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検索トップに偽サイト だまされない対策は? 「えきねっと」偽サイトの”真の問題”

岡田有花フリーランス記者
えきねっとの公式サイトより

 Google検索で「えきねっと」を検索すると、トップに偽サイトが表示される――10月19日にこんな報道がなされ、話題になりました。

 偽サイトは「正しいサイトより上位に表示される」と報道されていましたが、これは厳密には正確ではありません。

 偽サイトが表示されていたのは、正規の検索結果ではなく、「広告枠」(検索連動型広告/リスティング広告)だからです。

 詐欺師が「えきねっと」というキーワードの広告枠をお金を払って購入し、正規の検索トップより上に表示される広告枠に表示させていた、というのが今回の流れです。

Google検索の「スポンサー」枠。検索のトップ結果のように見えるが、広告費が支払われた広告だ
Google検索の「スポンサー」枠。検索のトップ結果のように見えるが、広告費が支払われた広告だ

 ただ、Google検索の広告枠は、検索結果と並んで表示されますから、広告と分かりにくいのが現状です。太字で「広告」または「スポンサー」という文字は表示されるものの、ぱっと見て「正規のサイトではない」と判別するのは困難です。

繰り返される広告詐欺

 しかも、こうした広告詐欺は、珍しいものではありません。金融機関名や大手サービス名などのキーワードを購入して偽サイトのURLを貼り付け、そこからIDやパスワードなどを盗み出す、といった攻撃はたびたび問題になってきました。

 日本のサービスでは、例えば「楽天トラベル」や「GMOコイン」のキーワードにフィッシングサイトが仕込まれた、といったケースが過去に報告されています。 

だまされないための対策は

 Googleはフィッシング詐欺に対して厳正に対処すると表明しており、広告を掲載する際も審査は行われているはずですが、常に膨大なキーワードを審査し続けているため、“ヌケモレ”もあるようです。

 ユーザがこういったサイトにだまされないようにするには、IDやパスワードなどを入力するサービスにアクセスする際は、できる限り、公式アプリなどからアクセスすること、URLが正規のものか確認することなどが自衛策になるでしょう。

真の問題はGoogleのビジネスモデル

 そもそも問題の大元は「広告枠がまるで正規のサイトのように表示され、正規のサイトより上に出る」こと。検索サイト側も、「広告は広告であり、正規の検索結果ではない」と分かりやすくする表示する努力が必要です。

 ですが、Googleがこの問題に本気で対策するとは考えにくいでしょう。検索サイトは広告枠を高く売ってナンボ。広告枠ではない正規のサイトをクリックさせてもGoogleには1円も入りませんが、広告枠をクリックさせれば収入になるためです

 サービス側に抜本的な対策を期待できそうにない以上、ユーザーはやはり、自衛するしかなさそうです。

フリーランス記者

1978年生まれ。京都大学卒。IT系ニュースサイト記者、Webベンチャーを経て、IT・Web分野を軸に幅広く取材、執筆するフリーランス記者。著書に「ネットで人生、変わりましたか」(ソフトバンククリエイティブ)。

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