【お茶と健康】抹茶を飲むと睡眠の質が上がる?認知機能の低下が予防できる?最新の研究結果をチェック!
前回の記事(こちら)ではお茶のカテキンに注目しましたが、今回は抹茶に多く含まれる「テアニン」という成分にフォーカスします。
ここ最近、テアニンの入った食品や飲み物をよく見かけるようになりました。
どうもテアニンはGABAと同様に睡眠の質の向上や脳をリラックスさせるという点で期待されているようです。
最新の研究結果を元に、「テアニン」についてまとめました!
抹茶に含まれる「テアニン」って何?
日本茶の特徴の一つに「うま味」があります。
このうま味は抹茶や玉露、上級煎茶に多く含まれるのですが、このうま味の成分であるアミノ酸の一種が「テアニン」です。
テアニンの働きとして脳をリラックスさせることは以前から知られていましたが、最近は認知機能の低下防止や睡眠の質を向上させるという研究結果も出ており、今注目の成分の一つです。
最近ではテアニンのサプリメントやテアニンが配合されたグミなどのお菓子もよく目にするようになりました。
テアニンについては過去記事「ここにも「テアニン」?今注目の緑茶に含まれるリラックスに役立つ成分とその上手な取り入れ方」でも取り上げています。
緑茶では抹茶、玉露、上級煎茶の茶葉にテアニンは多く含まれますが、同時に覚醒作用のあるカフェインも含まれるため、緑茶でテアニンのみを摂取することは難しいです。
テアニンについては太陽化学株式会社のサイト「1分でわかる「テアニン」効果」(外部サイト)にまとめられています。
では、抹茶については最近はどんな研究がなされているのでしょうか?
最新の抹茶についての研究結果
つい先日発表された研究結果に注目してみましょう。
「抹茶による社会的認知機能(顔表情からの感情知覚)と睡眠の質への効果を確認し、8月30日(金)に学術雑誌PLOS ONEへ掲載」(外部サイト)によると、
とあります。
実際に臨床試験を行い、抹茶が社会的認知機能の改善と睡眠の質を向上させることを確認したとのこと。
もう少し詳しくみると、このように書いてあります。
抹茶2グラムという量は薄茶(一般的な抹茶)にして1杯分に使用される量です。
ワーキングメモリーというのは「外界から入ってきた感覚情報などを、それが消えた後に数秒から数十秒の間、短期記憶として保持し、それを用いて他の認知機能を実行する為の、脳の機能」のことだそうで、生活はもちろん勉強や仕事にも直結する機能とも言えます。
私が特に注目しているのは、「抹茶はカフェインを含んでいるにもかかわらず睡眠の質に悪影響がなくむしろ改善傾向がみられた」という点です。
覚醒作用のあるカフェインは眠気防止に良いとされるので単独で摂取すると睡眠の質が悪くなりそうですが、抹茶に関しては問題がないというこの結果はとても意外でした。
カフェインが多く含まれているため抹茶を乳幼児に与えることは控えていただきたいですが、働く大人にとっては抹茶を生活に取り入れると良い効果が期待できそうです。
海外のIT企業で緑茶が評価される理由
実は既にアメリカのIT企業が集まるシリコンバレーでは、緑茶はかなり前から取り入れられていたようです。
ビジネスに関する記事のDIMEの2018年の記事「シリコンバレーの有名IT企業に緑茶が浸透しすぎな理由」(外部サイト)でも、緑茶(こちらの記事ではペットボトルの緑茶ですが)は「ワークコンディショニング飲料」と捉えられ、仕事の合間のリフレッシュに飲み頭をすっきりさせるものと受け入れられているようです。
エナジー飲料と比べるとパワフルな感じはしませんが、健康にも良くすっきりした感じが持続するという点で評価されているとのこと。
抹茶が手軽に家庭やオフィスで楽しめるマシンも
そんな意識の高い人たちにもと開発されたシリコンバレー発の抹茶マシン「CUZEN MATCHA(空禅抹茶)」をご存知でしょうか。
代表の塚田英次郎さんは抹茶の様々な効果にも注目し、オーガニックの碾茶(抹茶の原料の茶葉)を挽いて点てるところまでできる画期的なマシンを開発。
2020年にアメリカで、2021年からは日本でも販売がスタート。
クールジャパン官民連携プラットホーム(内閣府知的財産戦略推進事務局)が主催する「クールジャパン・プラットホームアワード2024」プロジェクト部門において準グランプリを受賞しています。
忙しい時でもボタン一つで抹茶が作れ、炭酸で割ったりミルクで割って抹茶ラテにしたりとアレンジも自在。
今年度末にはオーガニック抹茶のシングルオリジン(単一農園単一品種)の茶葉も発売予定だそうで、品種による味の違いを楽しめるのは日本茶マニアにとっても興味深い展開です。
過去の取材記事「抹茶で集中とリラックスを実現?クールジャパンで準グランプリ受賞の画期的な抹茶マシン「空禅抹茶」に注目」と合わせて、CUZEN MATCHAのサイト(外部サイト)もご覧ください。
抹茶を気軽に楽しむなら
抹茶の楽しみ方はいろいろありますが、茶筅などの特別な道具がなくてもお家にあるもので簡単に作ることができる「冷たい抹茶」もおすすめです。
作り方はこちらの記事「超簡単「冷たい抹茶」の作り方!ボトルと抹茶があれば秒でできる裏ワザを日本茶のプロがご紹介」に抹茶・お水・氷を入れて振るだけの簡単レシピを掲載していますので、ぜひお家でトライしてみてください。
抹茶も薬ではなくあくまで嗜好品です。
おいしく楽しく続けると良いことがあるかも!という気楽な気持ちで抹茶を楽しんでみてはいかがでしょうか。