【最新グルメ】Little Pie Factoryが提案するパイ食べ歩き
食べ歩きする食べ物
食べ歩きする食べ物として何を思い浮かべるでしょうか。
ハンバーガーが圧倒的に多いのではないかと思いますが、他にもフレンチフライやサンドウィッチ、おにぎりや鯛焼き、クレープやドーナツ、ジェラートなど色々な食べ物が挙げられます。
ここでパイを挙げたら驚かれるのではないでしょうか。
パイの食べ歩きという、新しい食のライフスタイルを提案するパイ専門店「Little Pie Factory」(リトル・パイ・ファクトリー)が11月7日に広尾でオープンしました。
新業態のパイ専門店
Little Pie Factoryを運営するのは「ブラジル料理「シュラスコ」はサッカーワールドカップのブラジル代表を超えられるか?」でもご紹介した、クリエイト・レストランツ・ホールディングスです。昨年度の発表では売上高525億円、ブランド数155を誇り、一昨年度と比べて売上高が1.5倍にも伸長している勢いのあるレストラングループです。
レストランを中心に運営していましたが、どうしてパイ専門店を出店するに至ったのでしょうか。
サブチームリーダー 松下知美氏に問うと「アメリカやオーストラリアでは日常的にパイが食べられている。しかし、日本ではハンバーガーは日常的に食べられているのに、パイはあまり食べられていない。また、ドーナツやワッフル、パンケーキの専門店はあるが、パイ専門店は見掛けられない。そのことをとても残念に感じていた」とパイに焦点を当てた理由を答えます。
他では見掛けられない新業態であるだけに、店舗開発は簡単に進むものではありません。
これに対して松下氏は「グループ全体で150を超えるブランドを有しており、高級日本料理からビストロやイタリアン、ブッフェやフードコートまで、多様な業態を開発し、運営している。これまでに培ってきたノウハウを生かし、店舗開発に6ヶ月かけ、満を持してオープンした」と述べます。
カジュアルに楽しんでもらいたい
続けて「パイをもっとも身近に楽しんでいただきたいので、カジュアルに食べていただくことが重要であると考えた。ハンバーガーを包む袋でパイをご提供し、手で持って気軽に食べられるようにした」と述べます。
「近くに有栖川公園もあるので、散歩しながら食べるのも、ベンチに座って食べるのもお勧め。生地は特別な配合でサクサク感を大切にしており、冷めてもおいしく食べられるようになっている」と楽しみ方を提示する一方で、「もちろん、ナイフとフォークをお出ししたり、店内で食べていただいたりすることもできる」と補足します。
手に持って食べ易いのかどうかと訊くと「手が小さい女性でも持ち易く、適度な重量感もある」と答え、「パイの直径は6.5センチ、8センチ、9センチ、10センチ、12センチと様々な大きさで試作してきた結果、8センチに決まった」と自信を持ちます。
15種類ものパイ
どのようなパイを取り揃えているのかを問うと、松下氏は「常時15種類程度のパイをご用意しており、月替わりのパイもある。スイーツ系が6割で、食事系が4割程度。月替わりのパイとして、11月ではターキー&きのこをご提供している」と紹介します。
キッチンでパイを作るサブチームリーダー 馬場本一裕氏は「アップルパイとミートパイが看板メニュー」と切り出し、「アップルパイは特殊な製法で味を入れたフレッシュなリンゴとコンポートしたリンゴを包んでいるので、瑞々しさがあり、食感も香りもよい」とこだわりを説明し、「リンゴの品種はあえて固定せず、その季節で最も相応しいものを選んで使っている。少しずつ味や食感が変わってくるので、リピーターのお客さまにも飽きずに食べていただける」と述べます。
また「ミートパイはオーストラリア産牛肉と国産豚肉の様々な部位を使って、肉汁が感じられるようにした。肉の味わいを存分に楽しめるので、お肉好きの方にも必ずご満足いただける」と力を込めます。
おいしいを発しない
執行役員 FW プロジェクト室長石井克二氏は「レストランのメニューをいくつも開発してきた経験から、お客さまはおいしい時に必ずしも『おいしい』という言葉を発しているとは限らないことに気が付いた。例えば、ステーキを食べた時には『柔らかい』とよく表現するが、これは<おいしい>ということに他ならない」と説明します。
続けて「パイであれば<おいしい>ことは何であるのかを日々考え続けたところ、生地が『サクサク』であることではないかという結論に至った。また、肉は『ジューシー』であることが<おいしい>ことであると考えているので、ミートパイは肉汁にこだわっている」と展開します。
誰もが体験できるちょっとした贅沢
石井氏は「実はこれまでに開発してきた店舗は居酒屋やダイニングバーなど夜の業態ばかりであった。Little Pie Factoryはそれとは正反対で、朝から活気ある健康的な業態」と笑って振り返りながらも、「ふらりと訪れ、パイを買って食べ歩く。そんなパイ専門店による新しいライフスタイルのご提案によって、<誰もが体験できるちょっとした贅沢>を実現したい」と真剣な面持ちで語り、今後の展開については「店舗の拡大は考えておらず、まずはここで成功することが何よりも重要」と慎重に話します。
パイはその昔、肉などを保存するためのライ麦で作られた厚い容器だったといいます。それが時を経て、調理に適した型や皿ができあがり、食味も進化し、パイそのものが食べられるようになったということです。
かつてヨーロッパ人が単なる容器として捉えて見向きもしなかったパイが調理器具の発展によりおいしい食べ物へと昇華したように、現代において日本人があまり関心を示さずにいたパイが専門店によるライフスタイルの提案によって日常の食べ物へと普遍化していくのでしょうか。
この秋からは広尾の街を行く人々に注目してください。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考
Little Pie Factoryについてはスイーツ図鑑にも詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。