メッシ、エムバペ、ネイマールの「共創」を再考。破壊的な3トップは成立するのか。
攻撃的なフットボールは、大衆の関心を引きつける。
この夏、キリアン・エムバペがパリ・サンジェルマンと契約延長を行ったというニュースは話題を呼んだ。2021−22シーズン終了時に契約満了を迎えることになっていたエムバペには、レアル・マドリーが触手を伸ばしていた。
だがエムバペはパリに残った。2025年夏までの新契約を締結して、「フランスの顔」としてチャンピオンズリーグ制覇に挑む決意を固めている。
昨年夏、リオネル・メッシがパリ・サンジェルマンに移籍した。サラリーキャップの問題でバルセロナ退団を余儀なくされたメッシの獲得に、素早く動いたのがパリであった。
メッシ、ネイマール、エムバペ。かくして、パリに世界最強クラスの3トップが誕生した。
問題は、彼らの共存と共創である。
メッシ、ルイス・スアレス、ネイマール(バルセロナのMSN)とガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスティアーノ・ロナウド(レアル・マドリーのBBC)はスペインと欧州で一時代を築いた。
だが、現代フットボールの戦術的傾向から、強力な3トップを擁するのは年々厳しくなってきている。
メッシ、ネイマール、エムバペが起用される際、スタメンから外されるようになったのはアンヘル・ディ・マリアだ。
ディ・マリアはウィングとしても中盤の選手としてもプレーできる。ハードワークを厭わず、サイドでアップダウンができて、連動したプレスの一員になれる。先述の「BBC」で、カルロ・アンチェロッティ監督がディ・マリアをCMF起用してマドリーを成功に導いたのは皮肉な話である。
ただ、ここでは、ディ・マリアをうまく使えるかどうかというのはテーマではない。「ディ・マリア的な」選手が不在の中で、どのようにチームを作るか、だ。
メッシ、ネイマール、エムバペの3トップ起用では、メリットとデメリットがある。
メリット: カウンターのスピードと突破力
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