竜巻は増えているのか?
2日午後2時頃、埼玉県越谷市や千葉県野田市で、竜巻が発生しました。
たしかに積乱雲は通過していましたが、大気の安定度など、飛びぬけて竜巻が起こりやすい状況ではありませんでした。それでも起こってしまう竜巻を、事前に捕まえることがいかに難しいか、改めて感じさせられます。
国内で確認された竜巻の発生数は、近年では一年で平均して約20個です。
気象庁が公表している、年別の竜巻発生確認数を見ると、近年増えているように見えます。これをもとに「竜巻は増えてきている」と報道されることもありますが、実は、近年の竜巻発生確認数の増加は、一般の方の目撃情報など情報源が増えたためです。
このように観測収集方法などがこれまで何度か変わっているため、国内の長期的な竜巻の増減を客観的に判断するのは難しいものがあります。
仮に今と同条件で続けられたとしても、竜巻が増えているかどうかを観測から判断できるのは、あと数十年などかなり時間がかかるでしょう。スパコンなどによる予測もありますが、観測に勝るものはありません。
今回は、気象庁が確認した陸上の竜巻では、今年9個目のものです。統計的に考えると、今年中にまた日本のどこかで起こるはずです。
季節的には、秋が発生のピークで、台風の接近や、前線・寒気の南下などが、しばしば原因になります。
事前に捕まえるのが難しい以上、雷雲が近づいた時は「竜巻など突風が起こってもおかしくない」と常に考える必要があると思います。
■埼玉・越谷で大規模竜巻か- 片山 由紀子
■台風17号 上陸の恐れも 懸念される大雨と竜巻- 増田 雅昭