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北九州に「ホリエモン球団」誕生。その名も「フェニックス」【九州アジアリーグ】

阿佐智ベースボールジャーナリスト
新球団の経営陣。堀江氏の左隣が社長に就任する槇原氏(福岡北九州フェニックス提供)

 先週の九州アジアリーグ(KAL)にビッグニュースが飛び込んできた。

 22日未明、リーグ代表理事の田中敏弘氏のSNSから来季からの参入を目指して「ホリエモン」こと実業家の堀江貴文氏が実質的なオーナーを務める新球団が立ち上がったとの発表がなされた。前日に西日本新聞に対する会見が行われたようで、早朝には早速ウェブ記事として第一報が配信された。新球団は福岡県北九州市を本拠とするらしく、地元紙に配慮したかたちだ。堀江氏は福岡県八女市出身。

 北九州市は、社会人実業団野球の祖と言われる新日鉄八幡があった町。戦後の復興期から高度成長の時代に黄金期を築いた西鉄ライオンズのサブフランチャイズともなり、現在も福岡ソフトバンクホークスが年間数試合を行っている。

 また、福岡県では2008年から2シーズン、四国九州アイランドリーグ(現・四国アイランドリーグplus)の福岡レッドワーブラーズが活動し、北九州市民球場でも公式戦を行っていた。

 新球団名は、「福岡北九州フェニックス」。堀江氏は2004年の近鉄球団とオリックス球団の合併計画に端を発した球界再編騒動の際、近鉄球団の買収を提案。それが不可能となると、パ・リーグの新規参入球団設立に手を挙げたのだが、「フェニックス」はその際のチーム名だった。17年の時を経て、堀江氏は故郷・福岡で「フェニックス」設立の夢を実現したかたちだ。

 堀江氏は、基本的に取締役として、経営の実務については直接タッチせず、スポンサー集めなどの「後方支援」に回る方向だ。球団経営は、自らのオンラインサロンのメンバーだった元銀行員の槇原淳展氏が担当する。堀江氏は、「野球界の諸先輩方をしっかりたてながら」球団運営を進めていくというが、あの「ホリエモン」のこと。これまでにない斬新な球団を創っていくに違いない。

 尚、明日26日午前にオンラインで球団設立についての共同記者会見が行われる。

大分B-リングス、愛媛マンダリンパイレーツに惜敗

対愛媛の交流戦が行われた竹田市民球場(大分B-リングス提供)
対愛媛の交流戦が行われた竹田市民球場(大分B-リングス提供)

 先週のKAL公式試合は、1試合のみ。四国アイランドリーグplus・愛媛マンダリンパイレーツを迎えての2連戦が予定されていたが、熊本を襲った豪雨により21日にリブワーク藤崎台球場で予定されていた火の国サラマンダーズ戦は中止。翌日のB-リングス戦(大分県竹田市民球場)のみが実施された。

 今シーズンの愛媛はここまで2勝13敗2分と低迷を続けている。同じく調子の上がっていないB-リングスとしては、何とか勝ってKALの面目を保ちたいところだ。

愛媛先発の澤田(筆者撮影)
愛媛先発の澤田(筆者撮影)

 試合は、1点を争う好ゲームとなった。愛媛はここまでリーグ7位の防御率3.00の澤田陸(開星高)、B-リングスも防御率1.45でリーグ2位の岡部峻太(九州三菱自動車)が先発。予想通り終盤まで締まった投手戦となった。7回を終わってスコアは3対1。このままB-リングスが逃げ切るかと思われた。

大分先発の岡部(筆者撮影)
大分先発の岡部(筆者撮影)

 しかし、7回裏、先頭打者としてスリーベースを放った廣沢新太郎(九州総合カレッジ)が、次打者のレフトフライでホームに突入したのを愛媛のルーキー・山本圭吾(小松高)が刺したプレーがゲームの流れを変えた。8回表に愛媛はホームランを含む3本の長短打で一挙3点を挙げ逆転。9回に両チームとも2点ずつを追加するが、愛媛が逃げ切り、結果的に7回の「レーザービーム」が試合を決めたかたちとなった。

15安打17得点の猛攻を見せたB-リングス(大分B-リングス提供)
15安打17得点の猛攻を見せたB-リングス(大分B-リングス提供)

 大分は翌23日の日曜にも、竹田で地元・大分のクラブチーム、BAN BASEBALL CLUBとの練習試合を実施。格下のアマチュアチーム相手とあって、投打とも圧倒した。初回に2点を入れると、15安打17得点の猛攻。とくに4番に入った地元大分高校出身の山下が4打数3安打の大当たり。第1打席は凡退したものの、その後スリーベース、ツーベース、そして2ランホーマーとサイクルヒットまであとシングル1本という状況になったが、練習試合ということもあり、6回から交代した。投手陣も相手打線を2点に収め、プロとして格の違いを見せつけた。

「ホリエモン球団」参入で話題沸騰となったKALだが、場外の話題ではなく、フィールドのプレーにも注目したい。

ベースボールジャーナリスト

これまで、190か国を訪ね歩き、23か国で野球を取材した経験をもつ。各国リーグともパイプをもち、これまで、多数の媒体に執筆のほか、NPB侍ジャパンのウェブサイト記事も担当した。プロからメジャーリーグ、独立リーグ、社会人野球まで広くカバー。数多くの雑誌に寄稿の他、NTT東日本の20周年記念誌作成に際しては野球について担当するなどしている。2011、2012アジアシリーズ、2018アジア大会、2019侍ジャパンシリーズ、2020、24カリビアンシリーズなど国際大会取材経験も豊富。2024年春の侍ジャパンシリーズではヨーロッパ代表のリエゾンスタッフとして帯同した。

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