十五夜と中秋節を同時に味わう「お月焼と弘巌月餅」で巌邑堂さんのお洒落な息吹と秋を美味しく満喫
大胆なナッツ類とそっと潜むクランベリー今年の十五夜は9月29日。今年最後の美しい満月と称されるということや、金曜日の夜ということもあり、イベントの告知もちらほらみかけるような季節になりました。
さて、そんな9月29日は十五夜だけでありません。実は中国では春節に続く大きな祝日、中秋節という大切な日でもあります。横浜や神戸、長崎などの中華街でも華やかなイベントが企画され、観光客のみならず現地で暮らす中華系の方々にとっても楽しみなのだとか。その中秋節に食べられるのが月餅。中華街のお土産でもお馴染みですね。
そんな十五夜の和菓子と中秋節の月餅を同時にいただく、なんて欲張りな9月29日を過ごしてみてはいかがでしょうか?今回ご紹介するのは、静岡県に本店を構える老舗和菓子屋「巌邑堂」さん。和のセンスがキラリとひかる和菓子が揃う名店から、和に洋を加えた「お月焼」と、和に中華を加えた「弘巌月餅」をご紹介。
「お月焼」の満月の形にくり抜かれた芋羊羹に映える白い兎さんに思わず一目ぼれ。イチオシはお尻のまんまるなしっぽです。
静岡県浜松産の紅あずまを蒸かして丁寧に裏ごしなさったさつまいもを使用した芋羊羹は、紅あずまならではのほくほくとした豊かな食べ応えを残しつつ、仄かに洋のテイストも醸し出す味わい。
その秘密は焦がしバター!バターを加えたスイートポテトは数あれど、焦がしバターをプラスした芋羊羹は他に類を見ないのでは。素朴な芋羊羹と形容するには勿体ないような、かといってしつこくない、奥行のある味わいです。表面をカラメルで焼いていらっしゃるというのも香ばしくて病みつきに。
「弘巌月餅」から漂う軽快な香り。私がイメージしていた月餅と異なる印象は、表面に施されているココナッツオイル。ほろほろとした歯応えで口の中で踊るのは、ピスタチオや胡桃などのナッツ。数回その食感を噛みしめていると、ひょっこり顔を覗かせたクランベリーの可愛らしい酸味!ナッツとクランベリーの相性は抜群です。
また、中の白餡は一般的な手亡豆ではなく白小豆。希少性もさることながら、香ばしさや風味づけに使用された国産ウィスキーの芳しさをそっと支えてくれるような餡子です。
和菓子屋さんの月餅、しかも巌邑堂さんのお洒落でひねりのきいた月餅はプレゼントとしても好適品。真っ白で洗練された都会的な印象の外箱は、高級感と気品をも感じられるような気がします。
お月焼は店舗のみの販売ですが、弘巌月餅はオンラインでも購入可能です。