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ラ・リーガの「選手登録問題」を考察。バルサ、ベティス、バレンシア...苦しむクラブと諸事情。

森田泰史スポーツライター
バルセロナに移籍したレヴァンドフスキ(写真:ロイター/アフロ)

時代が進み、各地でグローバル化が促された。フットボールの世界とて、それは例外ではない。

このような時代で、単に良い選手を集めるだけでは勝てなくなった。上を目指すクラブに求められるのは「総合力」で、なかでも重要なのが「財政管理」である。

しかしながら、スペインでは多くのクラブがその点で苦しんでいる。リーガエスパニョーラは8月12日に開幕を迎える。シーズンスタートが迫る中、選手登録の問題に悩まされているところが少なくない。

■未登録が60%以上

8月5日付のスペイン『マルカ』が、衝撃的な記事を載せている。

今夏、ラ・リーガ1部の各クラブは、トータルで80選手以上を獲得している。そのうち、60%超が選手登録を行えていない状況だ。

FKを蹴るラフィーニャ
FKを蹴るラフィーニャ写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

それが、何を意味するか。端的に、選手を獲得したが、試合に出られないという状況を招く。

問題点は、いくつかある。

第一に、ラ・リーガの開幕とマーケットの閉鎖に「ズレ」があることだ。8月12日にライ・リーガが幕を開ける一方で、今夏の移籍市場が閉まるのは9月2日である。なので、開幕時に選手登録が行えていないプレーヤーがいるというのは、避けられないかもしれない。

第二に、獲得した選手だけではなく、契約延長を行った選手も、再び選手登録を行う必要があることである。ウスマン・デンベレ、セルジ・ロベルト、クラウディオ・ブラーボ、アンドレス・グアルダード、ホアキン・サンチェスといった選手は、昨季ラ・リーガでプレーしているにもかかわらず、今季の開幕戦でピッチに立てない可能性がある。

競り合うイスコとバルトラ
競り合うイスコとバルトラ写真:ロイター/アフロ

バルセロナ、ベティス、セビージャ、ラージョ・バジェカーノ、バジャドリー、ビジャレアルはこの夏の選手と黒く数が「ゼロ」である。また、バレンシアはウーゴ・ドゥーロのみだ。

特に、バルセロナ、ベティス、バレンシアは非常に苦しい状況に置かれている。

■カソ・デ・バルセロナ

まず、カソ・デ・バルセロナ(バルセロナのケース)である。

バルセロナは今夏、ロベルト・レヴァンドフスキ、ジュール・クンデ、パブロ・トーレ、フランク・ケシエ、アンドレアス・クリステンセン、ラフィーニャを獲得した。しかし、現時点で誰一人として登録できていない。

選手登録を行うため、バルセロナはテレビ放映権の25%を25年間、アメリカの『シックスス・ストリート』に譲渡している。それと引き換えに、およそ6億ユーロの資金を得たとされている。

だが、それでは足らなかった。加えて、『バルサ・スタディオ』の24.5%を『ソシオス.コム』に売却。代わりに1億ユーロを得た。

バルセロナはこれで全選手の登録が可能になると踏んでいる。現在、ラ・リーガの返事を待っている状況だ。ただ、そうならなかった場合、さらに『バルサ・スタディオ』の24.5%を売却するか、主力選手(筆頭候補はフレンキー・デ・ヨング)を売るという選択肢を検討する必要がある。

■カソ・デ・ベティス

次に、ベティスのケースだ。

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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