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住宅ローンの繰上げ返済と資産運用、どちらを優先すべき?

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
(写真:アフロ)

iDeCoの掛金額を減らして住宅ローンの繰り上げ返済に回した方か、など住宅ローンの繰上げ返済と資産運用のどちらを優先すべきか迷うところです。今回は借金返済によって金利を浮かせるべきか、資産運用を優先すべきかについて考えていきましょう。

住宅ローンの繰上げ返済と資産運用、どちらを優先すべき

住宅ローンの返済に関しては計画を立てて、遅くとも退職前には完済をしましょう。65歳で退職をするつもりなら、それまでに完済をすると老後プランを立てやすいです。

投資でお金を増やすのは不確実です。株式や仮想通貨などへの投資は、大きく儲かる可能性もありますが、多額の損失が出る可能性もあります。投資をする余裕があるならば、まず住宅ローンの繰り上げ返済優先で、確実に利息を減らすというのがセオリーです。

しかし、現在は低金利でかなり低い金利で住宅ローンを組むことができます。加えて住宅ローン控除を適用している人も多いでしょう。住宅ローン控除を受けている場合、年末の残高を減らすと受けられる控除が減る場合もあります。

また、税制メリットの大きいiDeCoの拠出額を減らすと税金のメリットは減るので注意は必要です。

一気に繰上げ返済をする方が良いか、迷ったときはファイナンシャルプランナーや税理士などのプロに相談をするのも一つの手段です。詳しくシミュレーションをしてみないとどちらが得か分からないケースも多いからです。

繰上げ返済は早期に行う方が金利を削減させられる効果が大きいです。変動金利で借りている人は特に元本を減らしておき、将来的な金利上昇に備えて住宅ローンのリスクを小さくしておくことが重要です。

期間短縮型の繰上げ返済を進めて、教育費が比較的小さい子供が小学校や未就学児の間に返済期間を短くしていくなども考えられます。子供が高校以降だと教育費が重くなり住宅ローンの繰上げ返済が難しくなるからです。

iDeCoは原則として60歳まで引き出しができないという大きなデメリットもあるのでそれを十分に理解した上で利用する必要性があります。途中、繰上げ返済や教育費に回すことができず、あくまでも老後の資産形成のための手段となります。メリット、デメリットを比較し、個別にシミュレーションをした上で数字的にどちらを優先すべきかハッキリさせることをお勧めします。場合によってはコンサルティング料を支払ってプロに相談をするのも一つです。

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シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

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