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ネトが到達した「20-20」はエンジェルスの内野手では初めて。他のポジションも含めると何人目!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
ザック・ネト(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 29, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月29日、ザック・ネト(ロサンゼルス・エンジェルス)は、シーズン20本目のホームランを打ち、すでに記録している23盗塁と合わせ、1シーズンに20本塁打以上と20盗塁以上の「20-20」に到達した。

 ネトは、23歳の遊撃手だ。メジャーリーグ1年目の昨シーズンは、84試合に出場し、9本塁打と5盗塁を記録した。

 これまで、エンジェルスで「20-20」あるいは「30-30」の延べ14人――8人目から14人目までの7人は「トラウタニ」のどちらか――のなかに、そのシーズン、主に内野を守った選手はいなかった。

筆者作成
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 ネトが到達する前に、エンジェルスで「20-20」に最も近づいた内野手は、1979年のカーニー・ランスフォードだ。三塁を守り、19本塁打と20盗塁を記録した。今シーズンのネトと同じく、当時のランスフォードもメジャーリーグ2年目。年齢は22歳だった。

 ランスフォードがエンジェルスでプレーしたのは、最初の3シーズンだけ。1981~82年のボストン・レッドソックスを経て、1983年以降の10シーズンはオークランド・アスレティックスで過ごした。シーズン20盗塁以上は5度を数え、1989年は37盗塁ながら、20本塁打以上のシーズンはなく、1979年と1986~87年の19本塁打が最も多かった。

 なお、こちらも19本塁打と20盗塁を記録した1998年のダリン・アースタッドは、一塁手としての出場も多かったが、先発出場と守備イニングは、レフトが一塁を上回った。一塁の先発55試合と503.2イニングに対し、レフトは先発67試合と573.1イニングだ。この他に、センターとDHとしても出場した。

 今シーズンのエンジェルスでは、ネトに続き、外野手のジョー・アデルも「20-20」に到達するかもしれない。ここまでに18本のホームランを打ち、15盗塁を記録している。アデルは、メジャーリーグ5年目の25歳だ。過去4シーズンは、計178試合で18本塁打と7盗塁だった。

 エンジェルスで複数の選手が「20-20」のシーズンは、1977年の1度だけ。ボビー・ボンズが37本塁打と40盗塁、ドン・ベイラーは25本塁打と26盗塁を記録し、それぞれ、「30-30」と「20-20」に到達した。

 ネトについては、今月中旬にこちらでも書いた。

「ネトとオホッピーは、エンジェルスの遊撃手と捕手によるシーズン本塁打記録を塗り替えるのか」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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