身近な場所で自然観察【新緑の里山で出会える草花を紹介】
里山(さとやま)とは人里に近い山林の事です。
その昔は人が住む集落の近くには必ず里山があり人々は里山から薪などの燃料や山野草などの食料など様々な恩恵を受けていたと言われています。
現代に於いて里山は昔のような利用法は必要なくなり廃れてしまいましたが、手軽に自然に触れることができる場所として今でも私達に素晴らしい環境と恩恵を与えてくれます。
そんな里山で新緑の季節に出会うことが出来る草花のいくつかを紹介致します。
フデリンドウ
山林の日当たりの良い乾いた土地に自生するリンドウ科の越年草。
高さは7cm前後、晩春に漏斗状の青紫の花を上向きに付ける。
花は日中の日があたっている時だけ開く。
和名は筆のような形のリンドウの意味。
フタリシズカ
山林の比較的暗い場所に自生するセンリョウ科の多年草。
高さは40cm前後、晩春に茎の先に小さな白い花が列になった2本の穂状花序をつける。
和名は2本の花序を能楽「二人静」の静御前とその亡霊の舞姿にたとえたもの。
テンナンショウ属2種類
サトイモ科の植物であるテンナンショウの仲間は日本の野山には数十種類が自生しています。
冬には地上部は枯れ地下の塊状の地下茎で越冬する多年草です。
晩春から初夏にかけて仏炎苞と呼ばれる独特の形をした花を咲かせます。
テンナンショウの仲間は有毒な種類も多く地上部の茎や葉および地下茎を切った時出る液に触れると皮膚炎を起こす事があります。
地下茎は漢方薬の「天南星」として利用され和名のテンナンショウもここから来ています。
タツナミソウ
平地から低山の草原や森林内の開けた場所に生えるシソ科の植物です。
日本に自生するタツナミソウには多くの種類があり、分類の難しい植物としても知られています。
多くは草丈10cm前後で群生し、春に紫色の花を付けます。
群生して咲く花の姿が浪が立っているように見えるため立浪草の名前が付いたと言われています。
シュンラン
漢字では春蘭と書き春に咲くランと言う意味のラン科の多年草で日本の野山に自生する地生蘭としては代表的な種類です。
園芸植物としても人気があり、野生種を鉢植えや庭植えで育てる事もあります。
葉は固く丈夫で冬でも枯れずに越冬します。
春に咲く花は山菜として塩漬けや酢の物で利用できます。
ギンラン
漢字では銀蘭と書き銀色の花を咲かせるランと言う意味のラン科の多年草で春に芽を出し晩春に白い花を咲かせる地生蘭です。
草丈は30cm前後で花は草の先端部に間隔をおいて咲き、咲ききっても完全に開花せず半開きの状態に見えます。
地中の菌類と共生する事が知られており、その特徴ゆえに園芸的な栽培が難しい植物です。
キンラン
漢字では金襴と書き金色の花を咲かせるランと言う意味のラン科の多年草で春に芽を出し晩春に黄色い花を咲かせる地生蘭です。
ギンランと同じ場所に自生している事が多く、花もギンランと同じ頃に咲きます。
草丈はギンランよりやや高くなる傾向にあります。
ギンランと同じく草の先端部に花が咲きますが、咲き方はギンランは花同士が間隔を置くのに対し、キンランは花同士がかたまって咲きます。
キンランも地中の菌類と共生する事が知られており、その特徴ゆえに園芸的な栽培が難しい植物です。
ギンリョウソウ
漢字では銀竜草と書き銀色をした竜のような形をした草と言う意味のツツジ科の植物で森林の落ち葉が積もる地面に春から初夏にかけて顔を出します。
背丈は10cm前後で葉緑素を全く持っていないため一般的な植物のような光合成は出来ません。
光合成の代わりに地中の菌類や周囲の樹木の根と複雑な共生関係を持ち栄養を得ています。
そのため園芸植物として育てる事は非常に難しく、栽培はほぼ不可能と言えます。
■■■ 新緑の頃は里山が一段と輝く季節です ■■■
身近な里山に出かけて自然を満喫しましょう!!
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