司法が再び証拠ねつ造に言及 袴田事件で問われる検察の「引き返す勇気」
袴田事件の再審請求差し戻し審で、東京高裁は捜査機関による証拠ねつ造の可能性に言及し、再審開始を認めた。検察は最高裁に特別抗告する方向で検討を進めているという。
崩壊した「検察ストーリー」
1966年6月未明、当時の静岡県清水市にある味噌会社専務方が放火され、焼け跡から専務(当時41)、妻(同38)、次女(同17)及び長男(同14)がメッタ刺しにされた状態で発見された。この日は給料日だったため、専務方には多額の現金が置かれており、約20万円入りの集金袋1袋が行方不明となった。
現場には焼け焦げた「くり小刀」の刃体と焼けずに落ちていた小刀用の鞘(さや)、黒色の雨合羽が残されていた。そのため、内部事情に詳しい者がこの雨合羽を着て専務方に忍び込み、「くり小刀」を使って金目当てに犯行に及んだのではないかと考えられた。
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