iPhoneはAndroidより高く売れる? 「リセールバリュー」に注目
新型iPhoneの発売が近づいています。毎年、この時期になると話題になるのが「iPhoneは他のスマホより高く売れる」という現象です。本当にそうなのか、最新の買取価格を調べてみました。
iPhoneは本当に高く売れるのか
スマホを買い替えるとき、これまで使っていた端末が高く売れれば、新機種を手に入れる費用が意外と安く済むことがあります。
特にiPhoneは数年前の機種でも中古の買取価格が高いことから、「リセールバリューが高い」といわれています。
本当に中古ショップの買取価格はiPhoneのほうが高いのか、Androidの人気機種と比べてみました。
スマホの買い替えサイクルは3年程度まで長くなっているとされています。3年前、2019年発売のiPhoneといえば「iPhone 11」です。
中古ショップのイオシスでの買取価格は、「使用感はあるが目立つ傷はない」状態で64GBモデルが3万4000円。発売時の税込価格8万5536円と比べて、40%の価値が残っているといえそうです。
一方、iPhoneと発売時期が近いAndroidスマホの買取価格は20%〜30%でした。機種によってはiPhoneの半分程度に価値が下がっていることが分かります。
あるいはもっと新しい、2年前の機種はどうでしょうか。2020年に発売されたiPhone 12と、冬モデルのAndroid端末を比べたのがこのグラフです。
こちらも機種による差はあるものの、発売から2年ならAndroidでもiPhoneと同じくらい価値が残っている機種があるようです
逆に、4年使い続けた場合はどうでしょうか。2018年発売のiPhone XRとXSは、買取価格が20%前後まで下がっています。
一方、Androidは発売時の価格の10%程度まで買取価格が下がっているものがありました。
このように機種による差は大きいものの、全体的にみるとiPhoneのほうが高く売れる傾向にあるといえそうです。
iPhoneが好きな人「6割」との調査も
iPhone大国といわれる日本ですが、最近はAndroidのシェアも高まっており、高コスパの低価格機やシニア向けなど、iPhoneがカバーできていないカテゴリにも選択肢が広がっています。
一方で、iPhoneを好む人は依然として多いようです。LINEリサーチによる2022年8月の調査では、全体の6割超、特に10〜20代の若年層では7割超がiPhoneを好む傾向としています。
ここまで大きな差があると、予算が限られる場合でも低価格帯の新品Androidではなく、型落ちの中古iPhoneを選ぶ人が多いはずです。こうした中古市場の存在も、iPhoneの買取価格を下支えしている可能性があります。
最近はAndroid端末もOSのアップデート期間を長くする傾向にあるものの、iPhoneは2017年発売の「iPhone 8」にも最新のiOS 16が提供されています。こうした製品寿命の長さも間違いなくプラスに働いているでしょう。