正遊撃手がいるのに「遊撃以外は守ったことのないベテラン」を迎え入れた理由は!?
シカゴ・ホワイトソックスからFAになったエルビス・アンドゥルースは、そこから数ヵ月を経て、ホワイトソックスへ戻る。ESPNのジェフ・パッサンらが、契約の合意を報じている。USAトゥディのボブ・ナイテンゲールによると、契約は1年300万ドルだという。
昨年の8月半ば、オークランド・アスレティックスに解雇されたアンドゥルースは、ほとんど間をおかず、ホワイトソックスに迎えられた。当時、ホワイトソックスは遊撃手を必要としていた。遊撃を守っていたティム・アンダーソンが、8月上旬に左手の中指を痛めて離脱。結局、そのまま復帰できずにシーズンを終えた。
ただ、ホワイトソックスは、年俸1250万ドルの球団オプションを行使し、アンダーソンを残留させた。アンダーソンは、開幕からプレーすることができる。それだけでなく、USAチームのメンバーとして、来月のWBCに出場する予定だ。
2009年のメジャーデビュー以降、アンドゥルースは、3チームでプレーしてきた。ホワイトソックスだけでなく、その前のテキサス・レンジャーズとアスレティックスでも、遊撃以外の守備についたことはない。
にもかかわらず、ホワイトソックスがアンドゥルースを呼び戻したのは、パッサンやナイテンゲールがツイートで触れているように、二塁を守らせるためだ。
昨年、ホワイトソックスは、二塁手を固定することができなかった。オフに入っても、レギュラーを決めかねる状況は続いていた。ジ・アスレティックのケン・ローゼンタールやNBCスポーツ・シカゴのライアン・テイラーによると、ホワイトソックスはニッキー・ロペス(カンザスシティ・ロイヤルズ)に興味を示していたという。彼らがそう報じたのは、先月下旬のことだ。
アンドゥルースは、ロペスに次ぐ「プランB」だった可能性もある。
ウィンター・リーグなどは不明だが、アンドゥルースが二塁を守るのは、プロ1年目の2005年以来かもしれない。アトランタ・ブレーブス傘下のルーキー・クラスで、2イニングだけ、二塁の守備についている。今回の契約交渉に際しては、当然ながら、ポジションについても話し合ったと思われる。
なお、昨年、アンドゥルースは、ホワイトソックスで43試合に出場し、出塁率こそ.309ながら、9本のホームランを打った。もっとも、二塁の守備は問題なくこなせたとしても、パワーの継続には疑問が残る。アンドゥルースのシーズン本塁打は、2017年の20本が最多だ。