「霊は子どもに宿る」ノルウェー王女の婚約者シャーマンの育児アドバイスが物議
ノルウェーのマッタ・ルイーセ王女は今年9月に米国人のデュレク・ベレット氏との婚約を発表した。
「シャーマン」という職業でこれまでも数々の問題発言を繰り返したベレット氏にノルウェー国民は再び厳しい視線を注いでいる。
先日のインスタグラムの動画投稿では、「子育てのアドバイス」として、「子どもの言動がおかしい場合には霊が宿っている可能性がある」という主張を開始した。
子どもには闇の力が宿りやすく、祓うことが可能だという主張はノルウェー現地で特に子育てや子どものセラピーなどに関わる人々を憤慨させている。
「投稿を削除し、発言撤回すべきだ」という指摘のほかに、「このような発言をしないようにノルウェー王室は介入すべきだ」という意見も出ている。
「さらに詳しい治療方法を知りたい人は私に直接メールをしてほしい」という同氏は、普段から高額の料金で人々の「治療」にあたっている。
全国紙アフテンポステンでは「ドゥレクは新たな低レベルに達した」と痛烈に批判する記事が掲載される。
王室は現在までにノーコメントを貫いているが、このような無責任な発言がスルーされ続けるようであれば王室に対する信頼は揺らぐだろう。
ベレット氏のスポークスマンはノルウェー公共局NRKに対し、「ドゥレクの仕事はシャーマニズムの理解と実践に基づいています。彼の実践は、伝統的な医療ライセンスや規制の範囲外です。治療方法の詳細については、公の場では話しません」
多様性と尊重でなんとかして新しい王室メンバーとなるドゥレク氏を受け入れようとするノルウェー国民だが、本人の暴走は止まらない。
これまでにも自身には不思議な力が宿っており、実は人間ではなく「半分は爬虫類で半分は銀河」であり、過去の性的パートナーとの関係で膣に残った「刻印」を消し去ることができる、がん治療患者を助けることができるなどの発言をしてきた。高額の怪しいメダル販売では「コロナに感染した際の治療に役立った」としている。
マッタ・ルイーセ王女も「聖霊と交信できる」などの不可解な発言を繰り返すスピリチュアルな人である。だが、それを上回るレベルの言動を繰り返す婚約者に対して、合理的でスピリチュアル的なものはあまり信じないノルウェー国民の悩みとフラストレーションは尽きることがない。
ノルウェーは特に「子ども」を大切にしている国だ。だからこそ今回は治療対象が子どもであることに憤りを感じる人は多い。
「偽医者」だと批判されても、ルイーセ王女もベレット氏も、全ての批判は「黒人に対する人種差別だ」だとの反応を繰り返している。