秋山投手はシート打撃初登板で「開幕照準」に変更なし《阪神・安芸キャンプ》
阪神タイガースの春季キャンプは宜野座、安芸とも12日で第3クールが終わりました。安芸では残念ながら11日が雨で、まだ試合は行われていません。ゲーム出場可能な野手が全部で11人しかいないため紅白戦もできないんですよね。宜野座では11日に2度目の紅白戦があり、14日にはいよいよ初の対外試合(楽天との練習試合)が行われます。スタメンはこちら。
1(指)江越、2(二)糸原、3(遊)北條、4(三)大山、5(一)中谷、6(右)板山、7(左)高山、8(捕)梅野、9(中)近本、(投)望月
安芸組は16日に西武B班(ファーム)との練習試合が予定されています。それに向けて、きのう12日は今キャンプ2度目のシートバッティングを行いました。投手は6人で、投げた順に岩田稔投手、岡本洋介投手、石井将希投手、牧丈一郎投手、福永春吾投手、秋山拓巳投手。福永投手以外はシートバッティング初登板です。
シートバッティングの結果
では結果をどうぞ。ちょうど打球が飛んだところの守備がアルバイトくんだったりして、実際はヒットではないかも…というところもありますが、取材陣で相談のうえ決めました。ご了承ください。
岩田 打者6人 22球
【熊谷】 三塁線を破る二塁打
【陽川】 投ゴロ
【小宮山】右邪飛
【森越】 中前打
【俊介】 ピッチャー強襲のセカンド内野安打
【山崎】 サード強襲内野安打
岡本 打者5人 17球
【荒木】 中前打(初球)
【藤谷】 空振り三振(3球)
【小幡】 遊ゴロ
【片山】 一直
【伊藤隼】三ゴロ(藤谷ナイススロー)
石井 打者6人 23球
【熊谷】 セカンド内野安打
【陽川】 右中間三塁打
【小宮山】遊ゴロ
【森越】 空振り三振
【俊介】 遊ゴロ
【山崎】 四球
牧 打者5人 16球
【荒木】 左前打(初球)
【藤谷】 一飛
【小幡】 空振り三振
【伊藤隼】中越え三塁打(初球)
【片山】 見逃し三振
福永 打者8人 22球
【荒木】 右前打(エンドランの初球)
【伊藤隼】中前打
【陽川】 左前打
【山崎】 遊ゴロ
【荒木】 左前打
【伊藤隼】右翼線二塁打
【陽川】 左前打(初球)
【山崎】 四球
秋山 打者9人 31球
【熊谷】 見逃し三振
【森越】 空振り三振
【俊介】 右中間三塁打
【藤谷】 左前打
【小幡】 一ゴロ
【熊谷】 空振り三振
【藤谷】 左飛
【森越】 左飛
【俊介】 中前打
打者の結果 (数字は打数-安打)
【熊谷】 4-2
【陽川】 4-3
【小宮山】2-0
【森越】 4-1
【俊介】 4-3
【山崎】 2-1
【荒木】 4-4
【藤谷】 3-1
【小幡】 3-0
【片山】 2-0
【伊藤隼】4-3
問題なく投げられ、体も順調
では最初に秋山投手の話をご紹介しましょう。取材陣が囲んだ時、俊介選手の右中間三塁打について聞いてみると「あれヒットですか?球はよくなかったけど、ライトフライかなあと。まあどちらでも大丈夫です」と笑っていたので、すみません。三塁打にします。
シート打撃初登板、感覚はどうですか?「感覚はまだまだですけど、とりあえず問題なく投げられたので、今の段階ではよかったと思います」。空振りもいくつかあり、三振を3つ奪っていますね。「内容は特に気にせずでした。まだブルペンでも、そんなに対バッターを想定して投げることが少ないので評価はしづらいですけど、とりあえず問題なく投げられたので、これから精度を上げられるようにやっていけたら」
今後も実戦形式で?「そんなに頻度多くはやれないですかねえ。ブルペンで打席に立ってくれる人が足りないので…。1軍と違って審判もいないし、立ってくれる人がいないと感覚は難しいですけど」。今月後半からは試合も増えてきます。これまで話していたように、照準は開幕に合わせて?「一応、逆算して進んでいるので。きょう投げて、あす以降に問題がなければ次に行ける。これから精度を上げていくと思います」
ここまで順調?「体に関しては順調です。対バッターも久々だったので、そのへんの感覚はまだまだ。片山とも、何も話していない状態、僕の球をわからない状態で、言い方は悪いですけど“ただ投げただけ”という感じだったので。次はいろいろやりたいことをやれたらいいですね」
「球で教えてもらった」と片山捕手
