県・熊谷と秩父の39度ですが、コンピュータの計算では、埼玉県・鳩山と秩父で40.4度、熊谷で40.3度、群馬県・館林で40.1度と複数の地点で40度台になるという予想もあります。
静岡に続き、40度という大台を超える気温を観測する所がでるかもしれません。
そして、東京都心の7月8日の予想最高気温は37度、7月5日に観測した35.5度を上回る予想となっています。
気象庁と環境省が共同で、熱中症の危険性に対する「気づき」を促すことを目的として「熱中症警戒アラート」を発表しています。
熱中症警戒アラートは、気温、湿度、日射量などをもとに算出する熱中症予防の指数である「暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)」に基づいて発表されています。
暑さ指数が33以上の時に熱中症警戒アラートが発表となるのですが、暑さ指数が31でも危険とされています。
7月8日は、南西諸島と西日本、東日本の太平洋側では、熱中症警戒アラートが発表となっているか、発表となっていなくても、暑さ指数は31以上になると予想されています(図3)。
熱中症警戒アラートが発表されている地方は勿論、発表されていなくても、暑さ指数が31以上の地域では、室内等のエアコン等により涼しい環境にて過ごし、こまめな休憩や水分補給・塩分補給をしてください。
40度という気温
7月7日に静岡県・静岡で最高気温が40.0度と40度台の災害級の暑さとなりましたが、この40度という気温は、日本ではめったに観測されない気温です。
日本の観測で、一番高い最高気温は41.1度で、令和2年(2020年)8月17日に静岡県・浜松、平成30年(2018年)7月23日に埼玉県・熊谷で観測しました(表1)。
静岡で観測した40.0度は、31位の記録となります(気象の統計では、同じ値の場合は新しい方を上位として扱います)。
日最高気温が40度を超しているのは、長い観測の中で、7月7日に静岡が加わって35地点(のべ70地点)です。
平均的に気温が高い沖縄や九州では観測されておらず、多く観測されているのは、岐阜県、群馬県、新潟県という東日本です(図4)。
中でも、岐阜県・多治見では、これまでに8回も40度以上を観測しており、日本一暑さを感じる都市といえそうです。
梅雨はどこに
令和6年(2024年)の梅雨明けは、沖縄地方で6月20日、鹿児島県奄美地方で6月23日と、ともに平年より早く梅雨明けをしました。
現在、梅雨にはいっているのは九州から東北です(表2)。
東北地方と北陸地方では梅雨前線に向かって暖かくて湿った空気が流入して大気が不安定となって激しい雨が降る状況が7月9日にかけて続きますので、土砂災害、低い土地の浸水、河川の増水や氾濫に警戒してください。
太平洋高気圧が強まって梅雨前線が東北地方まで北上し、そこで停滞するとなると、一般的には、西日本から東日本では、梅雨明けです。
しかし、気象庁では、梅雨明けとせず、梅雨の中休みとしています。
これは、梅雨前線が東北地方に停滞したあと、弱まらずに西日本から東日本に南下すると考えられるからです。
気象庁とウェザーマップの予報によると、北陸地方と東北地方は、今週は傘マーク(雨)の日が多い予報、西日本や東海地方も週半ばころから傘マーク(雨)の日が続く予報です(図5)。
週半ばころに雨の日が続くと予想されているため、西日本から東海地方で梅雨が明けていないのです。
そして、週半ばころの雨が終わったタイミングで梅雨明けになる可能性がありますが、このタイミングの梅雨明けとなると、ほぼ平年並みの梅雨明けということになります。
ただ、関東甲信地方は、東京の予報のように、傘マーク(雨)がついているのは14日(日)だけで、梅雨明けなのか、梅雨の中休みなのかがはっきりしない、予報官泣かせの変な天気変化になりそうです。
タイトル画像、図2の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図3の出典:環境省ホームページ。
表1の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。
表2の出典:気象庁ホームページ。