とても美味しいけれど知る人は少ないレアな淡水のエビ 手長エビの釣り方と料理 初心者でも簡単魚釣り
手長エビは淡水(汽水域)に生息するエビの仲間です。
日本の九州以北に生息する手長エビの仲間はテナガエビ、ヒラテテナガエビ、ミナミテナガエビの3種類いる事が知られています。
この3種類のうち10cm前後にまで成長するテナガエビ、ヒラテテナガエビが釣りの対象になります。
テナガエビ釣りのベストシーズンは梅雨時です。
手長エビは海に近い淡水域(これを汽水域と言います)に多く生息していますが、時たま内陸部の海に通じていない淡水の湖沼などに生息する完全陸封型の手長エビも居るようです。
あまり一般的ではありませんが「手長エビ釣り」と言う釣りの分野が確立されており、専用の道具なども釣具メーカーから販売されています。
手長エビ釣りのベストシーズンである梅雨時の少し前あたりから晩夏ころまでなら大きな釣具店などには手長エビ釣りコーナーが設けられている事もあります。
ネット販売などでも手長エビ釣り専用の用具などが多数販売されておりますので、これから手長エビ釣りを始めようと言う方はこれらを利用するのが近道です。
テナガエビ釣りの仕掛け
これが定番の仕掛けだ、と言う形の物はありませんが、岸近くの浅場を狙う釣りですから仕掛けもシンプルな構成の物が多いです。
今回はテナガエビ釣りを初めてやってみようと言う方でも簡単に作れる仕掛けを紹介します。
使う釣竿は長さ2m前後の短めの手竿(リールを使わない釣竿)と専用の釣針を用意します。
釣竿の先端には太さ2号のナイロンの道糸を結びます。
道糸の途中には適当な目印を付けます。
上の写真では超小型のウキをゴム管で取り付けて目印としていますが、目立つ色の毛糸などを結んで目印としてもOKです。
下の写真のようなウキの代わりに使える超小型の発光性の目印なども釣具店などで販売されていますので、これらを目印として使うのも良い方法です。
テナガエビは夕方から夜にかけて活動する夜行性の生き物ですので道糸に付ける目印は薄暗い環境でも視認性が良いものが有利になります。
道糸は使う釣竿の長さと同じ位の長さにして、その末端にはワンタッチスナップ付きのスイベルを結びます。
釣針にはごく細い糸(これをハリスと言います)が予め結ばれていますので、このハリスの末端に小さな輪を作ります(これをチチワと言います)
道糸の末端に結んだワンタッチスナップ付きのスイベルに、下の写真のように釣針のハリスの末端に作ったチチワ結びを繋ぎます。
このようにしておくと釣針を直ぐに取り替えることが出来てとても便利です。
と言うのは、テナガエビは水際近くの岩や石ころの隙間に棲んでいるため、釣針が水底の障害物に引っ掛かってハリスが切れてしまう事も多いからです。
尚、テナガエビ釣り専用の釣針にはハリスは50cm前後の長さが付いている事が多いのですが、これではハリスが長すぎますので、上の写真のように針からワンタッチスナップ付きのスイベルまでの長さが10cmになるように調整してハリスにチチワ結びを作ります。
ハリスの途中には小さな噛み潰しオモリを1個取り付けます。
この噛み潰しオモリはサイズ(重さ)ごとに記号が付けられて販売されていますので、テナガエビ釣りに使うオモリならG8位の物を選べばOKです。
上の写真のように噛み潰しオモリを取り付けます。
ハリスの長さが10cmでしたので、オモリはハリスの丁度中間に取り付ける事になります。
針には餌を付けます。
この餌は、、、なんと!!
カニカマボコですwww
エビはカニが好き、と言う訳でも無いのでしょうけど、下の写真のようにカニカマボコを米粒ほどに小さく千切って取り付けます。
カニカマボコの他にテナガエビ釣りに使える餌は、普通のカマボコ、竹輪、はんぺん、鳥のささ身、お刺し身各種、ミミズ、イソメなど動物質なら大抵の物が使えます。
どのような餌を使う場合でも針に付ける時は米粒大に小さくして付ける事がコツです。
テナガエビを釣ってみよう
仕掛けの説明のところでも書きましたがテナガエビは夕方から夜にかけて活動する夜行性の生き物です。
ですからテナガエビ釣りに適した時間帯は早朝とか夕方と言うことになりますが昼間でも全く釣れないと言う訳でもありません。
水が濁っている時とか、雨が降りそうな時とかは水中はかなり暗く早朝や夕方の雰囲気になりますので、こう言った時なら日中でもテナガエビは活発に活動しています。
テナガエビは産卵時には海に行く必要がありますので、テナガエビが棲む淡水域は海と繋がっていて海に近い河川の下流域などです。
岸近くの岩や石の間に潜んでいますので、そのような場所を見つけて餌の付いた仕掛けを垂らしてみます。
餌の付いた仕掛けを餌が水底に着くようにそぉ〜っと垂らします。
仕掛けの投入時で大切なことは餌は必ず水底に着底している事です。
テナガエビは水底や水中の岩壁に張り付く形で棲息していますので、餌が水中に宙ぶらりんの状態ではテナガエビは釣れません。
テナガエビは貪欲ですので餌の近くにテナガエビが居れば直ぐに餌を見つけて近づいてくるはずです。
テナガエビが餌を見つけると、直ぐに餌を食べずに、まずは安全な場所に餌を運びます。
この動きは道糸に付けた目印の動きとなって確認できます。
テナガエビが餌を運んでいる時は、餌をハサミの付いた手で持って居るだけですので、仕掛けを上げても水面までは餌について出てくる事もありますが、水面から仕掛けが出た途端に餌を離して水中に戻ってしまいます。
道糸の目印の動きが一度止まったらテナガエビは餌を食べ始めています。
ホンの少し待ってからゆっくりと仕掛けを上げてみます。
上手く行くとテナガエビを釣り上げることが出来ます。
針が口に掛かれば仕掛けを水中から上げても外れること無くテナガエビは針に付いて出てきます。
あまり長い時間待ち過ぎると、針だけ残して餌を全部食べられてしまうだけで釣れません。
餌を運んでいる時に仕掛けを上げて水面まで付いて来たテナガエビを、水中に戻ってしまう前に水面近くで素早く網で掬い取ると言う方法もあります。
テナガエビ釣りの楽しさは、水中で見えないテナガエビとの動きの駆け引きの難しさが面白さでもあります。
上手になると1時間ほどの釣りで10匹以上のテナガエビを釣ることが出来るようになります。
テナガエビは釣人だけの美味しい食材
釣れたテナガエビを持ち帰る時は出来るだけ生かした状態で持ち帰るのが良いです。
と言いますのは、料理する前に数時間でもきれいな水に入れて生かしておくと、体内の餌などを出してしまうため丸ごと全て食べられるようになるからです。
とは言え、死んでしまっても完全に加熱調理すれば食べられないことはありません。
ちなみに、例えきれいな水で暫く生かしておいたとしても生食は避けたほうが良いです。
テナガエビの料理で最も適したものは何も付けずに油で揚げるだけの素揚げです。
テナガエビの素揚げは作り方も簡単で美味しい上に見た目の楽しさも有り釣人ならではの料理と言えます。
テナガエビはお店では売っていない釣人だけのレアなエビです。
初心者でも簡単に出来て、それでいて駆け引きが難しく奥が深いのがテナガエビ釣りです。
皆さんも機会があれば是非テナガエビ釣りに挑戦して美味しい素揚げを作ってみては如何でしょうか。
最後までご覧頂きありがとうございます!!
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