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北陸新幹線にも接続!上越妙高―新潟間結ぶ「特急しらゆき号」は、かつての「Fひたち号」付属編成だった

鉄道乗蔵鉄道ライター
高架化された新潟駅に到着した特急しらゆき7号(筆者撮影)

 筆者は先日、新宿駅から1日1本だけ運行される南小谷行の特急あずさ5号に乗車し、全区間を乗り通し(3月改正で消滅!1日1本だけ運行「南小谷行」特急あずさ号 新宿駅から4時間かけ全区間を乗り通してみた)、さらに南小谷駅からはそのまま大糸線に乗り通して糸魚川駅へと抜けた(大糸線の末端区間「南小谷―糸魚川間」にインバウンド客が殺到!? JR券で乗れる大糸線増便バスも運行中)。そして、糸魚川駅からはこの日の最終目的となる新潟駅に向かうことにした。

 2015年3月の北陸新幹線の長野―金沢間の開業によって、糸魚川駅にも新幹線の駅ができたが、在来線の北陸本線は市振―直江津間が新潟県を主体とする第三セクター鉄道のえちごトキめき鉄道に経営分離された。新幹線開業前には、糸魚川駅には、越後湯沢―金沢間を結ぶ上越新幹線接続の特急はくたか号と新潟―金沢間を結ぶ特急北越号が停車していた。北陸新幹線の金沢開業後は、特急はくたか号は東京―金沢間を結ぶ新幹線列車となり、特急北越号は北陸新幹線の上越妙高―新潟間を結ぶ北陸新幹線接続列車の特急しらゆき号となった。

糸魚川から新潟へのルートは2択

糸魚川駅では大糸線の到着列車から2分接続で目の前のトキ鉄直江津行に乗り継げた(筆者撮影)
糸魚川駅では大糸線の到着列車から2分接続で目の前のトキ鉄直江津行に乗り継げた(筆者撮影)

 南小谷駅を14時43分に発車し、糸魚川駅に15時45分に到着する普通列車に接続する新潟方面への接続は、えちごトキめき鉄道で直江津駅に向かい特急しらゆき7号に乗り継ぐか、北陸新幹線で上越妙高駅に向かい特急しらゆき7号に乗り継ぐかの2択となる。

 えちごトキめき鉄道で直江津に向かうルートを選択する場合は、糸魚川駅から15時47分発の直江津行に2分で接続し、直江津駅には16時31分に到着できるが、そのわずか1分前の16時30分に直江津発長岡行の普通列車が発車してしまっているため、直江津駅では次の17時38分発の新潟行の特急しらゆき7号か、17時41分発の長岡行の普通列車まで1時間以上待たなければならない。なお、17時38分発の特急しらゆき7号に乗車した場合、新潟駅の到着時刻は19時25分となり、17時41分発の長岡行の普通列車に乗り新潟駅まで乗り継いだ場合の到着時刻は20時40分となる。特急しらゆき号は直江津―新潟間で自由席を利用する場合の特急料金は1,860円、指定席の場合は通常期で2,390円となる。

 北陸新幹線で上越妙高に向かうルートを選択する場合は、まず糸魚川駅で1時間以上の待ち時間が発生する。その後、16時58分発のはくたか570号に乗車し、上越妙高へ。到着時刻は17時11分だ。上越妙高からは12分の接続時間で17時23分に発車する特急しらゆき7号に乗車すれば。新潟駅までは約2時間で19時25分に到着する。なお、自由席利用の場合の特急料金は、糸魚川―上越妙高間は880円、上越妙高―新潟間は2,140円、指定席利用の場合は通常期で、糸魚川―上越妙高間は2,400円、上越妙高―新潟間は2,400円となる。

 筆者は、北陸新幹線ルートを選択しても結局、新潟駅への到着時刻は変わらなかったことから、直江津駅での特急しらゆき7号利用を選択することにした。

特急券は南小谷駅で購入した(筆者撮影)
特急券は南小谷駅で購入した(筆者撮影)

 北陸新幹線の開業前はどうなっていたのか、気になって調べてみたところ、この時間帯に大糸線から糸魚川駅に到着する列車から新潟に向かおうとした場合は、直江津駅まで普通列車で向かい、そこから快速くびきの5号に乗り換えるルートとなるようであった。なお、この時の快速くびきの5号と同様のスジで走る列車が、現在の特急しらゆき7号となっていた。

特急しらゆき号で活躍する車両は元特急ひたち号の付属編成

直江津駅には発車2分前に到着し、トキ鉄からJR東日本へ乗務員交代が行われた(筆者撮影)
直江津駅には発車2分前に到着し、トキ鉄からJR東日本へ乗務員交代が行われた(筆者撮影)

 南小谷駅から到着した大糸線の列車は、糸魚川駅の切り欠きの4番ホームに停車。目の前には、気動車1両編成の直江津行の列車が停まっていたため、そのまま乗り継ぐことができた。ちょうど高校生の帰宅時間帯となっていたことから、車内はやや混雑していた。そして直江津駅には定刻の16時31分に到着。この1分前に長岡行の普通列車が発車してしまっていることから、いったん改札を出て待合室で1時間以上を過ごすことにする。

 特急しらゆき号で使用されている車両は、E653系4両編成で、2013年3月までは上野―勝田間などで特急フレッシュひたち号として使用されていた。フレッシュひたち号時代のE653系は7両基本編成と4両付属編成が使用されていたが、特急しらゆき号では4両付属編成が転用されている。なお、厳密には使用される4編成のうち、3編成が付属編成をそのまま転用したもので、1編成は基本編成から3両を外して転用したものだ。なお、フレッシュひたち号と一緒に活躍していたスーパーひたち号の651系電車についても2013年3月改正でE657系に置き換えられ、特急ひたち号と特急ときわ号にリニューアルされた。

 筆者は、発車の10分ほど前には再び直江津駅のホームへと降り、列車を待っていたところ、発車の2分ほど前に、特急しらゆき7号が直江津駅の3番ホームにやってきた。北陸新幹線の接続駅である上越妙高と直江津の間は第三セクター鉄道のえちごトキめき鉄道(トキ鉄)線を通るので、トキ鉄の乗務員の乗務員によって運行が行われ、直江津駅ではJR東日本の乗務員に交代する様子も見ることができた。

 直江津駅を発車した時点では、すでに日は完全に落ち、車窓風景を見ることは叶わなかったが、特急列車のリクライニングシートに身をゆだね約2時間。真新しい高架駅となった新潟駅には定刻通りに到着した。

車内の様子(筆者撮影)
車内の様子(筆者撮影)

(了)

鉄道ライター

鉄道に乗りすぎて頭の中が時刻表になりました。日本の鉄道全路線の乗りつぶしに挑戦中です。学生時代はお金がなかったので青春18きっぷで日本列島縦断修行をしてましたが、社会人になってからは新幹線で日本列島縦断修行ができるようになりました。ステッカーやTシャツなど鉄道乗蔵グッズを作りました。

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