【横浜市青葉区】メニュー名のクセ強っ!笑。41年地域に愛される洋食レストラン「丘公園」
魅力的なお店、通いたくなるお店ってどんな店でしょうか。
美味しいから。雰囲気が好きだから。
それらももちろん大事な要素だけど、「マスターがいるから、ママがいるから会いに行く」動機もあるとつくづく感じます。
今回は、横浜市青葉区あざみ野にある1982年創業の小さな洋食レストランをご紹介します。
漂う昭和感。街の洋食レストラン「丘公園」
1982年といえば、松田聖子さんの赤いスイートピーがヒットした年。オレンジ色で可愛いフォルムの軒先テントからは、今も昭和の香りが立ち込めます。
昭和のレトロな雰囲気は店内でも。壁には手書きのメニューがずらりと掲げられています。
まず気になるのは、謎めいたメニュー名ですよ。
「丘公園」という牧歌的な店名と裏腹に、メニュー名のクセが、まぁ強いったら!
一見してしまったらスルー出来ないネーミングの数々。マスターの里中さんに説明してもらいましたので、ご紹介します。
・「与作のカレー」
与作のカレーは、ナスカレーのこと。ナスを輪切りにする際、木を切る与作になりきっていたことから由来。ただし今は乱切りに変わったとか…!
・「セーム」シリーズ
「セーム」とは英語の「same」を意味します。カレーとスパゲッチー、2つのメインが盛られた一皿。
「ハーフ&ハーフってことなんだけど、それだとピザみたいでイヤだったんだよね」とマスター。確かに「セーム」って、不思議とオシャレな響き。
・「雪の鬼押し出し」
浅間山の観光地「鬼押し出し」が雪をかぶっている様子をハンバーグとチーズで再現。
おすすめメニューの「丘仲間」シリーズ
気になるネーミングがたくさんあり迷いましたが、メニューのおすすめ欄にある「丘仲間 オニオンハンバーグ (税込1,150円)」をオーダーしました。“仲間”というワードもなかなか独特!
ご飯に大胆に乗っけられたデミソースたっぷりのハンバーグ。たらこスパゲッチーのぷりぷりした麺も美味い。
デミソースでじゃぶじゃぶになったご飯がたまらん...。
おどけたメニュー名とはまた裏腹に、本格的で美味しいからちょっと驚きですよ。
それもそのはず、マスターは料理人としてホテルや横浜の某老舗レストランで下積みした、洋食のプロ。
味わい深いデミソースがそれを物語っているのですが、フォーマルな洋食というより、いい意味でちょっと崩した感じが丘公園スタイルです。
昭和57年から41年続くお店
「うちは綺麗じゃないし、ありのままがテーマのお店だけど」というマスターの里中さん。インタビューの際には、マスターが他のお客さんも巻き込んで、その場がアットホームな雰囲気に。
「この常連さんは若い時、ヘルメットみたいな大盛りばかり頼んでたのに、今日は、というか最近はめっきり小盛りだよ」
取材時にいたらしたお客さんは、何と40年通っているという常連さん。
食べ盛りの少年が、今はご自分の身体と向き合って小盛りをオーダーしている…何だか、長い時の流れを感じますね。
「これだけ長くやってるとね、親子4世代がお店に来てくれることもある。そしてなんでも適度にやるの。それが長く続けられるコツ。でももうそろそろ辞めたい。笑」
そんな事言わないでください。と返しながら、お一人でお店を切り盛りするのは大変なのだろうな、とお察ししました。
ちなみに屋号の「丘公園」とは、マスターの好きな横浜の景色「港の見える丘公園」にちなんでつけたそう。
「あっちが本家で、ここは港の見えない丘公園」とマスター。ころどころにおやじギャグが炸裂しまくりです。笑
地元少年野球チームのメンバー募集チラシが貼られているのも、地域を愛し愛されている証のように感じました。
本格的な洋食と、マスターが作り出す独特な雰囲気を味わう、“港の見えない”丘公園。横浜市青葉区の隠れた名店です。