一塁手がシーズン全休となったチームが、開幕直前のトレードで外野手を獲得する。この動きは無関係!?
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3月23日、一塁手のリース・ホスキンス(フィラデルフィア・フィリーズ)は、左膝の前十字靭帯を損傷し、シーズン全休となった。それについては、「昨年30本塁打&ポストシーズン6本塁打の一塁手が開幕直前にシーズン全休となる。代役の候補は…」で書いた。
3月29日、フィリーズは、マイナーリーガーの右投手、ビリー・サリバンをオークランド・アスレティックスへ放出し、その見返りとして、外野手のクリスチャン・パチェイを獲得した。
パチェイの役割は、ホスキンスに代わる一塁手ではない。一塁を守るのは、昨年6月メジャーデビューしたダリック・ホールだ。
ちなみに、数日前に「開幕ロースター入りを争っていた2人、元プロスペクトと元本塁打王はどちらも他球団へ!?」で書いた2人の一塁手は、どちらもミルウォーキー・ブルワーズに残った。ルーク・ボイトは、マイナーリーグ契約を打ち切ってFAとなった後、ブルワーズとメジャーリーグ契約を交わした。DFAとされ、ウェーバー公示期間を終えたケストン・ヒウラは、退団せずにマイナーリーグ降格を選んだ。フィリーズは、FAのミゲル・サノーにも手を出していない。
ホスキンスの全休とパチェイの獲得は、無関係のように見える。
フィリーズでは、ともに守備に不安のあるニック・カステヤノスとカイル・シュワーバーの一方が、外野を守る。もう一方はDHだ。カステヤノスもしくはシュワーバーに代わる守備固めとして、パチェイは起用されるだろう。
また、センターのブランドン・マーシュは左打者、パチェイは右打者だ。対戦する先発投手が左腕の時は、パチェイがセンターを守ることも考えられる。
もっとも、ホスキンスの全休とパチェイの獲得は、まったく無関係とも言いきれない。ホスキンスは、60日間の故障者リストに入るので、40人ロースターにはカウントされない。ロースターの枠が一つ空いたことで、フィリーズには、パチェイを加える余地ができた。
マーシュは、今年がメジャーリーグ3年目の25歳。パチェイは、4年目の24歳だ。どちらもブレイクはしておらず、ここまでのメジャーリーグでの成績は、パチェイのほうが下だ。けれども、かつてのパチェイは、マーシュ以上のプロスペクトと目されていた。例えば、ベースボール・アメリカは、2021年の開幕前のプロスペクト・ランキングで、パチェイを全体7位、マーシュを全体38位としている。パチェイがマーシュを押しのけ、センターのレギュラーになることもあり得る。