零戦の日本上空飛行「戦後初」は誤報 産経サイト、見出しなど訂正
【GoHooレポート1月21日】産経新聞は1月20日、ニュースサイト(産経WEST)に「戦後初 零戦、再び日本の空を舞う『先人が築いた技術をみよ』1月27日、鹿児島県鹿屋市」と見出しをつけた記事を掲載した。記事は零式艦上戦闘機(零戦)が海上自衛隊鹿屋航空基地の上空を飛ぶ予定であることを報じたもので、本文の冒頭でも「日本の空を零戦が舞うのは、戦後初めて」と強調。しかし、21日午前、記事に「確認の結果、戦後の飛行例があることがわかりました。お詫びして訂正します」との訂正文が追記された。見出しは「零戦、再び日本の空を舞う!〜」に修正され、記事本文の誤った記述も削除された。ツイッターの公式アカウントでも訂正した。
「戦後初 零戦、再び日本の空を舞う」と見出しをつけた記事は、掲載直後からフェイスブックなどで非常に大きな反響を呼び、産経WESTのランキングトップだった(20日集計、21日付大阪版夕刊による)。一方で、ツイッター上に記事の誤りを指摘する投稿も相次いでいた。日本報道検証機構が過去数年調査している中で、産経がニュースサイトで訂正を掲載するのは極めて異例。なお、元の記事は紙面版には掲載されていなかった。
動画投稿サイトYouTubeで、1995年に龍ヶ崎飛行場(茨城県龍ケ崎市)の上空を飛行する零戦を撮影したとみられる動画が確認できる。
記事が取り上げたのは、零戦の日本人所有者らが立ち上げた「零戦里帰りプロジェクト」による飛行計画。ウェブサイトには「戦後初となる『日本人所有の機体による』、『日本人パイロット』での零型戦闘機の国内での飛行」とのタイトルが掲げられている。昨年のクラウドファンディングで2300万円余りの支援金を集めていた。
(*)アイキャッチに「零戦」として使用していた写真は零戦でない可能性があるとの指摘を受け、別の写真に差し替えました。(2016/1/22 8:10)
(**) 写真提供元より「零戦」ではなく「98式直接協同偵察機」の写真だったことがわかったため、写真説明を訂正したとの回答がありました。(2016/1/29 11:45)