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茶葉の美しさも楽しめる「360KYUSU」がグッドデザイン賞を受賞!今までにない画期的な急須が話題

日本茶ナビゲーター Tomoko日本茶インストラクター
お茶の味や香りはもちろん、目でも楽しめる画期的なデザインンの「360KYUSU」

つい先日、10月16日にグッドデザイン賞2024の受賞の発表があり、ナナズグリーンティーのオリジナル急須「360KYUSU(さんろくまるきゅうす)」がグッドデザイン賞を受賞したというニュースが飛び込んできました!

グッドデザイン賞は60年の歴史を持つ日本国内で権威あるデザイン賞で、キッチンツールや文房具などでロゴを見かけることも多くあります。

6月には世界三大デザイン賞の1つであるドイツのデザイン賞「Red Dot Design Award 2024」を受賞したばかりの360KYUSU。

特徴ある画期的なデザインのの進化系急須は国内外で高く評価されているということで、さらに注目度が高まりそうです!

今回はその360KYUSUの実際の使い勝手や魅力をレポートします。

グッドデザイン賞2024のテーマは「勇気と有機のあるデザイン」

「グッドデザイン賞」はご存知の方も多いはず。

買い物に行くと商品の中によく目にするあの赤いGの形をしたロゴマークでおなじみの、国内で最も権威のあるデザイン賞です。

グッドデザイン賞のサイトにはこのようにあります。

グッドデザイン賞は、日本で唯一の総合的なデザイン評価・推奨のしくみです。

60年以上にわたり「Gマーク」とともに広く親しまれながら、 デザインによって、暮らしや社会をよりよくしていくための活動をしています。

1957年からスタートしたグッドデザイン賞は、これまでの受賞総数は5万件以上。

認知度も高く、生活に密接に関わるものが多い印象です。

我が家にあるものを見ても、キッチンツールや文房具、爪切りなどの雑貨まで幅広く、グッドデザイン賞のマークを見て商品を手に取る人も多いのではないでしょうか。

以前取材させていただいた鎌倉の日本文化を体験できる宿泊施設「kishi-ke(岸家)」さんもグッドデザイン賞を受賞しており(過去記事はこちら)、商品だけではなく建築物や事業なども受賞対象となっています。

「勇気と有機のあるデザイン」

グッドデザイン賞は毎年テーマが決められ、応募されたものの中から審査員によって選ばれた受賞結果が年に一度10月に発表されています。

今回のテーマは「勇気と勇気のあるデザイン」。

グッドデザイン賞2024年度受賞結果(外部サイト)での審査委員長齋藤精一氏のコメントによると、

デザインとは何なのか?という疑問を、私自身ずっと考え続けています。

美しいものを創り出すこと」「社会課題を解決すること」「社会を、地域を、生活をより良くする活動」「産業や製品を更に発展させる原動力」など様々な解釈があります。

どれも正解なのですが、もしかしたら「今をより良くする」ために勇気と有機を持って変化し、考え続け、議論し続けることが今のあるべきデザインなのかもしれないと今年の受賞作を俯瞰して思いました。(後略)

とあり、時代に即したより良い未来へ繋がるデザインが評価されているようです。

では、360KYUSUではどんなところが高評価を得たのでしょうか?

デザインのプロから見た360KYUSUの魅力とは?

グッドデザイン賞2024年度受賞結果(外部サイト)の360KYUSUへの審査委員の評価コメントには、

「お茶を淹れる」という行為に対する固定観念を覆した革新的なデザインであると言える。

それでいて、蓋を押さえながらお茶を注ぐ所作には旧来の急須らしさを感じさせる。

最も特徴的な茶漉しの機能を持った蓋には、創意工夫とともに多くの試行錯誤があったことが窺い知れる。

トライタン樹脂製の透明な本体は、安全や環境に配慮されながら、茶葉が舞い抽出される様が見えて美しい。

急須という歴史ある道具に新たな可能性を提示し、お茶を淹れるという体験そのものに革新性をもたらしている。

「新しい日本のカタチ」が高い次元で具現化されたデザインである。

とあります。

これまでグッドデザイン賞を受賞した茶器はいくつかあり、どれも使いやすいものですが、360KYUSUの形は今までにない革新的なもの。

実際に使ってみると、おいしくお茶をいれる・洗う・収納するまでの扱いやすさや便利さはもちろん、茶葉の美しさも楽しめる点が一番のポイントだと感じています。

冷たい煎茶をいれた際の360KYUSU。茶葉が美しく見えるように樹脂素材に厚みを持たせているのだそう。
冷たい煎茶をいれた際の360KYUSU。茶葉が美しく見えるように樹脂素材に厚みを持たせているのだそう。