平田勝男監督は秋山投手について「順調に来てるんじゃない?本人も開幕ローテに入りたいと頑張っているけど、まだ2月12日やから。バッピとは違うバッターとの感触をちょっと楽しみながら、久しぶりだなあというのを確かめているところだよ」と振り返りました。
監督から見てボールはいっていた?「左バッターのインコースとか、狙ったところにいっていた。カーブも交えながらね。30球という目安の中で、課題を持ってやっていたと思うよ。ヒット何本とか、結果じゃない」。2月中にゲーム登板の可能性もあるかと聞かれ「十分あるんじゃない?きょうシート、もう次は実戦か、またシートか。そこはトレーナーに聞いて。これからは実戦でゲーム勘を取り戻すところだね」と平田監督は話しています。
香田勲男投手コーチも「順調にきていると思いますよ。そのあとのことはリハビリの人に聞いてください。投げることに関しては問題ないと思います」とのことでした。
秋山投手と初めて組んだルーキー・片山雄哉選手のコメントです。「インコースも狙って投げているという意図を感じました。あ、そういうパターンもあるんだなと、“球で教えてもらった”部分があります。そのあとも反省として色々教えてもらい、1軍の第一線で投げてきた実績もあって、これが1軍でやるために必要なことなんだと感じました。考えるのがキャッチャーの仕事なのに、ピッチャーも考えていて。圧倒されます」
2年目も2投手も今季初シート
ことし初めてのシート打撃登板に、石井投手は「1球1球はまだバラバラしていたけど、球自体は悪くなかったです」と言っています。「前まではクイックとワインドアップの差がかなりありましたが、きょうは比較的(差がなく)両方投げられたのでよかったです。ボール球は多かったけど、ここまで順調です」
牧投手は昨年のキャンプでは未経験だったので、これがキャンプ初シート打撃ですが「きょうはダメでした」と少し溜め息。球種は何を?「真っすぐとフォーク、カーブを投げました」。ちなみに小幡選手から奪った空振り三振と、片山選手の見逃し三振はフォークだったそうです。ここまでどうですか?「まあボチボチです」。ボチボチって答える19歳に笑ってしまいました。
でも1年目と比べたら、キャンプ自体も違うでしょう?「去年とは全然違いますよ。去年は何もわからなかったけど、ことしは流れをわかって練習できるので、そこは全然。それに1年経って成長していなかったら困りますもんね」。そろそろ練習試合にも投げてくると思われます。ご期待ください。
4安打の荒木、走塁を見せた小幡
さて打つ方の話もしなくちゃいけませんね。荒木郁也選手が4安打を放ち、しかも3本が初球打ちでした!そう言うと平田監督は「バッターは荒木だね!嵐じゃなくて荒木。巻き起こせ!アラキ~アラキ~だよ!」と声を大にしています。このフレーズ、キャンプイン当初からお気に入りのようですね(笑)。そんな荒木選手の初球打ちには「ちゃんと心と体の準備ができているからだよ。それが超積極的」と高評価でした。
またシートバッティング後半では、アウトカウントと走者を設定して熊谷敬宥選手や小幡竜平選手を走らせる場面も。そこで、福永投手が投げ伊藤隼太選手が打席に入った時、小幡選手は初球で二盗を決めると、続く低めのボール球(ワンバウンドしたかも?)で三塁へ。さらに伊藤隼選手の中前打でホームへ滑り込んでいます。
平田監督は「小幡は非凡なものを持っているね。走ることにセンスを感じるよ。大きな武器になる」と言い、18歳でも遜色ないかと聞かれて「走塁はないね。いいセンスをしているなっていうのを感じる。パッとスチールしよるもん!セカンドに行っても雰囲気があったね。三塁を狙うよ、という雰囲気が」と、楽しみな様子です。
小幡選手に走塁でアピールできましたか?と尋ねたら「一番間近で熊谷さんという選手がいるので、見て学べますね。近い存在なので、どんどん吸収していきたいです」というコメント。やっぱり熊谷先輩はすごい?「はいっ!スタートの良さも、スライディングも。スピードを殺さず、いかにいいスライディングができるか、だと思うので」
自分自身のことはどうですか?走塁にセンスを感じると平田監督も言っていますが。「うーん、でも僕は“勘が悪い”ので…」。勘?「判断力、ですかね。それが高校時代に盗塁できなかった1つの理由です」。確かに盗塁は走力だけでなく、決断力や判断力も大きな要因になります。そのあたり実戦で見てみたいものです。早く試合がしたい?と聞いたら「はいっ!」と笑顔が返ってきました。
<掲載写真は筆者撮影>