Galaxy折りたたみ新機種 「Android 12L」初搭載に注目
8月10日、サムスン電子はグローバル向けの発表イベントで、折りたたみスマホ「Galaxy Z Fold4」などの新製品を発表しました。大画面に最適化した「Android 12L」を初搭載することで、マルチタスクによる生産性向上を狙っています。
折りたたみ新機種「Galaxy Z Fold4」
サムスンの折りたたみスマホとしては、小型タブレットを2つに折りたためる「Z Fold」と、二つ折り携帯のような見た目の「Z Flip」があります。今回は両方の新モデルが登場しました。
両機種ともにデザインや基本性能が順当にアップデートされているものの、注目したいのは、Galaxy Z Fold4が大画面向けに最適化されたAndroidの派生バージョンを搭載した点です。
このAndroid 12Lは、ホームや通知の画面表示が最適化されており、画面を分割して複数のアプリを使う機能も加わっています。
今後、Android 12Lを搭載したOSを搭載した機種が増えると予想されていましたが、Galaxy Z Fold4が初搭載の製品になったというわけです。
画面の下部には新たに「タスクバー」が追加され、登録したアプリや、最近使ったアプリの切り替えが簡単にできるようになっています。
画面を分割して複数のアプリを使う機能はもともとZ Foldシリーズに備わっていましたが、そのあたりも強化されているようです。
グーグルとの協業により、ChromeやGmailなどがアプリ間でのドラッグ&ドロップ操作に対応。Google MeetではYouTubeの動画を一緒に見るなどのコラボ機能が加わっています。マイクロソフトのOfficeアプリも最適化が進んだとしています。
このマルチタスク強化により、Galaxy Z Fold4を使えばパソコンに匹敵するパワーをポケットに入れて持ち運べるとサムスンはアピールしています。
ただ、そのためには標準の機能だけでなく、サードパーティ製のアプリにも画面レイアウトの最適化などを求めたいところです。
この点について、グーグルはアプリ開発者に対応を促しています。これまでのAndroidタブレットはコンテンツ消費が中心で、アプリの対応が進まないという悪循環に陥っていましたが、Android 12Lの登場でこの状況が変わるか注目しています。
サムスンの発表はグローバル向けのもので、日本での発売は未定です。しかしこれまでの機種は日本で発売されており、プレスリリースの日本語訳も出たことから、国内キャリアから冬モデルとして登場する可能性があります。
また、8月13日から東京ミッドタウンで実施するBTSとのコラボイベントでは、Galaxy Z Fold4などの新製品を体験できる予定となっており、これも日本市場への投入の布石となりそうです。
タブレットやPC まとめて1台にできる?
折りたたみスマホを考える上で、避けて通れない問題が価格です。さまざまなコスト上昇が懸念される中で、グローバル発表の価格は1799ドルと、前モデルのGalaxy Z Fold3から据え置きとなりました。
Z Fold3では、ドコモ版とau版の価格はいずれも23万8000円弱でした。しかし最近の円安傾向を考えると、仮に日本で発売されるとしても、価格は20万円台半ばから後半がターゲットになってくる可能性があります。
スマホとして非常に高価ではありますが、この価格帯で購入するのはガジェットが好きな人や、他の人が持っていないことに魅力を感じる人が中心であることから、多少(数万円)の値上がりは問題にならないかもしれません。
それに加えて、マルチタスク強化によって仕事に使えるとなれば、話は変わってきます。タブレットやPCとの2台持ちをやめて、1台の折りたたみスマホに集約したいといった需要があるかもしれません。