日本茶のプロの視点での360KYUSUの魅力

優れたデザイン性への評価がわかったところで、日本茶のプロ目線での評価ポイントを、実際に1年以上使用していて私が感じたことを元にまとめてみました。

前述の齋藤精一氏のコメントの中にある4つの点に私の所感を当てはめてみたのがこちら。

  • 「美しいものを創り出すこと」では、茶葉やお茶の色の美しさが楽しめる素材や形であること。茶道具である「棗(なつめ)」を思わせるフォルムと、湯呑みの縁の微妙なカーブに心地よさを感じる(過去記事に詳細あり)。
  • 「社会課題を解決すること」では、急須のない家庭が増え茶葉からお茶をいれて飲む機会が減っている今、茶葉を使い気軽においしいお茶がいれられるツールとして使うことで、存続が厳しいと言われている茶産業を応援することができる点。
  • 「社会を、地域を、生活をより良くする活動」では、お茶の香りも色も美しさも楽しめるということで、360KYUSUを使う人々の生活にも潤いや癒しをもたらすのではないかと感じられる点。
  • 「産業や製品を更に発展させる原動力」については、360KYUSUは海外の店舗でも使われていることから、日本茶への海外での関心がさらに高まる可能性があり、茶業界にも良い影響が生まれる可能性を感じるということ。樹脂製で匂い移りしにくいため、日本茶のみならず紅茶や中国茶、ハーブティーなど様々なお茶にも対応できる汎用性の高い茶器である。

気負わず使える茶器であり、茶葉の美しさも楽しめる点で、360KYUSUにより自然とお茶を飲む機会が増えるのではと感じています。

我が家にはゆうに20を超える茶器がありますが、360KYUSUを使うようになってからますます日本茶の楽しみ方の幅が広がりました。

360KYUSUの茶葉を眺めながらお茶を五感で楽しむ癒しの時間。仕事や家事の合間にほっとひと息いれるのにぴったりです。
360KYUSUの茶葉を眺めながらお茶を五感で楽しむ癒しの時間。仕事や家事の合間にほっとひと息いれるのにぴったりです。

もちろん常滑焼などの普通の急須もよく使いますが、茶葉を見ながらお茶を楽しみたいときは360KYUSUを使います。

特に「普通煎茶」と呼ばれる昔ながらの製法で作られた茶葉が、時間をかけてゆっくりと開いていく様子を見るのは心癒されるもの。

さらに、使い終わった後の洗い物が楽で、割れない素材で気軽にお茶がいれられるので、慌ただしい毎日でも簡単に日本茶でリフレッシュの時間が取れる。

このように、その時の気分や状況などTPOに合わせて使っています。

入れ子式で湯飲みを収納し蓋をした状態の360KYUSU(右)。左は360KYUSUの外箱。こちらは先日「2024日本パッケージングコンテスト」にて日用品・雑貨部門賞を受賞したそう。
入れ子式で湯飲みを収納し蓋をした状態の360KYUSU(右)。左は360KYUSUの外箱。こちらは先日「2024日本パッケージングコンテスト」にて日用品・雑貨部門賞を受賞したそう。

また、360KYUSUには入れ子式の湯飲みが付いているので省スペースでの収納が可能

急須が家にない方や一人暮らしの方に特におすすめです。

360KYUSUが1つあれば、日本茶のみならず紅茶やハーブティーも楽しめ、お茶をゆっくり飲む機会も増えそうです。

温かいお茶も冷たいお茶もいれられ、自然とお茶が飲みたくなる茶器だと思います。

元々はカフェでのお茶の提供のために作られた360KYUSU

360KYUSUは日本茶・抹茶をテーマにしたカフェブランド「ナナズグリーンティー」のカフェでのお茶の提供のために作られた茶器です。

カフェでの扱いや食洗機での洗浄にも耐えられるトライタンという割れにくい樹脂製で、蓋に付けられたギザギザののスリットが茶こしの役割をしています。

右の蓋のギザギザのスリットが茶こしの役割を果たしている。
右の蓋のギザギザのスリットが茶こしの役割を果たしている。

蓋をさっと洗うだけで茶葉が取れるためとても洗いやすく、乾燥もしやすいので衛生的。

自宅でも使いたい、プレゼントに購入したいなどという声に応える形で店舗やオンラインショップでも販売されており、海外での評価も高いそうです。

やはり「茶葉を見ながら五感でお茶が楽しめる」点と扱いやすさが評価されているとのこと。

ナナズグリーンティーの店内では360KYUSUで温かいお茶が提供される。写真は新メニューの能登の「クロモジほうじ茶」の一煎目をいれた状態。この他に煎茶、玄米茶、ほうじ茶、和紅茶などが楽しめる。
ナナズグリーンティーの店内では360KYUSUで温かいお茶が提供される。写真は新メニューの能登の「クロモジほうじ茶」の一煎目をいれた状態。この他に煎茶、玄米茶、ほうじ茶、和紅茶などが楽しめる。

