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この冬は冬らしい冬になる 寒さに備えを

片山由紀子気象予報士/ウェザーマップ所属
25日(月)朝の最低気温の予想、濃い青色は氷点下を示す、ウェザーマップ作画

 25日(月)朝は、全国のほとんどの地域で10度を下回る強い冷え込みとなる見通しです。東京都心の最低気温は6度予想で、一週間連続で10度未満となるでしょう。冬ものコートの始まりは昨年よりも一週間程度遅くなりました。

【服装と気温の目安】イラスト:フクハラミワ、ウェザーマップ作画
【服装と気温の目安】イラスト:フクハラミワ、ウェザーマップ作画

 

 この時期の東京の最低気温は平均すると7度くらいですから、特別な寒さではないのですが、もしも寒く感じたら、今年の冬はより冬らしく感じるかもしれません。

なぜ、冬らしい冬になるのか

 この冬の天候見通しによると、12月~2月の平均気温は全国的に平年並みの予想です。冬の間はラニーニャ現象が発生するため、冬型の気圧配置が強まりやすい見通しです。

気象庁3か月予報(12月~2月)の平均気温の予想、ウェザーマップ作画
気象庁3か月予報(12月~2月)の平均気温の予想、ウェザーマップ作画

 平年並みの冬ならば、特別な寒さはないと思ってしまいますが、実は平年並みの冬はけっこう寒いのです。

 昨冬(2024年冬)は大規模なエルニーニョ現象の影響で、記録的な暖冬となりました。深刻な雪不足で、冬のイベントが縮小や中止になったことを思い出します。

 そして、2023年冬は12月後半から度々、強い寒気が日本列島に流れ込みました。年末は新潟県を中心に大雪となり、1月下旬は東海や近畿地方で大雪被害がありました。天気ノートにはそのときの雪の記録が残っています。

【冬の平均気温の平年との差を示した図】上図は2024年冬(2023年12月~2024年2月)、下図は2023年冬(2022年12月~2023年2月)、気象庁ホームページより
【冬の平均気温の平年との差を示した図】上図は2024年冬(2023年12月~2024年2月)、下図は2023年冬(2022年12月~2023年2月)、気象庁ホームページより

 

 さぞかし平均気温は低かった思いきや、平均すると平年並みの気温です。寒暖差が大きかったこともありますが、平年を上回る気温が当たり前になっていることが背景にありそうです。

寒さに備えを

 この冬の特徴は西日本と東日本で冬の季節風が強いことです。ラニーニャ現象の影響で、インドからフィリピン付近にかけて、低気圧性の風の流れが明瞭になり、そこに向かって北寄りの風が強まる予想です。

【気象庁3か月予報(12月~2月)予測資料】850hPa流線関数と風、気象庁TCCホームページより、「赤道」「日本」と水色の矢印は筆者が加えた
【気象庁3か月予報(12月~2月)予測資料】850hPa流線関数と風、気象庁TCCホームページより、「赤道」「日本」と水色の矢印は筆者が加えた

 冬の季節風は北極から寒気を運んできます。冬らしい冬になる理由はここにあります。小春日和もあとわずか、寒さが本格化する前に、冬支度を済ませたいものです。

【参考資料】

気象庁:3か月予報(12月~2月)、2024年11月19日

気象庁ホームページ:過去の地域平均気候データ(図表)

気象庁TCCホームページ

気象予報士/ウェザーマップ所属

民放キー局で、異常気象の解説から天気予報の原稿まで幅広く天気情報を担当する。一日一日、天気の出来事を書き留めた天気ノートは128冊になる。365日の天気の足あとから見えるもの、日常の天気から世界の気象情報まで、天気を知って、活用する楽しみを伝えたい。著作に『わたしたちも受験生だった 気象予報士この仕事で生きていく』(遊タイム出版/共著)など。

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