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「攻めの廃線」から5年で消える夕張―札幌間の高速ゆうばり号 どのように乗るのが効率的?

鉄道乗蔵鉄道ライター
高速ゆうばり号が発着するレースイリゾート。ホテルは倒産し休館中(筆者撮影)

1日3往復が運行

 北海道中央バスは、2024年9月末をもって夕張と札幌を結ぶ運行する高速ゆうばり号を廃止する意向であることが明らかとなった。高速ゆうばり号は、旧夕張駅前のレースイリゾートから札幌駅前を結ぶ高速バスで、1日3往復が運行されている。レースイリゾート発は8時43分、12時43分、15時43分発の3便、札幌発は9時10分、12時30分、16時35分発の3便で所要時間は1時間43分、運賃は2,070円だ。

 昨年2023年9月末には、夕鉄バスが運行する新夕張駅と新さっぽろ駅、南清水沢地区に新たに建設された交通結節点「りすた」と新さっぽろ駅を結んでいた路線バスが廃止となり、これに伴って北海道中央バスが運行する高速ゆうばり号の夕鉄本社ターミナルへの乗り入れを開始した。しかし、わずか1年で中央バスの夕鉄本社ターミナルへの乗り入れが廃止される。

中央バスが乗り入れる夕鉄本社ターミナル(筆者撮影)
中央バスが乗り入れる夕鉄本社ターミナル(筆者撮影)

岩見沢ー夕張間を結ぶ路線バスも廃止に

 また、高速ゆうばり号と同時に、岩見沢と夕張を結ぶ路線バスも廃止される。これは夕張までの車両の送り込みを兼ねているためで、岩見沢ターミナル―レースイリゾート間には1往復の路線バスが設定されている。夕張方面の便は、岩見沢ターミナルを6時45分に出発し、レースイリゾートには8時5分に到着。その後、8時43分発の高速ゆうばり号として札幌駅前まで運行される。岩見沢方面の便は、レースイリゾートを18時52分に発車し、岩見沢ターミナルには20時11分に到着。高速ゆうばり号としてレースイリゾートに18時18分に到着した車両が充当される。岩見沢ターミナル―レースイリゾート間の所要時間は1時間20分程度で運賃は1,430円となる。

 高速ゆうばり号の乗り納めについては、岩見沢と夕張を結ぶ路線バスも併せて乗りたいところだ。しかし、岩見沢ターミナル6時45分発のバスに乗ろうとした場合には、札幌方面からの始発列車では間に合わないことから岩見沢市内での宿泊が必要だ。なお、旭川方面からであれば、旭川5時18分発の特急ライラック2号に乗車すれば6時17分に岩見沢駅に到着できるので、このバスへの乗車が可能だ。

夕張観光に便利な夕鉄バス一日乗車券

 夕張市内では、夕鉄バスから1,200円で市内の路線バスが乗り放題となる一日乗車券も発売されていることから、市内のバス路線を利用すれば市内観光もできる。初代国鉄夕張駅跡地に隣接している石炭博物館や、旧夕張鉄道の夕張本町駅と一体化していた旧夕張市民会館、約10億6,000万円の費用を投じて2020年に開業した交通結節点「りすた」なども見どころだ。

 これらのバス路線を効率的に乗るためには、岩見沢から始発バスで夕張に向かい、夕張市内をバス観光した後に、昼か午後の便の高速ゆうばり号で札幌に戻るプラン。または、札幌から朝の高速ゆうばり号で夕張に向かい、夕張市内をバス観光した後に、最終の岩見沢ターミナル行の路線バスで戻るプランのいずれかがよさそうだ。

廃墟となった夕張市民会館(筆者撮影)
廃墟となった夕張市民会館(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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