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今冬一番の寒気南下で東京都心の最低気温は5度以下に

饒村曜気象予報士
西高東低の冬型の気圧配置のときの地上天気図と衛星画像(12月8日15時)

西高東低の気圧配置

 今週は西高東低の冬型の気圧配置で始まりました(タイトル画像)。

 12月8日(日)は、強い寒気が南下し、最低気温が0度未満の冬日を観測したのが432地点(全国で気温を観測している914地点の約47パーセント)、最高気温が0度未満の真冬日を観測したのが133地点(約15パーセント)と、ともに今冬最多となりました(図1)。

図1 夏日、冬日、真冬日の観測地点数の推移(12月9日以降は予報)
図1 夏日、冬日、真冬日の観測地点数の推移(12月9日以降は予報)

 そして、最高気温が25度以上の夏日を観測した地点はありませんでした。

 12月5日(月)は、冬日は4日より多少増えるものの、真冬日は減り、今回の強い寒気南下は小休止しそうです。

 とはいえ、冬型の気圧配置は続き、日本海側では雪や雨、太平洋側では晴れの天気が続く見込みです(図2)。

図2 東京(上)と新潟(下)の16日先までの天気予報
図2 東京(上)と新潟(下)の16日先までの天気予報

 太平洋側の東京は、お日様マーク(晴れ)や白雲マーク(雨の可能性が低いくもり)の日が並んでいますが、日本海側の新潟では、黒雲マーク(雨や雪の可能性が高いくもり)や傘マーク(雨)、雪ダルママーク(雪)の日が多い予報と、両者は全く違う天気予報です。

東京の気温

 令和6年(2024年)は、東京で記録的に気温が高い年となりました。

 夏日を最初に観測したのは3月31日、真夏日を最初に観測したのは6月12日、猛暑日を最初に観測したのは7月4日、最低気温が25度以上の熱帯夜を最初に観測したのは7月4日と、いずれも平年より早くなっています。

 そして、10月になっても暑い日が続き、猛暑日は20回、真夏日は83回、夏日は153回、熱帯夜は47回もありました(図3)。

図3 令和6年(2024年)8月以降の東京の最高気温と最低気温の推移(12月9日以降はウェザーマップの予報)
図3 令和6年(2024年)8月以降の東京の最高気温と最低気温の推移(12月9日以降はウェザーマップの予報)

 東京は、明治8年(1875年)6月5日以降の気象観測がありますが、東京都心の夏日の日数は、昨年(2023年)の140日を抜いて歴代1位、猛暑日、真夏日はともに昨年に次ぐ歴代2位の記録となりました。

 12月に入っても平年より気温が高い日が続きましたが、12月8日の最低気温は4.2度と、今冬初めて5度を下回りました。

 そして、今週は、最高気温はほぼ平年並み、最低気温は平年より若干低くなる見込みです。

 寒気の南下により気温が下がるといっても、これで平年並みです。

 ただ、これまで気温が高く推移していたことから、体感的には非常に寒く感じると思います。

 最新の気象情報を利用し、体調管理に努めてください。

タイトル画像、図2の出典:ウェザーマップ提供。

図1、図3の出典:ウェザーマップ提供資料を基に筆者作成。

気象予報士

1951年新潟県生まれ。新潟大学理学部卒業後に気象庁に入り、予報官などを経て、1995年阪神大震災のときは神戸海洋気象台予報課長。その後、福井・和歌山・静岡・東京航空地方気象台長など、防災対策先進県で勤務しました。自然災害に対しては、ちょっとした知恵があれば軽減できるのではないかと感じ、台風進路予報の予報円表示など防災情報の発表やその改善のかたわら、わかりやすい著作などを積み重ねてきました。2024年9月新刊『防災気象情報等で使われる100の用語』(近代消防社)という本を出版しました。

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