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ジャッジの「打点と四球のどちらも両リーグ最多」は「本塁打と打点が最多」よりも珍しい!?

宇根夏樹ベースボール・ライター
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)Jun 2, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 今シーズン、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)は、26本のホームランを打ち、64打点を挙げ、57四球を記録している。これらは、いずれも、両リーグで最も多い。

 オプタ・スタッツによると、打点が公式記録となった1920年以降、同じシーズンに――シーズンが終わった時点で――打点と四球のどちらも両リーグ最多は2人、ベーブ・ルース(4度)とテッド・ウィリアムズ(2度)しかいないという。

 一方、ホームランと打点のどちらも両リーグ最多は、珍しくない。今世紀に入ってからの23シーズンに限っても、10人を数える。例えば、過去3シーズンの場合、2021年は48本塁打と121打点のサルバドール・ペレス(カンザスシティ・ロイヤルズ)、2022年は62本塁打と131打点のジャッジ、2023年は54本塁打と139打点マット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)が、どちらも両リーグ最多、あるいは最多タイだった。

 ホームランを打てば、打点も記録される。1本につき、少なくとも1打点、多ければ4打点だ。一方、四球で打点を挙げることができるのは、満塁の押し出し以外にない。

 もっとも、両リーグ最多ではなく、打点と四球のどちらもナ・リーグ最多、もしくはア・リーグ最多の選手は、ルースとテッドの他にも、10人以上いる。今世紀は2人。2006年に137打点と119四球のデビッド・オティーズと、2022年に131打点と111四球のジャッジがそうだ。

 2022年のジャッジと同じように、2006年のオティーズは、本塁打王も獲得している。ア・リーグ最多の54本塁打を記録した。ただ、なかには、打点と四球はリーグ最多だが、ホームランは最多ではなかった選手もいる。近いところでは、1988年のウィル・クラークがこれに当てはまる。109打点と100四球はナ・リーグで最も多く、29本塁打はナ・リーグ3位タイ。本塁打王のダリル・ストロベリーとは、10本の差があった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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