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50年以上燃え続ける「地獄の門」穴の底に極限環境生物が生息、メタンガスが噴出し続ける穴とは

2011年に撮影された燃焼部分のパノラマ写真 出典:Tormod Sandtor

人間は火を見ると、「揺らぎ」によるリラックス効果が得られるといわれています。これは、炎が心臓の鼓動と同じリズムを持っているなどの仮説が考えられています。それでは、本記事で紹介する50年以上も燃え続ける「地獄の門」に行けば、最高のリラックスを得られるのではないでしょうか?

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■油田の調査中に発生したクレータに火をつけた!?

クレーター周辺。南に100メートル離れた場所にテントが張られている。 出典:Bjørn Christian Tørrissen
クレーター周辺。南に100メートル離れた場所にテントが張られている。 出典:Bjørn Christian Tørrissen

1960年代、ソ連の技術者はトルクメニスタンの首都アシガバードから260km離れたカラクム砂漠にて、オイルの貯蔵量を調査していました。そして、油田の掘削作業をしていたところ、地下で崩落が起こり、直径70メートル、深さは30メートルにも及ぶ巨大なクレーターが形成されました。このとき、掘削のための機材などは穴の底に埋まってしまったとのことです。

クレーターからはメタンガスが噴出しており、近隣の町へ危険が及ぶ可能性があったため、技術者がガスに火をつけたのです。 当初は数週間以内に火は燃え尽きると考えられていましたが、50年経った今でもなお燃え続けています。

■名称は「カラクムの輝き」→「地獄の門」で定着

2011年に撮影された燃焼部分のパノラマ写真 出典:Tormod Sandtor
2011年に撮影された燃焼部分のパノラマ写真 出典:Tormod Sandtor

このクレーターはカラクムの輝きと命名されましたが、そのヤバすぎる見た目から地獄の門という呼び方が定着しています。今ではトルクメニスタンの一番の観光名所となっている程です。一方、周辺の生態系や住民への健康被害や、天然ガスを常に消費し続けている現状から、地獄の門を閉じようとする試みもあります。しかし、政府も検討を続けていますが、技術的に困難かつ高額なため放置されているのが現状のようです。

2014年にはナショナルジオグラフィックで放送された番組内で、探検家のジョージ・コロニス氏が人類で初めて地獄の門に足を踏み入れ、クレーターの底からの極限環境微生物の収集に成功しました。

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