雨の大学入試共通テスト 寒暖差疲労に注意
寒暖差疲労
秋から冬、冬から春など、季節の変わり目は、大きな気温差がでることから体がだるくなったり、頭痛やめまいがするなどの体調不良になることがあります。
自律神経のバランスが崩れることが原因といわれ、年を取るとこの傾向がおきやすいといわれていますが、放置しておくと、ウイルスに対して免疫力や抵抗力が落ちる懸念がある現象です。
寒暖差疲労といわれているものですが、今年、令和5年(2023年)は季節の変わり目ではなく、冬のさなかで起きています。
4月並みの最高気温
晴天をもたらした大きな高気圧が東進し、大陸から日本海に前線が伸びてくる見込みです(図1)。
このため13日(金)は、西日本から雨の範囲が広がり、夜は北陸や東海でも雨が降りそうです。北日本も日本海側を中心に雲が多くなる予想です。南西諸島は、にわか雨の所があるでしょう。
そして、前線に向かって暖気が北上し、全国的に季節外れの暖かさになる見込みです(図2)。
金沢の最高気温の予想は18度と4月中旬の気温です。
また、札幌の最高気温の予想は9度と4月上旬の気温予報など、各地で3月中旬から4月上旬の気温となっています。
少し前までは寒気が南下し、平年の真冬並みの寒さだったので、急激な気温上昇です。
アメダスの観測によると、青森県酸ヶ湯で2メートルを超えるなど、北日本や東日本の山間部では1メートル以上の積雪となっています(図3)。
積雪の多い地域でも気温がかなり上昇しますので、雪崩や屋根からの落雪に十分注意してください。
季節はずれの温かさの雨
令和5年1月14日(土)と15日(日)は、大学教育で必要とされる「思考力・判断力・表現力」等を多面的・総合的に評価する試験、つまり、大学入試共通テストが実施される日です。
大学入試共通テストが始まる14日(土)は、全国的に気温が平年より高くなりますが、本州を横断する前線の影響で、ほぼ全国的に雨が降る見込みとなっています(図4)。
試験に万全の態勢で臨むため、大きな気温変化で体調を崩さないように注意し、当日は時間的な余裕を持ち、雨具を持参して日ごろの力を発揮してください。
西日本では、この時期として多い100ミリ以上の雨が降る見込みです(図5)。
東日本太平洋側の雨は、量はそれほど多くないと思われますので、雨が降るといっても、続いている東日本太平洋側の乾燥状態は、解消されないと思われますので、引き続き火の取り扱いには十分に注意をして下さい。
ただ、続いている東京の無降水の継続日数は、この雨で途切れる見込みです。
東京で気象観測が始まったのは、明治8年(1875年)6月5日以降ですが、無降水(雨が一滴も降らない)の継続日数の統計は明治19年(1886年)からです。
この137年という長い歴史の中で、令和4年(2022年)12月23日から続いている無降水日数は、1月12日で21日となり、歴代2位タイになりました。
1月14日も無降水なら23日間となり、昭和31年(1956)12月10日から昭和32年(1957年)1月1日までの23日間と並ぶ1位タイとなります。
東京の天気予報は、14日は曇り、15日は曇り一時雨ですが、大学入試センタ―試験が行われた平成2年(1990年)から令和2年(2020年)までの31年間と、大学入学共通テストが行われた令和3年(2021年)、令和4年(2022年)の33年間、のべ66日の東京の天気は圧倒的に晴れの日が多くなっています。
東京の試験日(33年間、のべ66日)の天気
晴れ43日(65パーセント)
くもり13日(20パーセント)
雨 5日(8パーセント)
雪 5日(8パーセント、みぞれを含む)
来週の寒気南下
共通テストの日に雨をもたらした低気圧が通過した後、北日本を中心に今冬一番かもしれない強い寒気が南下してくる予報です。
日本上空約1500メートルの気温分布をみると、1月13日朝にサハリン南部から千島南部にあった氷点下6度線は、16日(月)朝には福島県から能登半島まで南下してきます(図6)。
上空約1500メートルで氷点下6度という気温は、降水があれば雪となる目安となっていますので、北日本や北陸地方は、4月並みの気温から真冬並みの気温に一気に下がって大雪の心配がでてきます。
気温差が大きな一週間ですが、一日の内でも、早朝と日中で大きな気温差があります。
気象情報の入手に努め、こまめに服装で調整し、生活リズムを整えるなどして寒暖差疲労に陥らないよう注意してください。
タイトル画像、図3、図5、図6の出典:ウェザーマップ提供。
図1、図2の出典:ウェザーマップ提供資料に筆者加筆。
図4の出典:気象庁ホームページ。