保育士が感じる現代っ子と10年前の子どもとの明らかな違い。子ども同士の人間関係が希薄に
”大人が変われば子どもも変わる”を信念に発信しています現役保育士です。
保育の現場でお仕事をさせてもらっている中で、現代の子と10年前の子ども達との明らかな違いを感じます。それは、子ども同士の人間関係が希薄になっていることです。
そこで今回は人間関係の希薄さの具体例とその一因と思われることについて考えていきたいと思います。
他人に興味のない子増加
10年程前は、入園したばかりの下級生や転入してきたばかりの同級生に対し「お手伝いしてもいい?」「やってあげる」「こっちだよ」などと自ら助けようと働きかける様子が多くありました。
始めのうちだけ保育士側が手伝いをお願いしていましたが、それをやめてからも人を助けることにやりがいを見つけ、自ら「やりたい」「手伝ってきてもいい?」と希望する子が多く、人数制限すると喧嘩になることもあったほどです。
また、まだ言葉で上手く表現できない子の気持ちを考え「この子はこう思うんじゃない?」「こうした方がいいんじゃない?」と気持ちの代弁を行い、他人に寄り添う姿も多数。
しかし、年々そのような微笑ましい関わりの中での成長は減少し、下の学年や周りの友達にあまり関心がない子が増えた印象です。中には積極的に関わろうとする子もいますが、以前と比べると明らかに少なくなったと保育者の中でも話題になります。
デジタルデバイスの影響
子ども達に家庭での遊び方を聞いてみると「YouTube」と答える子も増えてきました。
もちろんYouTubeなどのデジタルデバイスで学べることも多くありますし、忙しい保護者はそういうものに頼れた方がありがたいですよね。またタブレット学習を取り入れる園も増えています。
しかし、幼児期の子ども達は生身の人と触れ合う中でコミュニケーションを学ぶ時期です。自分の気持ちの表現の仕方、相手の気持ちの理解、してもらえて嬉しかったこと嫌だったことなどを学び、人と関わる中で感情をコントロールすることが重要になってきます。
デジタルデバイスの使用時間が長くなると、自分の中にこもる時間が長くなってしまったり、感情をコントロールしたり人を思いやって行動する機能を持つ前頭葉部分の動きが悪くなってしまうという研究結果も。
何かを調べるツールとして使う、使用時間を制限するなど使い方を間違えなければ影響は少ないですが、長時間好きなように見せてしまうことで本来育つ部分に影響が出てしまうでしょう。
おわりに
まだ幼い子ども達は環境によって大きく影響を受けてしまいます。
様々な考え方があるとは思いますが、デジタルデバイスの使い方によってお子さんの人間関係に支障が出てしまうこともあるかもしれません。
周りに関心がなさすぎる、トラブルが増えてきた、長期間環境になじめないなど何か困ったことがあったら、一つの対策としてデジタルデバイスの使用を短くするなどの方法も考えてみてもいいかもしれません。