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チャンピオンズC前日オッズ2.7倍は初ダート・ソダシの取捨 父クロフネのような衝撃の再来はあるか

花岡貴子ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家
白毛ソダシはダート初チャレンジ(写真:日刊スポーツ/アフロ)

チャンピオンズC、人気どおりに決まらず中波乱傾向

 5日、中京競馬場でチャンピオンズカップ(GI)が行われる。2014年より中京開催となったGIだが、比較的荒れる傾向にある。2019年は2番人気クリソベリル→1番人気ゴールドドリーム→3番人気インティの順で決まっているが、そのようなことは珍しく、中波乱の傾向が強い。

前日オッズ1番人気はソダシ 2.7倍

 まず、前日のオッズを確認しておこう。

 1番人気は今年の桜花賞馬ソダシで2.7倍。2番人気は帝王賞(JpnGI)を制したテーオーケインズで4.2倍。3番人気は昨年のチャンピオンズカップ(GI)を勝ったチュウワウィザードで5.8倍。単勝1桁台はこの3頭だ。

 続く4番人気は今年のフェブラリーS(GI)の覇者・カフェファラオで11.7倍。5番人気は前走シリウスS(GIII)を勝ったサンライズホープで14.5倍、6番人気は東海S(GII)、平安S(GIII)を勝っているオーヴェルニュで15.2倍、7番人気は地方から参戦のカジノフォンテンで16.5倍である。

 そのあとは8番人気は芝とダート二刀流が定着してきたクリンチャーで23倍、9番人気は2019年のフェブラリーS(GI)優勝以降は勝ち星から遠ざかっているインティで26.8倍。10番人気は前走みやこSを制したメイショウハリオで29.8倍となっている。

 このようにおおむね、過去1年以内にGI勝ちのキャリアがある馬、GIIやGIIIのダート重賞勝ち馬、過去のGI勝ち馬や重賞勝ち馬、といった順に人気になっている。

■2021年桜花賞 優勝馬 ソダシ

人気のソダシ、父・クロフネの再来となるか

 今年のチャンピオンズカップで重要なのは、3歳牝馬ソダシをどう扱うか、だ。ソダシはダートは初参戦にも関わらず、前日オッズで1番人気の2.7倍である。レース当日、ジリジリとオッズは上がり、2番人気のテーオーケインズ、3番人気のチュウワウィザードにだいぶ迫ってきてはいるが、11時現在、未だ1番人気であることに変わりはない。

 初ダートのソダシがここまで人気を集める理由は、彼女の血統背景による影響が大きい。父のクロフネは2001年にNHKマイルCを優勝という芝GI優勝実績がありながら、同年ダートに参戦しジャパンカップダート(GI)を2着のウイングアローに7馬身差をつけて圧勝している。その前走、初ダートの武蔵野ステークス(GIII)も2着のイーグルカフェに9馬身差をつけているが、その走破タイム1分33秒3は当時のコースレコードとして驚異的なものだった。しかも、馬場状態は良。水分を含んで脚抜きが良くなった馬場ではないのにこの時計を叩きだしたクロフネのパワーとスピードにはただただ驚かされた。

■2001年武蔵野ステークス(GIII) 優勝馬 クロフネ

■2001年ジャパンカップダート 優勝馬 クロフネ

そして、母のブチコはダートで準オープンまで勝ち上がっている。母の妹でクロフネを父に持つユキチャンは中央時代に関東オークスを勝ち、地方転厩後はTCK女王杯等を制しNAR賞最優秀牝馬(2010年)を受賞している。

 そういった血統背景から"クロフネの再来"を娘・ソダシに期待する気持ちはよくわかる。

 ただし、筆者は初ダートは決して甘くない、とみている。まず、最内枠の1枠1番が当たったことが気になる。スタート後のポジション争いにおいて他馬からの影響を受けやすいポジションなので、他馬が蹴り上げた砂が当たるキックバックを受ける可能性も高い。そして、相手はダートのGIを繰り返し戦ってきたメンバーも多く馬格もあってパワフルな馬が多い。確かにソダシは札幌記念で古馬牡馬とは対戦して勝っている。だが、今回はGIだ。ソダシの

kやり 同世代、GIでは牝馬とだけ戦ってきたキャリアでこのような骨っぽい面々を相手に勝ち切れるだろうか。まして、ソダシの気性は繊細だし、母のブチコがゲートで難しい面を出していた。ソダシ自身がアイドルホースであり、父であるクロフネの再来を期待したい気持ちはわかるが、娘は娘である。

チュウワウィザードら実績馬は順調な仕上がり

 昨年の覇者・チュウワウィザードは今春は海外遠征を経験。この中間、勝ち星はないが、いい状態をキープしているという。前走のJBCクラシックは金沢競馬場の馬場において最内枠付近の砂が深く、それを苦慮したとのことだ。昨年も勝っている舞台なら力を出し切れるのではないか。

■2020年チャンピオンズC 優勝馬 チュウワウィザード

 テーオーケインズもJBCクラシックで力を出し切れなかったクチだ。初の金沢競馬でゲートで座り込むような体勢になってしまい、出遅れてしまった。今回は経験のある中京だけに、こちらも力をしっかり出せるとみている。

■2021年帝王賞(JpnI) 優勝馬テーオーケインズ

2021年チャンピオンズC枠順(筆者作成)
2021年チャンピオンズC枠順(筆者作成)

ライター、脚本&漫画原作、競馬評論家

競馬の主役は競走馬ですが、彼らは言葉を話せない。だからこそ、競走馬の知られぬ努力、ふと見せる優しさ、そして並外れた心身の強靭さなどの素晴らしさを伝えてたいです。ディープインパクト、ブエナビスタ、アグネスタキオン等数々の名馬に密着。栗東・美浦トレセン、海外等にいます。競艇・オートレースも含めた執筆歴:Number/夕刊フジ/週刊競馬ブック等。ライターの前職は汎用機SEだった縁で「Evernoteを使いこなす」等IT単行本を執筆。創作はドラマ脚本「史上最悪のデート(NTV)」、漫画原作「おっぱいジョッキー(PN:チャーリー☆正)」等も書くマルチライター。グッズのデザインやプロデュースもしてます。

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