キャスティングボート握る国民民主、防衛・安全保障政策での自公与党との違い #専門家のまとめ
自民、公明両党は27日投開票の衆院選で過半数割れに追い込まれた。その一方、国民民主党が躍進し、石破政権の今後を左右するキャスティングボートを握る存在となっている。同党の玉木雄一郎代表が自公連立政権入りを否定する中、自公は個別政策ごとに国民民主と連携する「部分連合」を目指している。そんな中、国の要となる防衛・安全保障政策における国民民主と与党の違いについても関心が集まる。国民民主の防衛・安保政策をまとめてみた。
ココがポイント
エキスパートの補足・見解
自公と国民民主が政策ごとに連携する「部分連合」をめぐっては、国民民主が掲げる経済対策が政策協議の主要テーマと化している。しかし、防衛安保は国民の生命と暮らしを守る国の基盤だ。国民民主の安保政策も注視せざるを得ない。
国民民主は自民、公明、維新、衆院会派「有志の会」と合わせて「改憲5党派」と呼ばれてきた。中でも、玉木代表は憲法9条改正問題では自民党よりも本筋論を説いてきた。自民党が国防規定と自衛隊を明記する憲法9条改正案を掲げているのに対し、玉木氏は「憲法を改正し『国防規定』を設けたとしても、違憲論が解消されない」と指摘。「自民党のいう『国防規定』を設けた場合、自衛隊の『組織としての違憲論』は解消されても、自衛権の行使という『行為についての違憲論』は解消されない。例えて言えば、お父さんの勤め先についての違憲論は消えても、お父さんが行っていることの違憲論は消えないのである」と述べている。
安保政策では近年、与党の自公の温度差がクローズアップされ、野党は埋没してきた。国民民主など野党は来年夏の参院選をにらみ、石破政権との対決姿勢を強める可能性が高い中、どこまで安保政策で歩み寄れるのだろうか。