サヨナラ本塁打となる打球をセンターが捕り、連勝は7に伸びる。トレード市場で売り手から買い手に!?
7月28日、1点ビハインドの9回裏、2死三塁から、代打のアレック・バールソン(セントルイス・カーディナルス)が打ち返したボールは、センターへ飛んでいった。間違いなく、フェンスを越え、サヨナラ本塁打になっていたはずだ。センターのマイク・トークマン(シカゴ・カブス)がジャンプして、ボールをグラブに収めなければ。
ESPNスタッツ&インフォは、「サヨナラ本塁打の強奪は2021年以来、ここ5シーズンで5度目。カブスが勝率.500を超えたのは17勝16敗の5月6日以来」とツイートし、さらに、「興味のある方へ」という書き出しで、5度の日付と外野手(と打者)を紹介している。
2019年以降の5度は、2019年5月8日のジャッキー・ブラッドリーJr.(トレイ・マンシーニ)、2021年5月28日のトークマン(アルバート・プーホルス)、2021年6月9日のジェイク・フレイリー(イサック・パレイデス)、2021年8月3日のグレゴリー・ポランコ(エデュアルド・エスコバー)に、今回のトークマン(バールソン)だという。
2年前にも、トークマンはサヨナラ本塁打を阻んでいる。
もっとも、まったく同じではない。前回の強奪の際、トークマンはサンフランシスコ・ジャイアンツの選手として、ドジャー・スタジアムでレフトを守っていた。場面は、同点の9回裏、2死走者なし。トークマンがプーホルスのホームランを阻んだのは、ジャイアンツの投手が3ラン本塁打を打たれ、同点に追いつかれた直後だった。10回表に3点を挙げたジャイアンツは、その裏を抑え、試合を終わらせた。
5度のうち、サヨナラ本塁打の阻止と同時に試合が終わったのは、今回しかない。
トークマンがバールソンのサヨナラ本塁打――となるはずの――打球を捕り、7月21日にスタートしたカブスの連勝は7に伸びた。7月20日が終わった時点では、地区首位に8.5ゲーム離され、ワイルドカードの3番手とも7ゲームの差があったが、現在は4.5ゲーム差と3.5ゲーム差に縮まっている。
もっとも、ここからもカブスが白星を積み上げていけるのかどうかは、まだ判断しかねる。この7連勝は、カーディナルスに3勝、シカゴ・ホワイトソックスに2勝、再びカーディナルスに2勝だ。7月20日の時点で、カーディナルスは借金9、ホワイトソックスは借金16を抱えていた。
トレード・デッドラインまでに、カブスは、買い手と売り手のどちらに回ってもおかしくない。売り手となった場合は、マーカス・ストローマンやコディ・ベリンジャーの放出があり得る。
ストローマンとベリンジャーについては、それぞれ、こちらで書いた。