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埼玉・越谷で大規模竜巻か

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
竜巻を発生させた非常に発達した雨雲(黄緑色の丸)

きょう(2日)午後2時ごろ、埼玉県越谷市で竜巻とみられる突風が発生しました。多数の住宅の屋根が飛び、簡易的な建物が吹き飛んでいる様子から、竜巻の強さは藤田スケールでレベル2に相当する可能性があります。

当時、越谷市では34度まで気温が上がり、上空には寒気があって、雨雲が発達しやすい気象条件でした。

越谷市の最高気温 34.0度、上空5880メートルの気温 -5.5度

地上と上空の気温の差が大きければ、大きいほど、大気の状態が不安定といいますが、当時の気温差は約40度と、非常に大きいものでした。

今回は、漏斗雲から垂れ下がる、回転する雲「竜巻」の目撃が複数あることから、竜巻が発生したことは間違いないでしょう。通常は竜巻の目撃がない場合が多いので、後日、気象庁の現地調査によって、竜巻か、ダウンバーストか、など突風の原因を決めます。

また、どのくらいの強さの風が吹いたのかといった、竜巻の強さは被害状況から判断します。

【藤田スケール 0】 17~32m/s

テレビのアンテナなどの弱い構造物が倒れる。小枝が折れ、根の浅い木が傾くことがある。非住家が壊れるかもしれない 。

【藤田スケール 1】 33~49m/s

屋根瓦が飛び、ガラス窓が割れる。ビニールハウスの被害甚大。根の弱い木は倒れ、強い木は幹が折れたりする。走っている自動車が横風を受けると、道から吹き落とされる。

【藤田スケール 2】 50~69m/s

住家の屋根がはぎとられ、弱い非住家は倒壊する。大木が倒れたり、ねじ切られる。自動車が道から吹き飛ばされ、汽車が脱線することがある。

上記は気象庁が竜巻の強さを決めるとき使っている「藤田スケール」です。これと越谷市の被害を比べると、藤田スケールでレベル2の強さだった可能性があります。 これだけの規模の竜巻は昨年5月に茨城県つくば市で起こった竜巻被害に次ぐもので、今回は大規模な竜巻だったといえそうです。

さらに、詳しい竜巻の解説は、

増田雅昭さん 「埼玉・千葉で竜巻発生 竜巻は増えているのか?」

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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