プレスリリース【nana's green tea】「360KYUSU」が「グッドデザイン賞2024」を受賞」(外部サイト)での、360KYUSUのプロデューサーであるナナズグリーンティーを運営する株式会社七葉の代表取締役朽網一人氏のコメントでは、

この度はグッドデザイン賞を受賞させていただき光栄です。ペットボトルのお茶の需要が拡大する中、急須で茶葉からお茶を入れるという日本文化は減少しております。

何とか茶葉の需要を拡大してこの文化を次の世代にも伝えていき、生産者を応援したいという思いから急須開発をスタートしました。

日本だけではなく世界から愛される急須を目指し、シンプルかつ高機能なユニバーサルな急須が完成したと自負しております。

若い方から海外の方まで、この360KYUSUでお茶を入れる楽しさを再発見していただけたら幸いです。

とあり、開発にかける想いが360KYUSUのデザインに表れていることがわかります。

実際に筆者主催の日本茶ワークショップで使った際には、左利きの方や腱鞘炎で普通の急須は使いづらいと感じている方にも、360度どこからでもお茶が注げるためとてもスムーズに使っていただけました。

左手でも楽にお茶がいれられる360KYUSU(筆者主催の日本茶ワークショップ記録写真より)
左手でも楽にお茶がいれられる360KYUSU(筆者主催の日本茶ワークショップ記録写真より)

「日本茶を楽しむはじめの一歩」にも、茶葉でいれるお茶のハードルを下げる点でも、優れていると感じます。

今回のグッドデザイン賞受賞で注目度がアップすることから、斜陽産業と言われて久しい日本茶業界において希望の光となり得るものだと思います。

※抹茶の需要は急激に高まっていますが、煎茶などリーフの日本茶については厳しい状況が続いています。

360KYUSUで初めて日本茶に触れて親しんだ人が、もっといろいろな日本茶の茶葉を試してみたい!次は伝統的なスタイルの急須を手に入れてみたい!と感じて、そのルーツを辿る形で日本茶の文化や産業が注目され発展していく。

そのように日本茶の輪が広がっていってほしいと願っています。

360KYUSUが描く日本茶の未来

グッドデザイン賞2024受賞でますます注目が集まっている360KYUSU。

日本茶を楽しむ人が増えることで、茶葉の購入量が増え、茶産業にも良い影響が生まれるのではと期待できます。

これまで日本茶に縁がなかった方にも、ぜひ一度茶葉の美しさと楽しさ、癒しのひとときを味わえる進化系急須を体験していただきたいと思います。

宇治の普通煎茶を淹れた際の360KYUSU。葉がきれいに開いていくのが見えて楽しい。
宇治の普通煎茶を淹れた際の360KYUSU。葉がきれいに開いていくのが見えて楽しい。

使ってこそわかる魅力ある茶器。

国内外のナナズグリーンティーの店内で温かいお茶を注文すると360KYUSUでお茶が提供され、実際に使い心地を試すことができます。

360KYUSUをきっかけに日本茶を楽しむ人が日本でも海外でももっと増えるといいなと期待しています。

温かいお茶がおいしい季節。

日本茶を五感で味わってみませんか?

参考:

・プレスリリース:【nana's green tea】「360KYUSU」が「グッドデザイン賞2024」を受賞」(外部サイト)

グッドデザイン賞2024年度受賞結果(外部サイト)

日本茶インストラクター

【お茶の世界の扉を開く日本茶ナビゲーター】 日本茶専門店で7年勤務、茶道歴25年の経験を活かし、大手百貨店や外国の大学等でのワークショップで国内外2,000名以上の方に日本茶の魅力を伝える。 美味しい日本茶とそれにまつわる伝統工芸品を後世にも繋いでいきたい、日本茶への愛と想いで日本茶情報を発信中。 日本茶の商品開発、カフェ・飲食店での日本茶コーディネートや淹れ方指導も行う。 NPO法人日本茶インストラクター協会認定日本茶インストラクター(2004年取得)。 日本語教師(外国人対象)。

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