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昨年のホームランが大谷翔平より多かった10人は、ここまでに何本打っているのか

宇根夏樹ベースボール・ライター
ピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)Jul 2, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 昨シーズン、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、34本のホームランを打った。この本数は、マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)と並び、両リーグで11番目に多かった。

 この2人は、今シーズン、それぞれのリーグの本塁打ランキング・トップに位置している。32本塁打と29本塁打だ。大谷とア・リーグ2位のルイス・ロバートJr.(シカゴ・ホワイトソックス)の差は6本。ナ・リーグで2番目に多いのは、26本塁打のピート・アロンゾ(ニューヨーク・メッツ)とムーキー・ベッツ(ロサンゼルス・ドジャース)なので、オルソンのリードは3本だ。

 昨シーズンに30本塁打以上の23人が、今シーズン前半に打ったホームランの本数は、以下のとおり。

筆者作成
筆者作成

 リース・ホスキンス(フィラデルフィア・フィリーズ)は、開幕前に左膝の前十字靭帯を損傷し、復帰は来シーズンとなる。

 それについては、こちらで書いた。

「昨年30本塁打&ポストシーズン6本塁打の一塁手が開幕直前にシーズン全休となる。代役の候補は…」

 22人中、オールスター・ブレイクまでに20本塁打以上は、大谷、オルソン、アロンゾ、ベッツ、カイル・シュワーバー(フィリーズ)の5人だ。彼らのうち、シュワーバー以外の4人は、昨シーズンよりもホームラン1本当たりの打数が少なくなっている。大谷は17.2打数/本→10.7打数/本、オルソンは18.1打数/本→11.8打数/本なので、どちらも6打数以上の減少だ。

 アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)の場合、9.2打数/本のハイペースは変わっていないものの、6月上旬から欠場している。ヨーダン・アルバレス(ヒューストン・アストロズ)もそうだ。2人に加え、コリー・シーガー(テキサス・レンジャーズ)とジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)も、前半の出場は60試合に満たなかった。

 ただ、シーガーは、ホームランこそ12本ながら、4月12日~5月16日の離脱を挟み、打率.353と出塁率.413、OPS1.026を記録している。8月を迎えるまでには、その時点の規定打席に到達し、打率と出塁率は、リーグ・トップにランクインするだろう。現在のトップは、打率.323と出塁率.408のヤンディ・ディアズ(タンパベイ・レイズ)だ。シーガーは、OPSも、大谷に次ぐ2位に位置しそうだ。大谷は、OPS1.050を記録している。2位は、ディアズの.923だ。

 なお、過去2シーズンとも30本塁打以上は、13人いる。大谷は、すでに30本塁打以上を3シーズン連続としていて、オルソン、アロンゾ、シュワーバーの3人は、あと10本未満でそうなる。

 3シーズン連続30本塁打まで、あと10本以上15本未満の4人のうち、ジャッジとアルバレスが到達できるかどうかは、復帰の時期次第だろう。ノーラン・アレナード(セントルイス・カーディナルス)は、5月12日以降の出場50試合で16本のホームランを打っている。このスパンのペースは、11.6打数/本だ。オースティン・ライリー(ブレーブス)は、最初の3ヵ月とも5本塁打ずつ。今月はまだ1本だが、毎月5本なら、シーズン全体では、ちょうど30本となる。

 それ以外の5人、ポール・ゴールドシュミット(カーディナルス)、ブラディミール・ゲレーロJr.(トロント・ブルージェイズ)、カイル・タッカー(アストロズ)、エウヘニオ・スアレス(シアトル・マリナーズ)、ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース)は、3シーズン連続30本塁打まで、あと15本以上を必要とする。昨シーズン後半のホームランは、ゴールドシュミットとスアレスが15本、ゲレーロJr.とタッカーが12本、スタントンは7本だった。今シーズン後半もそれと同じ本数だと、ゴールドシュミットはシーズン30本塁打となるが、あとの4人は30本に届かない。

 

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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