『テンポの悪さを作り出したのは選手ではなく・・・』浦和vs京都【浦和レッズ川柳試合レビュー】
■9月に蒸し暑い埼スタ
16時ごろ、取材で渋谷に行ったら、それこそ「バケツの底が抜けたような」雨に遭遇して、夜までこの雨が後を引かなきゃいいな、と心配になった。
まあ、さすがにそんなに降り続けるはずもなく、東浦和駅から埼スタに向かって自転車走らせる頃には、雨もやんでる。埼スタ到着は試合開始30分くらい前か。いつもの南側自由席の通路階段をのぼりつつ左右見渡すと、なぜか女性客の数が多い。金曜夜の京都戦となると、いつものように私みたいな「おひとりさまオジサン」が多いかと思いきや、そうでもない。なぜなんだろう?
ただ、アッパー席はメインもバックもほぼ無人に近いくらいで、2万1千人台の発表にも納得。この前のガンバ戦に比べても、アウエーサポーター席の数と熱気はだいぶ違う。
妙に蒸し暑く、久しぶりにコーラを一杯買う。250円から300円に値上がりしてたのを知る。
「優勝」を目標にするには、きょうは絶対に勝ち点3取らなきゃいけない試合だ。
スコールを 浴びて願いは 勝ち点3
■天候のような前半の試合展開
ところが、試合がはじまってみると、「つかみどころがない」っていうか、すごいのっぺらぼうなな展開が続いていく。別の言い方をすれば、風船は少しずつ膨らんでいるのに、それを割るための針とかが準備されてなくて、ただ大きくなってくだけ、みたいな中途半端感。
関根がゴール前で倒されてPK必至だろうと思われたところでも、あれ、倒れながらゴール決めてりゃ、VARも何も関係ねぇだろ、と少なくとも私は感じた。
京都の攻撃は、そんなに点を入れられそうな恐怖はなかったものの、レッズ側もシュートがゴールポストに弾かれたとか、相手GKのナイスセーブに阻まれたとかのスリリングな場面がなく、要はあの、PK取れなかった場面が前半のクライマックス。
スコアレスって、だいたい2種類で、緊迫した展開のままついに点が入らずか、どうにも「決め手」のないままダラダラと両者無得点で終わるかだか、きょうの前半は、後者だろうね。
試合中に倒れた選手がなかなか立ちあがらなかったり、せっかくの酒井が前に飛び出していってもパスがまったく来なかったり、全体的にピリッとしない内容。
見どころは PKめぐる 議論だけ
試合途中から、ポツポツと雨がぶり返す。いやだな、こんなあいまいな試合展開で雨にも降られて、ジトッとした蒸し暑さでは「不快指数たっぷり試合」になってしまう。
■風船の行方は・・・
スコルジャ監督もソコを察したのか、後半、代表帰りの伊藤敦樹と「暴れん坊」明本を登場させて、ふくらんだ風船に穴をあけに行った。
後半開始して5分くらいは、やっとレッズの攻撃も活性化したかな、と勢いを感じたものの、だんだん前半のペースに戻ってくる。
もちろん最も得点を期待したのは、最近、ミドルシュートが絶好調のカンテと、この前の試合で、ようやく「ピンポイントFW」の本領を発揮してくれた途中出場のリンセンだ。
ところが、カンテは絶好のミドルシュートチャンスで決められず、リンセンに至っては、短い時間に2度3度とチャンスが来て、ことごとくハズしてるんだから、こら、どうしようもない。「ピントはずれのFW」になってしまった。
当然PKだろ、のあの場面は確かにあった。だけと、それよりまず、1点決めといてくれればぜんぜん問題なかったわけで、やはり不快指数は上がりっぱなし。
リンセンの ピントはずれで スコアレス
レッズサポの多くは憤っているが、審判のレフェリングもひどいっちゃひどかった。
PKの件だけでなく、流れている試合をしばしば止めたり、倒れた選手を素早く起き上がらせなかったり、とにかくテンポが悪い。この人、わざと試合をつまらなくさせてるんじゃないかと疑ったくらい。審判はいわば試合を作る料理人みたいなもの、とはよく言われるが、きょうの審判はできの悪いコックさんだ。
審判の 調理で試合は 薄味に
当然得られるはずだった勝ち点3も得られず、ふくらんだ風船は最後まで割られないまま宙に飛びあがってしまった。
相手に合わせすぎたのもあったかな。
外は雨は上がっていたものの、9月中旬なのにまだ蒸し暑い。
動画:カンテが覚醒!!浦和レッズ川柳2023【8月編】
山中伊知郎
1954年生まれ。1992年に浦和に引っ越して来て、93年のJリーグ開幕時にレッズのシーズンチケットを取得。以後30年間、ずっとシーズンチケットを持ち続け、駒場、ならびに埼スタに通う。2021年より、レッズ戦を観戦した後、「川柳」を詠むという「レッズ川柳」を始める。現在、去年一年の記事をまとめた単行本『浦和レッズ川柳2022』(飯塚書店)が好評発売中。
代表を務める「ビンボーひとり出版社」山中企画では、8月、テレビの夢グループCMで、石田社長の横で「社長~! 安くしてエ~!」の甘え声でお馴染の歌手・保科有里の『愛人!? 困っちゃう・・・』という本を出す。秋には、タブレット純とエド山口の対談本を出す予定。
11月27日(月)、東京都江戸川区のタワーホール船堀・小ホールで『ちょっと昭和なヤングたち90回スペシャル』も開催。